本の紹介―日本軍「慰安婦」制度とは何か ― 2019年10月30日

吉見義明/著『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010.6) 岩波ブックレット784
著者は、日本近現代史が専門の歴史学者。
2007年、屋山太郎(政治評論家)・櫻井よしこ(小説家)・すぎやまこういち(作曲家)・西村幸祐(スポーツジャーナリスト・作家)・花岡信昭(産経新聞編集委員)の5氏は「歴史事実委員会」の名称で、ワシントンポストに、日本軍には従軍慰安婦(セックス奴隷)は存在しなかったとした意見広告をだした。この意見広告は、アメリカ人から幅広い反発を受けて終わった。
本書は、この意見広告に対して、歴史事実をもって批判し、日本軍従軍慰安婦の実態を概説するもの。
本書は、歴史の素人による日本近代史に関する意見を、歴史学者が、史実に基づいて批判したものであるが、「歴史事実委員会」の意見が、いい加減すぎるので、ある程度日本近現代史の知識がある人には、本書もあまり面白くないかもしれない。