2022年大学入試共通テスト 数学1A 問5(1) ― 2022年01月18日
2022年大学入試共通テスト 数学1A 問5(1)
数学が嫌いでも、センターで点を取らなくてはならない。問題によっては、何とか裏技で点を取ることもできることがある。問5(1)などは、その典型的な問題だった。
<問題>
△ABCの重心をGとし,線分AG上で点Aとは異なる位置に点Dをとる。直線AGと辺BCの交点をEとする。また、直線BC上で辺BC上にはない位置に
点Fをとる。直線DFと辺ABの交点をP、直線DFと辺ACの交点をQとする。
点Dは線分AGの中点であるとする。このとき,△ABCの形状に関係なく
AD/DE=(ア)/(イ)
である。またFの位置に関係なく、
BP/AP=(ウ)×(エ)/(オ)
CQ/AQ=(カ)×(キ)/(ク)
であるので、つねに、
BP/AP+CQ/AQ=(ケ)
となる。
(エ)、(オ)、(キ)、(ク)の解答群(同じものを繰り返し選んでも良い。)
(0)BC (1)BF (2)CF (3)EF (4)FP (5)FQ (6)PQ
<ふざけた解答>
これは初等幾何の問題。この問題ができないと将来困る人は、まずいないだろう。だったら、こんなの出来なくても、正解が出せればよい。穴埋め問題では、こういう解答でも十分だ。
問題を見ると、三角形によらないことが分かるだろう。だったら、特定の三角形に対して求れば、それが正解ということだ。
易しい三角形は正三角形か直角二等辺三角形なので、ここでは座標系を使うものとして直角二等辺三角形の時に解を求めてみる。
A(0,0) B(6,0) C(0,6) とする。
このとき G(2,2) D(1,1) E(3,3) である。
したがって、AD/DE=1/2となる。
ここで、F(-f,f+6)とする。
このとき、直線DFの式は (f+1)*(y-1)=(5+f)*(1-x)であるから、
Pのx座標は(2f+6)/(f+5) Qのy座標は(2f+6)/(f+1)
よって、BP/AP=2(f+6)/(f+3) CQ/AQ=2f/(f+3)
一方、BC=6√2 BF=(6+f)√2 CF=f√2 EF=(3+f)√2
また、FP,FQ,PQは複雑な式になるので、どうせ解答に関係ないに決まっている。
以上より、BP/AP=2*BF/EF CQ/AQ=2*CF/EF
また、BP/AP+CQ/AQ=4
数学が嫌いでも、センターで点を取らなくてはならない。問題によっては、何とか裏技で点を取ることもできることがある。問5(1)などは、その典型的な問題だった。
<問題>
△ABCの重心をGとし,線分AG上で点Aとは異なる位置に点Dをとる。直線AGと辺BCの交点をEとする。また、直線BC上で辺BC上にはない位置に
点Fをとる。直線DFと辺ABの交点をP、直線DFと辺ACの交点をQとする。
点Dは線分AGの中点であるとする。このとき,△ABCの形状に関係なく
AD/DE=(ア)/(イ)
である。またFの位置に関係なく、
BP/AP=(ウ)×(エ)/(オ)
CQ/AQ=(カ)×(キ)/(ク)
であるので、つねに、
BP/AP+CQ/AQ=(ケ)
となる。
(エ)、(オ)、(キ)、(ク)の解答群(同じものを繰り返し選んでも良い。)
(0)BC (1)BF (2)CF (3)EF (4)FP (5)FQ (6)PQ
<ふざけた解答>
これは初等幾何の問題。この問題ができないと将来困る人は、まずいないだろう。だったら、こんなの出来なくても、正解が出せればよい。穴埋め問題では、こういう解答でも十分だ。
問題を見ると、三角形によらないことが分かるだろう。だったら、特定の三角形に対して求れば、それが正解ということだ。
易しい三角形は正三角形か直角二等辺三角形なので、ここでは座標系を使うものとして直角二等辺三角形の時に解を求めてみる。
A(0,0) B(6,0) C(0,6) とする。
このとき G(2,2) D(1,1) E(3,3) である。
したがって、AD/DE=1/2となる。
ここで、F(-f,f+6)とする。
このとき、直線DFの式は (f+1)*(y-1)=(5+f)*(1-x)であるから、
Pのx座標は(2f+6)/(f+5) Qのy座標は(2f+6)/(f+1)
よって、BP/AP=2(f+6)/(f+3) CQ/AQ=2f/(f+3)
一方、BC=6√2 BF=(6+f)√2 CF=f√2 EF=(3+f)√2
また、FP,FQ,PQは複雑な式になるので、どうせ解答に関係ないに決まっている。
以上より、BP/AP=2*BF/EF CQ/AQ=2*CF/EF
また、BP/AP+CQ/AQ=4
2022年大学入試共通テスト 数学1A 第4問 ― 2022年01月18日
2022年大学入試共通テスト 数学1A 第4問
以下、累乗を^と書きます。
(解説)
整数の問題に慣れていないと、何を聞かれてるいのか、分からないだろう。整数の問題に慣れていないと将来困る生徒が、どれだけいるのだろう。そう考えると、無用にひねくれた問題のように感じる。
まず、この問題を解くときのヒントが「5^4=625を2^4で割ったときの余りは1に等しい」であることに、気づく必要がある。これを式で書くと625=16*39+1となる。そうすると、考え方自体は易しい。しかし掛け算が多くてたいへん。
(問題)
(1)
5^4=625を2^4で割ったときの余りは1に等しい。このことを用いると、不定方程式
(5^4)x-(2^4)y=1 ①
の整数解のうち、xが正の整数で最小になるのは
x=(ア) y=(イウ)
であることがわかる.
また①の整数解のうち、xが2桁の正の整数で最小になるのは
x=(エオ) y=(カキク)
である。
(2)
次に、625^2を5^4で割ったときの余りと、2^4で割ったときの余りについて考えてみよう。
まず
625^2=5^(ケ)
であり、またm=(イウ)とすると
625^2=(2^(ケ))(m^2)+(2^(コ))m+1
である。これらより、 625^2を5^5で割ったときの余りと、2^5で割ったときの余りがわかる。
(3)(2)の考察は、不定方程式
(5^5)x-(2^5)y=1 ②
の整数解を調べるために利用できる。
x,yを②の整数解とする。(5^5)xは5^5の倍数であり、2^5で割ったときの余りは1となる。よって、(2)により、(5^5)x -625^2は5^5でも2^5でも割り切れる。5^5と2^5は互いに素なので、(5^5)x-(625^2)は(5^5)・(2^5)の倍数である.
このことから,②の整数解のうち、xが3桁の正の整数で最小になるのは
x=(サシス) y=(セソタチツ)
であることがわかる。
(4)
11^4を2^4で割った時の余りは1に等しい。不定方程式
(11^5)x-(2^5)y=1
の整数解のうち、xが正の整数で最小になるのは
x=(テト) y=(ナニヌネノ)
である。
(1)の解答
625=16*39+1 を考えると、①式は 16*(39x-y)+x=1 となる。
このことから、(ア)=1 (イウ)=39
(エオ)=17 (カキク)=664
(2)の解答
(ケ)=8
625=(2^4)m+1であるから
(コ)=5
(3)の解答
文章を読むと、要するにx-(5^3)が2^5の倍数であるということ。
一番小さい3桁の数は
(サシス)=125 (セソタチツ)=12207
(4)の解答
同じように考えて、x-(11^3)が2^5の倍数であるということ。一番小さい整数は
(テト)=19 (ナニヌネノ)=95624
以下、累乗を^と書きます。
(解説)
整数の問題に慣れていないと、何を聞かれてるいのか、分からないだろう。整数の問題に慣れていないと将来困る生徒が、どれだけいるのだろう。そう考えると、無用にひねくれた問題のように感じる。
まず、この問題を解くときのヒントが「5^4=625を2^4で割ったときの余りは1に等しい」であることに、気づく必要がある。これを式で書くと625=16*39+1となる。そうすると、考え方自体は易しい。しかし掛け算が多くてたいへん。
(問題)
(1)
5^4=625を2^4で割ったときの余りは1に等しい。このことを用いると、不定方程式
(5^4)x-(2^4)y=1 ①
の整数解のうち、xが正の整数で最小になるのは
x=(ア) y=(イウ)
であることがわかる.
また①の整数解のうち、xが2桁の正の整数で最小になるのは
x=(エオ) y=(カキク)
である。
(2)
次に、625^2を5^4で割ったときの余りと、2^4で割ったときの余りについて考えてみよう。
まず
625^2=5^(ケ)
であり、またm=(イウ)とすると
625^2=(2^(ケ))(m^2)+(2^(コ))m+1
である。これらより、 625^2を5^5で割ったときの余りと、2^5で割ったときの余りがわかる。
(3)(2)の考察は、不定方程式
(5^5)x-(2^5)y=1 ②
の整数解を調べるために利用できる。
x,yを②の整数解とする。(5^5)xは5^5の倍数であり、2^5で割ったときの余りは1となる。よって、(2)により、(5^5)x -625^2は5^5でも2^5でも割り切れる。5^5と2^5は互いに素なので、(5^5)x-(625^2)は(5^5)・(2^5)の倍数である.
このことから,②の整数解のうち、xが3桁の正の整数で最小になるのは
x=(サシス) y=(セソタチツ)
であることがわかる。
(4)
11^4を2^4で割った時の余りは1に等しい。不定方程式
(11^5)x-(2^5)y=1
の整数解のうち、xが正の整数で最小になるのは
x=(テト) y=(ナニヌネノ)
である。
(1)の解答
625=16*39+1 を考えると、①式は 16*(39x-y)+x=1 となる。
このことから、(ア)=1 (イウ)=39
(エオ)=17 (カキク)=664
(2)の解答
(ケ)=8
625=(2^4)m+1であるから
(コ)=5
(3)の解答
文章を読むと、要するにx-(5^3)が2^5の倍数であるということ。
一番小さい3桁の数は
(サシス)=125 (セソタチツ)=12207
(4)の解答
同じように考えて、x-(11^3)が2^5の倍数であるということ。一番小さい整数は
(テト)=19 (ナニヌネノ)=95624
大学入試共通テスト 数学の出題 ― 2022年01月18日
センター試験から共通テストになったら、問題がおかしくなった感じがする。数2Bの問4の最初の部分を記す。
第4問
以下のように,歩行者と自転車が自宅を出発して移動と停止を繰り返している。歩行者と自転車の動きについて.数学的に考えてみよう。
自宅を原点とする数直線を考え,歩行者と自転車をその数直線上を動く点とみなす。数直線上の点の座標がyであるとき,その点は位置yにあるということにする。また,歩行者が自宅を出発してからx分経過した時点を時刻xと表す,歩行者は時刻0に自宅を出発し,正の向きに毎分1の速さで歩き始める。自転車は時刻2に自宅を出発し,毎分2の速さで歩行者を追いかける。自転車が歩行者に追いつくと,歩行者と自転車はともに1分だけ停止する。その後,歩行者は再び正の向きに毎分1の速さで歩き出し,自転車は毎分2の速さで自宅に戻る。自転車は自宅に到着すると、1分だけ停止した後,再び毎分2の速さで歩行者を追いかける。これを繰り返し,自転車は自宅と歩行者の間を往復する。
x=a(n)を自転車がn回目に自宅を出発する時刻とし,y=b(n)をそのときの歩行者の位置とする。
(1)花子さんと太郎さんは,数列{a(n)},{b(n)}の一般項を求めるために,歩行者と自転車について,時刻xにおいて位置yにいることを0を原点とする座標平面上の点(x,y)で表すことにした.
---以下省略---
共通テストになってから、一般生活に使えるような雰囲気の問題にしたいのだろうが、おかしな問題文だ。
まず、自転車が歩行者に追いつくとはどういう意味だろう。日常の経験では、両者の距離が2m程度に近づいたときに追いつくとみなすだろう。自転車や歩行者と書かないで、点P、点Qと書けばよいのに。
それから、毎分1の速さって何だ。時間に単位があって、位置には単位がないとは、どういう物理量なのか。出題が雑すぎる。ところで、1分とはどれだけの時間か。数学で時間1と書いたならば、この1には誤差がないのだが、通常の1分には必ず誤差を含んでいる。理想状態で考える数学は、日常とは違うので、何も、ムリヤリ数学らしくなくする必要はない。花子さんと太郎さんも無意味な出題だ。
出題自体は漸化式をたてて解を導くオーソドックスな問題で、誘導もしっかりしていて、まじめに受験勉強をしていればなんでもない問題。
第4問
以下のように,歩行者と自転車が自宅を出発して移動と停止を繰り返している。歩行者と自転車の動きについて.数学的に考えてみよう。
自宅を原点とする数直線を考え,歩行者と自転車をその数直線上を動く点とみなす。数直線上の点の座標がyであるとき,その点は位置yにあるということにする。また,歩行者が自宅を出発してからx分経過した時点を時刻xと表す,歩行者は時刻0に自宅を出発し,正の向きに毎分1の速さで歩き始める。自転車は時刻2に自宅を出発し,毎分2の速さで歩行者を追いかける。自転車が歩行者に追いつくと,歩行者と自転車はともに1分だけ停止する。その後,歩行者は再び正の向きに毎分1の速さで歩き出し,自転車は毎分2の速さで自宅に戻る。自転車は自宅に到着すると、1分だけ停止した後,再び毎分2の速さで歩行者を追いかける。これを繰り返し,自転車は自宅と歩行者の間を往復する。
x=a(n)を自転車がn回目に自宅を出発する時刻とし,y=b(n)をそのときの歩行者の位置とする。
(1)花子さんと太郎さんは,数列{a(n)},{b(n)}の一般項を求めるために,歩行者と自転車について,時刻xにおいて位置yにいることを0を原点とする座標平面上の点(x,y)で表すことにした.
---以下省略---
共通テストになってから、一般生活に使えるような雰囲気の問題にしたいのだろうが、おかしな問題文だ。
まず、自転車が歩行者に追いつくとはどういう意味だろう。日常の経験では、両者の距離が2m程度に近づいたときに追いつくとみなすだろう。自転車や歩行者と書かないで、点P、点Qと書けばよいのに。
それから、毎分1の速さって何だ。時間に単位があって、位置には単位がないとは、どういう物理量なのか。出題が雑すぎる。ところで、1分とはどれだけの時間か。数学で時間1と書いたならば、この1には誤差がないのだが、通常の1分には必ず誤差を含んでいる。理想状態で考える数学は、日常とは違うので、何も、ムリヤリ数学らしくなくする必要はない。花子さんと太郎さんも無意味な出題だ。
出題自体は漸化式をたてて解を導くオーソドックスな問題で、誘導もしっかりしていて、まじめに受験勉強をしていればなんでもない問題。