東大 理系 の数学入試問題 ― 2025年02月27日
久しぶりに、数学の大学入試問題を解いてみた。頭を、入試問題対応にするのに、時間がかかった。
注)累乗を ^ と書きます。
東京大学 理系 第4問
この問いでは、0以上の整数の2乗となる数を平方数と呼ぶ。aを正の整数として、
fa(x)= x^2+x-a とおく。
(1) nを正の整数とする。fa(n)が平方数ならば、n≦aであることを示せ。
(2) fa(n)が平方数となる正の整数nの個数をNaとおく。次の条件(i)(ii)が同値であることを示せ。
(i) Na=1である
(ii) 4a+1は素数である。
解説
前半の(1)は、整数の問題の標準的な解き方なので、普通に問題集に取り組んでいれば、容易だったと思う。後半の(2)は問題文がまだらっこしい。私の解答は、正解にたどり着こうとの意思で、いきなり4a+1を評価した。なんとなく、素直ではなくて気に入らない。ひょっとすると、この問題は生成AIが正解を出しにくいように作ったのかもしれない。
解答例
(1)
n>aとする。このとき、n^2+n-a>n^2であるから、n^2+n-aが平方数ならば次式が成り立つ。
n^2+n-a≧(n+1)^2
これは、n>a>0に反する。よって、n>aではない。
(2)
最初に、n=aのとき、n^2+n-aは明らかに平方数である。このため、Na≧1が成り立つ。
ここで、Na>1とする。すなわち、n≠a で、かつ、n^2+n-aが平方数となるnが存在する。
(1)より、n<aである。
このとき、次式が成り立つ0以上の整数mが存在する。
n^2+n-a=m^2 なお、n<a であるから、n>m である。
すなわち、次式が成り立つ。
4a+1= 4n^2+4n-4m^2+1=(2n-2m+1)(2n+2m+1)
ところで、n>mであるから、この数は素数ではない。
すなわち(i)でないときは(ii)でないことが示された。
一方、4a+1が素数でないとする。
このとき、4a+1は奇数であるから、4a+1は1でない、2つの正の奇数の積として書くことができる。
すなわち 4a+1=(2p+1)(2q+1) p,qは正の整数でp≦qとする。
4a=4pq+2(p+q)であるから、p+qは偶数である。
ここで、m=(q-p)/2、n=(q+p)/2とおくと、mは0以上の整数で、n^2+n-a=m^2が成り立つ。
すなわち(ii)でないときは(i)でないことが示された。
注)累乗を ^ と書きます。
東京大学 理系 第4問
この問いでは、0以上の整数の2乗となる数を平方数と呼ぶ。aを正の整数として、
fa(x)= x^2+x-a とおく。
(1) nを正の整数とする。fa(n)が平方数ならば、n≦aであることを示せ。
(2) fa(n)が平方数となる正の整数nの個数をNaとおく。次の条件(i)(ii)が同値であることを示せ。
(i) Na=1である
(ii) 4a+1は素数である。
解説
前半の(1)は、整数の問題の標準的な解き方なので、普通に問題集に取り組んでいれば、容易だったと思う。後半の(2)は問題文がまだらっこしい。私の解答は、正解にたどり着こうとの意思で、いきなり4a+1を評価した。なんとなく、素直ではなくて気に入らない。ひょっとすると、この問題は生成AIが正解を出しにくいように作ったのかもしれない。
解答例
(1)
n>aとする。このとき、n^2+n-a>n^2であるから、n^2+n-aが平方数ならば次式が成り立つ。
n^2+n-a≧(n+1)^2
これは、n>a>0に反する。よって、n>aではない。
(2)
最初に、n=aのとき、n^2+n-aは明らかに平方数である。このため、Na≧1が成り立つ。
ここで、Na>1とする。すなわち、n≠a で、かつ、n^2+n-aが平方数となるnが存在する。
(1)より、n<aである。
このとき、次式が成り立つ0以上の整数mが存在する。
n^2+n-a=m^2 なお、n<a であるから、n>m である。
すなわち、次式が成り立つ。
4a+1= 4n^2+4n-4m^2+1=(2n-2m+1)(2n+2m+1)
ところで、n>mであるから、この数は素数ではない。
すなわち(i)でないときは(ii)でないことが示された。
一方、4a+1が素数でないとする。
このとき、4a+1は奇数であるから、4a+1は1でない、2つの正の奇数の積として書くことができる。
すなわち 4a+1=(2p+1)(2q+1) p,qは正の整数でp≦qとする。
4a=4pq+2(p+q)であるから、p+qは偶数である。
ここで、m=(q-p)/2、n=(q+p)/2とおくと、mは0以上の整数で、n^2+n-a=m^2が成り立つ。
すなわち(ii)でないときは(i)でないことが示された。