クナシリ沖、日本漁船銃撃事件-羅臼漁協の密漁犯罪2010年02月10日

 1月29日、国後島周辺海域で操業していた、羅臼漁協所属漁船がロシア国境警備隊のヘリコプターから銃撃を受けていた事件があった。ロシアの銃撃に対して、官房長官・外務大臣・北海道知事はロシアに対する抗議声明を出した。
 北海道・高橋はるみ知事は「銃撃が事実なら、いかなる理由があろうと正当化できない事態だ。ロシア政府に強く抗議する」とのコメントを出していた。

 事実は、羅臼漁協の漁船による密漁だったようで、日本の法に違反した犯罪だったようです。
 共同通信のニュースによると、海上保安本部は船長を逮捕する方針だそうです。
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020901001122.html

 日本の法に違反した犯罪者が、ロシア実行支配地域でロシアの警備当局の捜査を受けるのは当然です。停戦命令を無視して逃げ回ったら、銃撃を受けることも当然です。
 
 北海道・高橋はるみ知事は「銃撃が事実なら、いかなる理由があろうと正当化できない」との抗議声明をしていましたが、「警察官は犯人に対して武器を使用するな」といっているに等しい妄言で、まるでドロボウの言い分です。犯人が逃げ回っている場合は、警察官が、犯人逮捕のために武器を使用することは、当前です。
 北海道・高橋はるみ知事の責任は、北海道民に日本の法を遵守させることであって、犯罪を放置し犯罪を助長させる抗議声明を出すことではないはずです。

 根室や羅臼の漁船が禁止区域に入って密漁することは、これまでもたびたび起きています。元々、水産資源が豊富な海域だったのに、日本の漁船が濫獲をしたために、日本近海では資源が減少しました。日本漁船の漁が禁止されている海域は水産資源が豊富なので、そこで密漁すれば儲かるのは当然です。でも、そんなことを許したら、資源が枯渇してしまう。海は繋がっているので、北方四島近海で密漁が横行したら、日本近海の資源も枯渇してしまいます。密漁犯罪は、きちんと取り締まらないといけない。

 この海域は、北方領土問題が有るために、日本とロシアの警備当局の連携がうまく行かず、このため、不良漁民の密漁犯罪が跡を絶ちません。領土問題とは別に、羅臼漁協の犯罪を防止する日ロ警備当局の協調体制の構築が急務なはずです。


もう少し補足します:
 日本の近海で日本漁船が密漁したら、海上保安庁の巡視船は、通常、写真を撮ります。漁船員が家に帰ってから、そこに踏み込んで逮捕します。このように、犯人を容易に逮捕できるので、銃撃する必要はありません。逃げても、どうせ捕まるので、密漁はなかなか出来ないわけです。
 ところが、北方四島近海はロシアが実効支配しているので、ロシア警備当局が取り締まりますが、日本の密漁船が日本の領海に逃げ込むと、ロシアは逮捕することが出来なくなります。この場合でも、日本の海保が逮捕するわけですが、密漁の証拠を海保がしっかり握っているわけではないので、無罪か微罪で済まされることが多くなります。今回の羅臼漁協の密漁船の場合も、15日間の出漁禁止処分で済まされるかもしれません。このように、北方領土周辺海域は、密漁犯罪をした方が得になることがあるので、密漁が後を絶たないわけです。



北方領土問題の説明はこちらを。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm

コメント

_ KENKONA ― 2010年02月12日 05時34分58秒

全く、そのとうりだと思います。位置確認システムが4時間近くも記録されていない

そんな馬鹿な話はないでしょう!越境するために、記録されないようにしていたと、思うがごく自然でしょう。

羅臼漁協所属の船は近隣の標津海域に侵入しての密猟なども、平気で行うといった、事実もあるようです。

自分さえよければ、との考え僚船に迷惑をかけることを自覚すべきでしょう。

_ cccpcamera ― 2010年02月15日 12時32分28秒

KENKONA さま、はじめまして。
位置確認システムの記録が途切れることは、しばしば有ったとの報道も有ります。もし、そうだとしたら、この事件、羅臼漁協ぐるみの犯罪だったのかな-とも思えてしまい、嫌な感じがします。

_ MIR ― 2010年02月26日 00時51分40秒

私は静岡に住んでいますが伊豆でも漁師による密漁が後を絶ちません、というか野放し状態です。
夜釣りをしているとライトも付けづコソコソ出航する漁船を良く見ます。
日本近海の漁獲資源減少は節操無く密漁をし続けた漁師と漁協に責任があると思います。
密漁に対し行政ももっと厳罰化(例えば都道府県内全ての漁協の連帯責任とし半年間禁漁とか)すべきだと思いますし、そうでもしなければ密漁は無くなりません。
ちょっと過激かもしれませんが、この先の気候変動による漁獲資源の変動次第では壊滅的な状況もありうるかもしれません。
近未来での重大問題は水と食料とも言われています。
私たちの住む日本はちっちゃな島国です。
近海海洋資源はきちっと守っていかなくてはいけないと思います。

_ MIR ― 2010年02月26日 01時02分41秒

追伸です。
あと行政やメディアにも問題があると思います。
漁師が密漁で拿捕されるといつもつねにロシア側が加害者で密漁者が被害者的な報道をし、今回も日本側に非があったと分かったとたんに報道を規制してしまうのは日本の悪いところだと思います。
日本政府は今回のお粗末な一方的な抗議に対しロシア政府に対し謝罪するべきではないでしょうか?
日本人としてとても恥ずかしく思います。
日本人は羅臼漁協に対しもっと怒るべきではないでしょうか?
非買運動くらいするべきではないでしょうか?
何もしないから永遠と繰り返されるとは悲しいことです。

_ cccpcamera ― 2010年03月08日 09時34分57秒

MIRさま。
はじめまして、コメントありがとうございます。

結局、今回の船長は密猟で有罪、僚船の多くのVMSシステムを故意に切断していたことが明らかになりました。情けないですね。

_ 国後近海に住む者 ― 2011年07月08日 23時26分09秒

羅臼で検索すると未だにこのページが上部に食い込んでくるので、近場に住む者としてあまりいい気はしません。
ロシアの威嚇射撃で近年実際に死んでるんですよ。最近問題児の中国等でもそこまではしないでしょう。撃てば死にますからね。ロシアは殺してもいいとして撃ってきてるんですよ。

戦後すぐの弱り切った日本領土を略奪して、平然としているロシアの肩を持つ日本人だらけってのは寂しい気持ちです。元々は先住民アイヌから、本州から来た我々の先祖が略奪したらしいですが。

もちろん密漁漁師がいいとは全然思いませんが、北海道で食べているカニのほとんどがロシアからの輸入で、そのまたほとんどがロシア漁師の密漁蟹だって事は北海道水産試験場でも把握してます。なぜカニの密漁するのか?の問いにロシア漁師は、日本人が喜んて食べるからさ。だと。

どのみちこの近海の資源は日本漁師によらずともロシアによっても枯渇させられますョ。

羅臼は漁師の後継者は多い方ですが、今密漁した自分の子や孫が困る事になってもいいと思ってるんでしょうね。まぁ羅臼といえばホッケくらいしかないのでどのみち将来は厳しいと思いますが。
長々と書きましたが、密漁漁師やその先代が北方領土を追い出された人もけっこういるので、その辺の心情もみなさんに少しは分かって欲しいと思いました。
忘れかけた時にお邪魔しました。

_ cccpcamera ― 2011年07月09日 20時05分00秒

密漁は、日本の法律でも犯罪です。警察が犯罪者を取り締まるのは当然のことで、逃亡を図れば、発砲もありえます。

羅臼漁協の密漁船に対する発砲は、ロシア側が映像を公開しました。ほとんど当たっていない。警備を振り切って、日本に戻った犯罪船は、銃撃痕を偽装していましたが、結局、VMS切断の犯罪も明らかにされるにいたりました。VMSは、羅臼漁民を守るため、国民の税金を投入して設置されたものです。これを、切断するなど、とんでもない犯罪で、こんなことがまかり通るのならば、国民の税金はドブに捨てたのと同じことになってしまう。

この事件は、当初、密猟者に同情する論調が多かったのですが、実態が明らかになるにつれて、密漁犯罪者に対する同情は薄れてゆきました。犯罪者を擁護するほど、多くの日本人のモラルは低下していないようです。

>北海道で食べているカニのほとんどがロシアからの輸入で、
>そのまたほとんどがロシア漁師の密漁蟹だって事は北海道
>水産試験場でも把握してます。

これは、事実でしょうか。密漁蟹と知りながら輸入することは、日本の法律でも禁止されています。もし事実であり証拠をお持ちならば、ぜひとも、輸入業者を刑事告発してください。なお、北海道水産試験場でも把握しているとお書きですが、どの部署でしょうか。具体的に把握していながら、故意に見逃しているとしたら、犯罪の可能性があります。担当部署と担当者氏名を教えてください。

_ クラブナビ ― 2011年07月10日 10時00分47秒

横槍のようですが気になった点。
警察官が逃亡する被疑者に対して発泡することはありません。(不可抗力はあったかもしれませんが)。警察に対する誤解が生じますので訂正か箇所の削除をお願いします。危急が迫りやむを得ず身を守るときのみ発砲できることになっています。
もう一つ
蟹がロシア主張海域内でどのように獲られたかは,国内の仕入れ業者はもちろん分かっていますが,分かっていないということになっているのです。故意犯だと言われようが,バッグや時計と違ってそれが偽物(≒密漁)であるという確証を示すこともできません。

官庁や外局が把握しているというのは,職務上の公として把握しているわけではなく,職務上知り得た私として把握しているということでしょう。

_ cccpcamera ― 2011年07月10日 20時06分01秒

警察が犯罪者を取り締まるのは当然のことで、日本の警察官は拳銃使用することがあります。場合によっては、逃亡犯にも拳銃が使用されます。根拠法令は、『警察官職務執行法 第五条』『警察官職務執行法 第七条』などですが、実際の使用は『警察官等けん銃使用及び取扱い規範 第七条』などに従います。

海上保安庁は、『海上保安庁法 第二十条2』でさらに広範囲な武器使用が認められています。

以上、誤解なきよう取り急ぎ

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