本の紹介―平成宗教20年史 ― 2018年10月24日

島田裕巳/著『平成宗教20年史』幻冬舎 (2008/11)
新興宗教の著作が多い宗教学者・島田裕巳による平成元年から平成20年の日本の宗教状況の解説。著者は新興宗教に対して、おおむね好意的な言動が多い。
本書は、年ごとに一章を当て、その年に話題となった新興宗教問題を説明している。この時代に最も話題となったのはオウム真理教なので、記述もオウム関連が一番多い。
このほかには、創価学会・真如苑・統一教会・自己啓発セミナー・サイババ・法の華三法行・幸福の科学・愛の家族・エホバの証人・ヤマギシ会・ライフスペース・千石イエス・織田無道・パナウエーブ・顕正会・ザイン・摂理・親鸞会・紀元会など、世間を騒がせた新興宗教がならぶ。
本書は平成に入ってから20年間の新興宗教がらみの話題を追った本であるが、単に宗教の動向を追うだけではなくて、その底流にある日本社会の動向との関連に着目した解説が随所にみられる。
新興宗教にはまり込む前に本書を読んで冷静に考えると良いだろう。もっとも、新興宗教にはまり込む人は、冷静になれなくて、『自分のところは違う』と思い込むからはまり込むので、本書を読んでも無駄かもしれない。
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