秋も終わり2022年12月16日


東京都文京区・小石川植物園のサネカズラが、だいぶ坊主になっていました。サネカズラの坊主は面白い形。


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ムニンシャシャンボ2022年12月17日


東京都文京区・小石川植物園の公開温室でムニンシャシャンボが咲いています。ムニンシャシャンボはツツジ科の低木で小笠原固有種です。
 

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ハマナデシコ2022年12月18日


東京都文京区・小石川植物園の公開温室でハマナデシコが一輪だけ咲いていた。ハマナデシコはナデシコ科の多年草で日本では本州から九州の海岸部に広く分布する。近縁のヒメハマナデシコとおおむね分布が重なる。奄美・沖縄の一部地域にはヒメハマナデシコが分布する。
 

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ムニンシュスラン2022年12月19日

  
東京都文京区・小石川植物園の公開温室でムニンシュスランが咲いている。ムニンシュスランは小笠原固有種

本-親鸞復興2022年12月20日


吉本隆明/著『親鸞復興』春秋社 (1995/7)

 著名な思想家なので、新宗教についても、興味ある見解が示されているのだろうかと思って読んでみたが、ガッカリ。
 本書の7割強が親鸞の話で、3割弱が新宗教の話。新宗教の話では「幸福の科学」「統一教会」「オウム真理教」が取り上げられている。

 悪質新宗教に対して、好意的すぎる。統一教会について以下のように記載されている。
(P197)霊感商法はインチキだとジャーナリズムは統一教会を批判しますが、それはちがいます。宗教とか理念というものは、いつも霊感商法に類することを行っています。…だから、霊感商法だからインチキだというような言い方では、ぼくは納得しません。やはり教義の中心を追求して、そこで得るところ、これは得難いところとか、これはちょっとちがうそということを、よくよく検討しないといけないとおもいます。それをひとつひとつ踏まえたうえで問題にしたほうがいいのです。霊感商法程度のことで、統一教会を決めつけたりしないほうがいいとおもいます。
 ずいぶん、寝ぼけた主張だ。たいての新興宗教は、既存宗教の教義や、その国の文化を取り入れて成立する。多くの場合は、いいとこどりをする。このため、教義の根幹に素晴らしいものを含んでいることは多い。しかし、そんなこととは関係なく、反社会行為を行っているならば、それは、悪質宗教だ。たとえば、オウム真理教は殺人や覚醒剤を密造をしたが、教義でいくらごまかしていても、絶対に容認できない悪質宗教であることに変わりはない。統一教会も、いくら『真のお母さま』を連呼しても、詐欺商法の赦免にならない。
 既存宗教から適当に良さそうな言葉を集めて、教義を飾り立てても、犯罪的な行為につながる教義が、容認できないのは当然ではないか。

次のようにも書かれている。
(P194)『原理講論』を読むと、文鮮明という人も一種の超能力体験をしていることです。大川さんとおなじように抽象的な言葉で表現されていますが、悪魔と精神で戦い、肉体で戦うことを経てきた人で、神様と自由に交霊することができるというふうに文鮮明について説明しています。その一方、統一教会の教義の中で、単なる短絡ではなくてバカ話だとおもえるところもあります。それはどういうところかというと・・・やがて、キリスト教だけでなくて、世界の宗教はすべて統一教会の下に統一される、その暁には、韓国語が世界語になると『原理講論』の中に書かれています。
 吉本隆明は『世界の宗教はすべて統一教会の下に統一される』というのは、単なるバカ話だと言っているが、『悪魔と精神で戦い、肉体で戦うことを経てきた』との統一教会の主張が、単なるバカ話でないとでも、思っているように読める。そうだとしたら、貧困な推理力に呆れる。こんなの、どう考えても、信者獲得のバカ話でしかないだろうに。

本の紹介-女たちのシベリア抑留2022年12月22日

 
小柳ちひろ/著『女たちのシベリア抑留』文春文庫 (2022/9)
 
 女性シベリア抑留者を扱ったもの。著者はドキュメントディレクター。本書は2019年に単行本で発行されたものの文庫版。
 本書では、中国東北部のジャムス市にあった陸軍病院の看護婦の話が多い。また、朝鮮で日本軍人相手の従軍慰安婦をしていたと思われる村上秋子の話もある。どちらも、しっかり取材をしているようで、この件については好感が持てる。
  
 第一章に、戦争末期に樺太真岡郵便電信局で九人の女性が集団自殺した事件について「自決していなければソ連軍の捕虜となっていたのだろうか」と記している。著書を書くならば少しは勉強したらどうだろうかとあきれた。
 真岡郵電局の集団自殺は、電信課12名のうち9名が自殺し3名が生還したものだった。自殺しなかった電信課の3名や郵便課職員・局長は普通に帰国を果たしている。ただし、生還した電信課3名の中には、帰国後「なぜ自殺しなかった」などと責められたものもいたようだ。このことは、文庫本でも書かれているので、普通に勉強意欲があるならば、容易に知ることができるはずだが。著者の不勉強ぶりには呆れる。
 
 シベリア抑留には降伏した日本軍人と犯罪受刑者があった。旧日本軍人には女性兵士はいなかったので、降伏日本軍人に女性がいたことに驚く人もいるかもしれないが、戦時中の軍事郵便を見ると、差出人が女性名のものは珍しくはないので、軍と行動を共にしている女性がいたことはよく知られたことだった。また、厚生労働省が公開しているシベリア抑留死者名簿には女性と思われる名前がある。
 本書P135にロシア人研究者の言葉、「ソ連側に女性を抑留するという意図はなかったと思います」が記載されている。この部分を読むと、シベリア抑留に女性が含まれないことが当初の方針だったように感じるが、当時のソ連では女性兵士は珍しいことではないので、戦争俘虜に女性を含めない予定があったとは考えられない。また、日本でもソ連でも、女性犯罪者は普通にあるが、女性は処罰しないとの方針があるとは考えられない。シベリア抑留に、女性を含めるとの明文規定がなかったとしても、女性を含めないとの方針があったとは、考えられないことだ。
 
 本書では、中国東北部のジャムス市にあった陸軍病院の看護婦の話が多い。彼女たちの多くは日本軍人と行動を共にしたのち、シベリア抑留となり、そこで、病院看護婦として勤務し、抑留日本軍人などの看護業務にあたった。帰国は早く、一番船で帰国したものもあった。
  
 このほか、朝鮮で日本軍人相手の従軍慰安婦をしていたと思われる村上秋子の話もある。秋子はソ連占領の朝鮮で反乱組織に加わり拳銃強奪を試みて、服役することとなった。北極圏のマガダンで服役したが、1956年日ソ国交回復の時帰国が許された。しかし、自ら帰国を拒否して現地にとどまり、ロシア人として生涯を終えた。

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本の紹介-通州事件2022年12月23日


笠原十九司/著『通州事件』高文研 (2022/8)
 
 通州事件とは、日本の傀儡政権が起こした反乱事件。この事件については日本軍の責任が大きいが、日本ではこの事件を中国への敵愾心をあおりたてるように利用した。藤岡信勝・三浦小太郎・櫻井よしこ・百田尚樹ら右翼言論人やネット上で散見される通州事件の説明の多くは、事件の背景を知ることなしに、日本人が被害にあったことのみを取り上げて、中国への敵愾心をあおりたてるもの。無知による排外運動は好ましいものではない。
 
 本書は、日中近代史研究の第一人者による通州事件の説明。全体2/3の第一部は通州事件の背景と通州事件の歴史説明。残り1/3の第二部は『通州事件被害者姉妹の生き方』。
 歴史学者の執筆であり、事件の歴史的背景に対する記述が詳しい。記述は簡潔であるが、内容は高度で詳しいので、ある程度の予備知識がないと難しいと思う。
 
 以下、目次を記載する。

 
目次
  
はじめに-通州事件とは何だったのか
 通州事件とは
 通州事件を利用した政府・軍部の「憎しみ」の喚起
 通州事件の「憎しみの連鎖」を喚起しようとする人たち
 通州事件の「憎しみの連鎖を絶つ」被害者の姉妹
 通州事件はなぜ発生したのか-歴史的要因の解明
 
第一部 通州事件はなぜ発生したのか-歴史的要因と全貌の解明
  
序章 通州事件の歴史背景
 アヘン戦争と「禁煙運動」
 支那駐屯軍と関東軍の創設
 辛亥革命と中国の分裂
 中国の統一をめざした国民革命 
 国民革命に干渉した日本
 蒋介石による国民政府の軍事統一
 蒋介石の「安内攘外」政策による「剿共戦」
 
第1章 冀東保安隊はどのような軍隊だったのか
 張学良と干学忠
 関東軍の熱河作戦と東北軍
 塘沽停戦協定と河北特警隊
 梅津・何応欽協定と河北保安隊
 歴史的事件には「前史」がある
 
第2章 冀東防共自治政府と冀察政務委員会
 日本軍の華北分離工作の推進
 (1)華北の「第二の満州国化」構想
 (2)冀東防共自治政府の成立
 (3)冀察政務委員会の成立
 (4)宋哲元と張慶余・張硯田の密約
 一二・九学生運動の展開
 中華民族解放先鋒隊が広めた義勇軍行進曲
 
第3章 中国国民の怒り、怨嵯の的になった冀東政権
 冀東政権を利用した日本人の密輸貿易
 (1)冀東東密輸貿易
 (2)冀東密輸の経路 
 (3)外交問題となった冀東密輸
 (4)華北分離工作のための支那駐屯軍の増強
 (5)都市民衆の抗日民族運動
 (6)冀東密輸と「日本人と朝鮮人の浪人」
 日本人と朝鮮人のアヘン・麻薬の蟹造・密輸・密売
 (1)国民政府のアヘン・麻薬厳禁政策
 (2)国際連盟、麻薬密輸・密売の日本人、朝鮮人の厳罰を要請
 (3)中国人のアヘン・麻薬搬送、販売者の公開処刑
 (4)冀東政権下に日本人と朝鮮人の急増
 (5)冀東政権を利用した日本人、朝鮮人のアヘン・麻薬の密売
 冀東政権とアヘン・麻薬の製造と密売の構造
 (1)熱河省における生アヘンの生産
 (2)大連におけるヘロイン密造
 (3)アヘン・麻薬の密輸・密売の拠点となった天津日本租界
 (4)北平と天津へのアヘン・麻薬搬送の経路となった通州
 (5)「滅種亡国」のアヘン・麻薬の害毒
 
第4章 華北における抗日戦争気運の盛り上がり
 関東軍の内蒙古分離工作と緩遠事件
 綏遠軍支援運動の高揚
 蒋介石の「抗日戦準備」演説
 西安事件と東北軍
 西安事件解決の歓喜
 西安事件後の東北軍
 
第5章 通州事件の発生と全貌
 盧満橋事件と宋哲元の第二九軍
 (1)盧溝橋事件の「前史」
 (2)起こるべくして起こった盧溝橋事件
 (3)拡大派の「下剋上」による華北派兵決定
 (4)第二九軍の北平・天津地域における抗戦
 (5)「北支事変」の開始
 通州保安隊の反乱準備
 通州保安隊の反乱開始
 (1)事件前日
 (2)支那駐屯軍と保安隊の兵力
 通州事件の全貌
 (1)第一方面-翼東政府と通州特務機関、政府関係機関の襲撃
 (2)第二方面-通州日本軍守備隊の兵営をめぐる攻防
 (3)第三方面-日本人、朝鮮人居住区における虐殺、略奪
 通州保安隊反乱の終焉
 
第二部 憎しみの連鎖を絶つ - 通州事件被害者姉妹の生き方
 櫛渕久子さん・鈴木節子さん姉妹との出会い
  
(章のタイトルのみ記載し、項のタイトルは省略)
第1章 満州への移住と病院開設
第2章 通州事件に遭遇した鈴木家
第3章 戦争孤児"になった姉妹
第4章 憎しみの連鎖を絶つ
  
おわりに




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本の紹介-関東大震災 描かれた朝鮮人虐殺を読み解く2022年12月25日


新井勝紘/著『関東大震災 描かれた朝鮮人虐殺を読み解く』新日本出版社 (2022/8)
 
 関東大震災の直後に、警察・日本軍・自警団は朝鮮人を虐殺した。
 本書は、当時描かれた関東大震災関連の絵画・絵巻のなかで、朝鮮人虐殺の様子が描かれたもの5点ほど取り上げ、描かれた状況や作者を分析している。これら絵画は写生であったり、見たことを記憶で書いたり、伝聞を書いたものがあったはず。このため、描かれたすべてが真実というわけではないだろうが、当時の様子を視覚的に理解する上で重要な記録だ。取り上げた絵画には、朝鮮人を虐殺している様子が生々しく描かれており、また、その場には、多くの日本人が喜んで見物しているさまが描かれている。当時、多くの日本人が、積極的にあるいは消極的に朝鮮人虐殺に加担した事実が理解できる。
 本書の著者は、国立歴史民俗博物館の助教授として、近現代展示に携わった。
 歴博の関東大震災の展示はどうなっているのだろう。歴博を見学してみたくなった。 

本の紹介-信じる者は、ダマされる2022年12月28日

 
多田文明/著『信じる者は、ダマされる。 元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』清談社Publico (2022/10)
 
 安倍元首相殺害以降、統一教会の悪業ぶりが報道された。本書は、統一教会に入信し、不況や献金に手を染め、その後脱会したジャーナリストによる統一教会・マインドコントロールの手口を明らかにするもの。
 
 全10章のうち、最初の第1章、第2章は、著者が統一教会に入信し、マインドコントロール下で献金活動に従事させられた体験。
第3章~第9章は、統一教会が人をだます様々な手口を紹介し、同様な手口が他でも行われることへ警鐘する。

 人に親切にされたときに、その人の行為に報いることが正しいと思っている人に対して、悪質新興宗教は、そこに付け込んで、マインドコントロールする。このため、親切心を無下に出来ない人の場合、マインドコントロールに引っかかる可能性が高くなるのだろう。このほか、もともと、人生に不満があったり、何らかの恐怖心が強く、それが安易に解決するような幻想を持っている人も、だます人につけ入れられる可能性がある。

以下、各章の目次を記す。

第1章 内側から見た旧統一教会の「勧誘」「マインドコントロール」の手口
第2章 内側から見た旧統一教会の「活動」「お金集め」の実態
第3章 旧統一教会も駆使した「組織力」でダマす手口
第4章 旧統一教会も駆使した「正体隠し」でダマす手口
第5章 旧統一教会も駆使した「善意」でダマす手口
第6章 旧統一教会も駆使した「権威」でダマす手口
第7章 旧統一教会も駆使した「恐怖」でダマす手口
第8章 旧統一教会も駆使した「ウソ」でダマす手口
第9章 旧統一教会も駆使した「夢と希望」でダマす手口
第10章 旧統一教会の「マインドコントロール」を解く4つの方法



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