世界は北方領土をどのように理解しているか2007年05月03日

ブリタニカ百科事典でKuril Islandsを調べると。

The Kurils were originally settled by the Russians, ...
In 1855, however, Japan seized a group of southern islands ...
In 1945, as a part of Yalta agreements, the islands were ceded to the Sovit Union, ...

 千島に最初に住み着いたのはロシア人であった。1855年に日本は南千島をseizeした。1945年にソ連領になったのは、ヤルタ協定に従ってcedeした。
 seizeを辞書で調べると、強奪したとか、力ずくで取ったとか、そういう意味が有ります。cedeは、条約に従って合法的に割譲したとの意味です。
 
 ブリタニカの解説では、最初にロシア人が住み着いた領土を、1855年に日本が強奪し、1945年にソ連に対して合法的に割譲された、そういうことになりかねません。
 日本と、ロシアとで、解釈が異なるのは当然としても、ブリタニカの説明は、ロシアの主張以上に、日本に厳しい解釈です。アメリカやイギリスからすれば、日独伊3国は悪の枢軸で、それに対抗したヤルタ協定は正義であるということが、自明な前提なのでしょう。
 ヤルタ協定に日本は加盟していないので、領土問題とは関係ないと、日本政府は説明します。しかし、一般の欧米人の感覚では、そのように理解されてはいないようです。世界をどのように説得しているかと言う点で、北方領土問題を見ると、日本はロシアに大きく後れを取っているように思えます。

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