本の紹介-蝦夷島と北方世界 (日本の時代史) ― 2013年07月29日

蝦夷島と北方世界 (日本の時代史) 菊池勇夫/編 (2003/12) 吉川弘文館
アイヌを中心とした北海道の前近代史を学習するための好適な教科書。
最初の1/3程度は、菊池勇夫氏による、アイヌ・オホーツク人等の蝦夷通史。あまり知られていない、アイヌ関連の歴史の概略が理解できる。
残りの部分は、菊池氏を含めた6氏による蝦夷関連の各分野の解説。これら6つの論文には直接的な関連はないので、興味ある章を読めばよい。
このなかで、最終章は、川上淳氏による、日露関係とアイヌの歴史。このテーマで全体を概説したもので、それほど詳しい内容ではないが、北方領土問題を理解するうえでの基礎知識として、読んでおく価値は多いにある。