調布飛行場2015年07月29日

 
 調布飛行場を飛び立った飛行機が直後に住宅地に墜落して、住民が亡くなった事故があった。
 調布飛行場が街中にあるのは、戦前の軍事基地を引き継いでいるためだ。写真は、調布飛行場横の公園にある掩体壕跡。戦闘機を敵機の爆撃から守るコンクリート製の構造物です。

本の紹介-慰安婦問題をおこれで終わらせる。2015年07月30日


松竹伸幸/著 『慰安婦問題をおこれで終わらせる。』 小学館(2015.4)

 著者は元共産党員。現在は共産党を離れてフリージャーナリストをしているようだ。
 本書は、韓国との問題になっている戦前の従軍慰安婦問題での和解を主張するもの。従軍慰安婦問題では、近年になっても、新たな研究成果が発表されるが、本書は、研究書ではない。
 著者は、最初に、従軍慰安婦問題で、左右の主張はそれほど違いがないことを説明する。次いで、河野談話に触れ、河野談話は日韓両国の立場に配慮した微妙な文面になっていることを説明し、談話が出た当時、右派もそれなりに評価していたことを説明する。さらに、ドイツとの比較、イギリス捕虜への日本の態度などと韓国従軍慰安婦を比較して、河野談話に沿った解決を主張する。
 著者の主張は、それなりに納得できるが、それでは、河野談話を否定する現在の右翼勢力や安倍内閣の思想はどのようにして生まれたのか、それをどのように克服すべきなのか、そのような処方箋は示されていないので、昨今の右傾化の流れを思うと、著者の主張は絵に描いた餅に思える。
 著者の主張で、賛成しかねる点がある。最初の方に「慰安婦問題が解決するかどうかの基準は、あくまで元慰安婦の方々の心がいやされ、平穏な晩年を過ごせるかどうかであるはずだ(P7)」と書かれているが、ちょっと違うのではないか。もし、著者の言う通りならば、もうすぐ、元慰安婦は死に絶えるだろうから、そのあとは、どうでもよいことになってしまうではないか。日本が、韓国で女性、特に少女を慰安婦として輪姦したことが良かったことなのか悪かったことなのか、その認識が重要だ。もし良かったこと・仕方がなかったことならば、今後、も同じことをする可能性があるので、韓国が納得するはずはない。重要なことは、戦前の慰安婦制度は悪かったと、日本国が認識し、同じようなことを二度としないと誓うことではないか。

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