本の紹介-コソボ 苦闘する親米国家 ユーゴサッカー最後の代表チームと臓器密売の現場を追う ― 2024年06月10日
木村元彦/著『コソボ 苦闘する親米国家 ユーゴサッカー最後の代表チームと臓器密売の現場を追う』集英社インターナショナル (2023/1)
コソボ解放軍・コソボ政権による、臓器移植殺人が詳しい。
ソ連崩壊後ユーゴスロビアは、セルビア・クロアチア・モンテネグロ・ボスニアヘルツェゴビナなどに分裂した。コソボはセルビア南部の地域で。もともとセルビア人の領土だったが、アルバニア指導者ホッジャの住民弾圧政策により国を逃れたアルバニア人が多く住むところとなっていた。このため、セルビア独立時には、コソボの最大民族はアルバニア人だった。
コソボではアルバニア人至上主義のコソボ解放軍(KLA)による紛争があったが、アメリカ・イギリスはKLAを支援して、直接軍事介入し、KLAによるセルビア系住民殺戮を促した。KLAは拉致したセルビア系住民をアルバニアに送致し、そこで、殺害後臓器を取り出し、臓器移植を密売するビジネスを行った。殺戮・臓器移植ビジネスは、コソボ独立後も、政権幹部によって実施された。
本書は、サッカー関連のジャーナリストによる執筆のため、紙面の多くは、ユーゴ・コソボのサッカー事情に充てられている。コソボ解放軍・コソボ政権による臓器移植殺人は全体の20%程度。
コソボで拉致されたセルビア系住民は、アルバニア僻地の黄色い家に運ばれ、そこで銃殺された後、臓器を摘出された。著者は、黄色い家に行き、オーナーの老人にあっているが、ほとんど証言は得られていない。
現在でも臓器移植ビジネスには、アルバニア人ブローカーの暗躍が有名だが、コソボ人拉致の話はあまり聞かない。今では、臓器提供者は、ウクライナ人が多い。生活に困窮したウクライナ人が臓器を売っているとの話もあるが、ゼレンスキー政権幹部が、ロシア系住民や政権反対派住民を拉致・殺害し、臓器を摘出していると噂が絶えない。
コソボの臓器密売は、アメリカ・イギリスが支援していたKLA・コソボ政府幹部によって実施されていた。アメリカ・イギリスの指図だったのか、黙認だったのか、わからない。しかし、アメリカ・イギリスがコソボの臓器密売捜査に非協力的だったことは、本書にも記されている。現在、ウクライナにおける臓器販売は、アメリカ・イギリスの指示なのか、公認なのか、黙認なのか分からないが、今後、捜査がなされても、アメリカ・イギリスの非協力により、ウヤムヤにされるだろう。