北方海域違法漁獲-岡田外相の誤った判断2010年02月03日

 NHKニュースによると、国後島の沖合で日本の漁船がロシアの国境警備隊から銃撃された問題で、岡田外相は、記者会見で「漁船に対して銃撃を行ったことは、人命の損失につながりかねず容認できない」と述べ、ロシア側の行動を批判したそうです。
 この問題では、漁船の位置確認のために漁船に備え付けられているVMS装置のデータに数時間にわたって空白があることが明らかになっています。ロシアを批判した岡田外相は、一方で、「どうしてそうしたことが起こったのか、その意味することは何なのか、徹底した調査を行う必要がある」と述べたそうです。

 事実関係で不明な点が有るならば、調査する必要があるのは当然のことですが、事実がわからないうちに、一方的に他国を批判する態度は、尊大で軽率です。日本の警察でも、犯人の逃走防止等緊急事態に拳銃を使うことは、それほど珍しくありません。漁船に対する銃撃が、犯人の逃走防止のために必要不可欠な緊急対処行為ならば、取り締まり当局の拳銃使用は完全に正当です。

 この事件で、銃撃を受けた漁船が所属する羅臼漁協の田中勝博組合長は、VMS装置を解析した結果、決められた水域内で銃撃された、と説明しましていました。その後の調査で、VMSの電波は受信していなかったことがバレてしまいました。
 漁船は不法操業を隠蔽するために、故意にVMSを切断した疑いが指摘されています。
http://mainichi.jp/select/world/news/20100202ddm041040015000c.html
 
 羅臼漁協グルミの不法操業だったのかどうなのか、現時点では分りません。北方海域の漁業は、ヤクザが深く関与していることがあるので、事実がわからないうちに、一方的に他国を批判するような、尊大で軽率な態度は避けるべきです。


それにしても、不思議なのですが、羅臼漁協は、どうしてウソをついたのだろう。

 釧路新聞(2010/01/31)によると。
 『照明弾を発射された2隻も「VMSで操業位置を確認している」(同漁協)と明言しており、ルールに準じた操業だった。田中組合長は、「なぜ発射したのか分からない。このような事態は二度と起きてはならない」と話している。http://www.hokkaido-nl.jp/detail.cgi?id=3183
 北海道新聞(2010/01/30)によると。
 『田中組合長は「衛星通信漁船管理システム(VMS)で、こちらに(区域外操業などの)落ち度はない。外務省を通じて、こうしたことが二度とないように厳重に抗議していく」と述べた。 』

 VMSで確認したのか、していないのかなど、後になれば、すぐに分ることなのに。不法操業を知っていながらウソをついたのか、頭がものすごく悪かったために軽率に「VMSで操業位置を確認している」「こちらに落ち度はない」と説明してしまったのだろうか。

 現在、北方領土はロシアの実効支配下にあり、領土交渉が困難な問題であることは明らかです。少しでも、日本が不利にならないように、ウソはつかないほうが良いのに。

注)誤解が無いように。
 漁船からのVMS電波がどのような理由で受信されなかったのか。この点は、まだ解明されていません。故意に電源を切るなどの細工をしたのか、受信側が故意に隠しているのか、気象条件なのか、など、いろいろと推測は出来るかも知れませんが、確定的なことは分りません。
 漁協が電波を受信していないにもかかわらず、事実と異なった説明をしていたことは確かなようです。



北方領土問題の説明はこちらを。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm

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