本の紹介-永続敗戦論 ― 2014年11月09日

白井聡/著 『永続敗戦論――戦後日本の核心』 太田出版 (2013/3)
第二次世界大戦で、日本が敗戦国になったのは明白な事実であるが、日本は、国内および周辺国に対して、敗戦を否認し、米国に対しては盲従を続け、自らを容認し支えてくれることを期待する。このような状態が、戦後一貫して続いている。者者は、これを「永続敗戦」と称している。
「戦後」とは要するに、敗戦後の日本が敗戦の事実を無意識の彼方へと隠蔽しつつ、戦前の権力構造を相当程度温存したまま、近隣諸国との友好関係を上辺で取り繕いながら-言い換えれば、それをカネで買いながら-、「平和と繁栄」を享受してきた時代であった。(P115)
本書に記載されている内容には、ほぼ全面的に賛成なのだけれど、当たり前のことが書かれているように感じる。日本は、このような内容の本を、出版する必要がある社会になったということか。
本書は3つの章に分かれている。このうち、第2章で日本の領土問題(北方領土・竹島・尖閣)を取り上げている。これら領土問題が未解決である原因は、「永続敗戦」の理論に従うと理解しやすい。
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