ウクライナ軍、ダム破壊か ― 2024年11月12日
2023年6月、ウクライナはドニエプル川のカホフカダムを破壊し、下流域に甚大な洪水被害を生じさせた。被害地域の多くはロシア軍支配だったが、一部はウクライナ軍支配地の民間住宅も被害を受けた。この洪水で、ロシア軍がドニエプル川左岸河川敷に敷設した地雷は流されてしまったが、その結果、ウクライナ軍が有利になったということも、ほとんどなかった。ダムを破壊したのはウクライナ軍であることはほとんど明らかだったが、日本のマスコミでは、ロシア軍が破壊したような報道がなされた。
最近、ドネツク西側では、ロシア軍の攻勢が活発である。Ukrainsk,Hirnykがロシア軍に解放された後、Kurakhoveにはウクライナ軍の拠点があるので、ここの攻略が問題になっている。Kurakhoveには北に貯水池があるため防衛に向いている。ロシア軍は、主に、東側から攻撃するのだろうが、貯水池北のIllinkaも占領しつつある。さらに、北西のSontsivkaへの攻撃が強まっている。この結果、ウクライナ軍はKurakhoveを挟み撃ちされる恐れが出てきた。
昨日、ウクライナ軍が貯水池西側のダムを破壊したとの情報がある。もしそうならば、ダム西側の低地は洪水被害を受けているはず。この地域には、大きな建物はないが、一般住宅が点在している。ウクライナ軍は、Kurakhoveを西側から攻撃されるリスクを減らすためにダムを破壊したのだろうが、住民にとってはいい迷惑だ。
もっとも、トランプ当選後、ウクライナ兵の士気は一層低下しているので、Kurakhove解放は遠くないかもしれない。