耐震強度偽装問題 ― 2005年11月30日
マンションなどの耐震強度偽装問題のニュースが続いています。
流体解析、伝熱解析、電磁気解析ならば経験豊富なのですが、構造物の解析はあまり経験が無いので、詳しいことは分りません。乏しい経験と、予断と偏見で書いてみます。
もうだいぶ以前、職場の同僚が、建物の安全性を計算する構造計算プログラムを開発していました。私は、構造計算は苦手なので、このプロジェクトには関っていません。その時知ったのですが、建物の安全性を計算する構造計算プログラムは、それほど厳密な計算をするものではなくて、安全審査基準に従って、建築物が作られているのかを確認するためのプログラムであると思いました。つまり、ギリギリ安全か否かを計算しておらず、十分に安全であることが確認されている基準に従っているかどうかを計算しているものでした。計算の結果『安全』と判定された場合、安全であることは確かです。『安全でない』との計算結果が得られた場合、本当に安全でないのか、実際は安全なのか、不明です。
今回、『構造計算書が偽造されており、震度6で倒壊の危険がある』などと報道されています。正しく言うと、ちょっと違っていて、『震度6で安全であるとの基準に入っていない』と言った方が正解です。『震度6で安全』と分った場合は、設計上は確かに安全と思って大丈夫ですが、『震度6で倒壊の危険がある』と言われても、実際にそのような地震が起こった場合、倒壊しないことも多々あると思います。
構造計画書が偽造されていて、耐震基準を満たさないマンションに居住されている人は不安な日々だと思います。しかし、今すぐにでも倒壊するかのような錯覚を持つ必要も無いでしょう。
耐震基準を満たさないマンションがあった場合、行政はどのように対応したらよいのでしょう。基準には適合していなくても、厳密な計算をすれば、安全であるとの判断が下せる場合もあるはずです。厳密計算を行って、本当に危険か否かを判断することが必要なのか、それとも、基準に適合していない場合は、居住禁止命令を出すのが良いのか、私には良く分りません。
今回の不正事件で名前の挙がった会社の関係するマンションに住んでいる人は、気持ちが悪いと思います。しかし、構造計算書が偽造されていないことが確認されたならば、心配の必要はありません。
以上、ここで書いたことは、設計段階の話です。施工段階の問題(手抜き工事など)は、全く知りません。
今回の不正事件で名前の挙がった会社の関係するマンションの場合、資産価値が大幅に下がってしまった可能性があります。とても、気の毒です。
それにしても、資格を持った一級建築士が、構造計画書を偽造するなどとは、とても信じがたいことです。コンピュータで設計段階での安全性は簡単にチェックできる時代です。故意に偽造しなければ、危険な建設物など立つはずがありません。犯罪関係者の厳正な処罰と、欠陥マンション購入被害者への、十分な補償が求まれます。
流体解析、伝熱解析、電磁気解析ならば経験豊富なのですが、構造物の解析はあまり経験が無いので、詳しいことは分りません。乏しい経験と、予断と偏見で書いてみます。
もうだいぶ以前、職場の同僚が、建物の安全性を計算する構造計算プログラムを開発していました。私は、構造計算は苦手なので、このプロジェクトには関っていません。その時知ったのですが、建物の安全性を計算する構造計算プログラムは、それほど厳密な計算をするものではなくて、安全審査基準に従って、建築物が作られているのかを確認するためのプログラムであると思いました。つまり、ギリギリ安全か否かを計算しておらず、十分に安全であることが確認されている基準に従っているかどうかを計算しているものでした。計算の結果『安全』と判定された場合、安全であることは確かです。『安全でない』との計算結果が得られた場合、本当に安全でないのか、実際は安全なのか、不明です。
今回、『構造計算書が偽造されており、震度6で倒壊の危険がある』などと報道されています。正しく言うと、ちょっと違っていて、『震度6で安全であるとの基準に入っていない』と言った方が正解です。『震度6で安全』と分った場合は、設計上は確かに安全と思って大丈夫ですが、『震度6で倒壊の危険がある』と言われても、実際にそのような地震が起こった場合、倒壊しないことも多々あると思います。
構造計画書が偽造されていて、耐震基準を満たさないマンションに居住されている人は不安な日々だと思います。しかし、今すぐにでも倒壊するかのような錯覚を持つ必要も無いでしょう。
耐震基準を満たさないマンションがあった場合、行政はどのように対応したらよいのでしょう。基準には適合していなくても、厳密な計算をすれば、安全であるとの判断が下せる場合もあるはずです。厳密計算を行って、本当に危険か否かを判断することが必要なのか、それとも、基準に適合していない場合は、居住禁止命令を出すのが良いのか、私には良く分りません。
今回の不正事件で名前の挙がった会社の関係するマンションに住んでいる人は、気持ちが悪いと思います。しかし、構造計算書が偽造されていないことが確認されたならば、心配の必要はありません。
以上、ここで書いたことは、設計段階の話です。施工段階の問題(手抜き工事など)は、全く知りません。
今回の不正事件で名前の挙がった会社の関係するマンションの場合、資産価値が大幅に下がってしまった可能性があります。とても、気の毒です。
それにしても、資格を持った一級建築士が、構造計画書を偽造するなどとは、とても信じがたいことです。コンピュータで設計段階での安全性は簡単にチェックできる時代です。故意に偽造しなければ、危険な建設物など立つはずがありません。犯罪関係者の厳正な処罰と、欠陥マンション購入被害者への、十分な補償が求まれます。