大学入試共通テスト 数学の出題2022年01月18日

センター試験から共通テストになったら、問題がおかしくなった感じがする。数2Bの問4の最初の部分を記す。
 
第4問
 以下のように,歩行者と自転車が自宅を出発して移動と停止を繰り返している。歩行者と自転車の動きについて.数学的に考えてみよう。
 自宅を原点とする数直線を考え,歩行者と自転車をその数直線上を動く点とみなす。数直線上の点の座標がyであるとき,その点は位置yにあるということにする。また,歩行者が自宅を出発してからx分経過した時点を時刻xと表す,歩行者は時刻0に自宅を出発し,正の向きに毎分1の速さで歩き始める。自転車は時刻2に自宅を出発し,毎分2の速さで歩行者を追いかける。自転車が歩行者に追いつくと,歩行者と自転車はともに1分だけ停止する。その後,歩行者は再び正の向きに毎分1の速さで歩き出し,自転車は毎分2の速さで自宅に戻る。自転車は自宅に到着すると、1分だけ停止した後,再び毎分2の速さで歩行者を追いかける。これを繰り返し,自転車は自宅と歩行者の間を往復する。
x=a(n)を自転車がn回目に自宅を出発する時刻とし,y=b(n)をそのときの歩行者の位置とする。
(1)花子さんと太郎さんは,数列{a(n)},{b(n)}の一般項を求めるために,歩行者と自転車について,時刻xにおいて位置yにいることを0を原点とする座標平面上の点(x,y)で表すことにした.
---以下省略---
 
 共通テストになってから、一般生活に使えるような雰囲気の問題にしたいのだろうが、おかしな問題文だ。
 まず、自転車が歩行者に追いつくとはどういう意味だろう。日常の経験では、両者の距離が2m程度に近づいたときに追いつくとみなすだろう。自転車や歩行者と書かないで、点P、点Qと書けばよいのに。
 それから、毎分1の速さって何だ。時間に単位があって、位置には単位がないとは、どういう物理量なのか。出題が雑すぎる。ところで、1分とはどれだけの時間か。数学で時間1と書いたならば、この1には誤差がないのだが、通常の1分には必ず誤差を含んでいる。理想状態で考える数学は、日常とは違うので、何も、ムリヤリ数学らしくなくする必要はない。花子さんと太郎さんも無意味な出題だ。
 
 出題自体は漸化式をたてて解を導くオーソドックスな問題で、誘導もしっかりしていて、まじめに受験勉強をしていればなんでもない問題。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

* * * * * *

<< 2022/01 >>
01
02 03 04 05 06 07 08
09 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

RSS