サンフランシスコ条約11条の訳語-国際法学者、佐藤和男氏2005年10月31日

 昨日は、近所の図書館で、国際法学者の佐藤和男氏の著書「世界がさばく東京裁判」を借りてきました。

 サンフランシスコ条約で日本が受諾したものは東京裁判の判決か裁判かの問題で、条約の日本語文が誤訳であるとの誤った説があります。この説の震源は、国際法学者の佐藤和男氏ではないだろうかとの気がしたので、ちょっと確認しました。

『judgments は法律用語として使われる場合、日本語の「判決」の意味に用いられるのが普通であり「裁判」を通常意味する trial,proceedings とは区別されるべき』

 となっていて、誤訳とは書いてありませんでした。佐藤氏は『裁判を通常意味するtrial,proceedings』と書いています。日本語の日常語で「裁判」は「法廷」の意味に使われることが多いと思います。法律用語では「裁判」とは「法廷」の意味ではなく、「判決・命令・決定」を合わせて言います。佐藤氏はjudgmentsの訳語は「裁判」では無いと言っているのではなく、日常語の裁判が意味する「法廷」ではない、と言ってるので、正確な記述です。
 佐藤氏は『裁判を通常意味する』と書いていますが、ここの部分を『裁判を意味する』と軽率に誤読した右翼作家や英文法学者などが、いい加減な発言を繰り返しているに過ぎないのでしょうか。それにしても、誤読しやすい文章です。わざと、書いていますね。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

* * * * * *

<< 2005/10 >>
01
02 03 04 05 06 07 08
09 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

RSS