日ロ歴史共同研究2009年11月09日

(掲示板に書いた記事の転載です)

 11月8日の朝日新聞によると、ロシアと日本の有識者が歴史の共同研究に着手する、そうです。日本側窓口は下斗米伸夫・法政大教授とのことです。新聞記事によると、『歴史認識が食い違う分野としては、北方領土問題の経緯、45年のソ連対日参戦の正当性、戦後の旧日本兵らのシベリア抑留、18年の日本軍のシベリア出兵、などが想定される』って書いてあるのだけれど、歴史認識が食い違っているのかなー。全く疑問の余地は無いと思うのだけれど。

北方領土問題の経緯:
 両国ともに、いろいろなことがあったので、それらがすべて経緯でしょう。

45年のソ連対日参戦の正当性:
 ソ連は、連合国の要請で、日ソ中立条約を破棄して参戦した。唯一の国際裁判である東京裁判の判決ではソ連の行為を正当なものとしている。ソ連の参戦が嫌いか好きかとの感情論ならば、それは、人それぞれでしょう。

戦後の旧日本兵らのシベリア抑留:
 は事実です。抑留自体はハーグ陸戦条約に基づいた俘虜だけれど、一部、俘虜の待遇に条約違反行為があった。日本軍の連合国俘虜や占領地住民の扱いと比べたらマシだったかも知れないけれど、凶悪な日本軍と比べても意味無いですよね。
 ところで、どなた様か教えていただきたいのですが、ソ連への抑留は、日本人よりも、ドイツなどが多かったはずですが、このような国とでは、どのような論争があるのでしょうか。

18年の日本軍のシベリア出兵:
 は事実です。米国などの要請に基づいた、干渉戦争だったけれど、日本は合意に反して大軍を派遣した。諸外国の干渉軍が撤退した後も、居残って、国際的非難を浴びた。日本の行為が嫌いか好きかとの感情論ならば、それは、人それぞれでしょう。

 史実って、事実として分っていると多くの人が思っていることは、多くの人が事実と思っている。資料の解釈に異論があることは、異論がある。そういうことで、何も疑問は無いと思うのですが。また、好きか嫌いかについては、俺は好きだとか、俺は嫌いだとか、そう言えば良いだけです。
 ある行為が国際法違反だとか、そうでないとかの議論は嫌いです。国際問題ではなくて、国内刑法犯でも「あいつは殺人犯だ」と一方的に言う事は嫌いです。「あいつは殺人罪で死刑が確定した」のように、事実をいえば良いのに。あるいは、民事の場合だと、裁判で確定したとか、当事者間で合意した場合は、その事実を言えばよいのに。国際関係の場合は、国際裁判・多国間合意・2国間合意の事実を言えばよいのに。
 まあ、これだけでは、小学生向けの歴史教育にはならないですね。でも、高校生向けならば、両論併記でも、十分に理解できると思うのですが、なぜ、高校教科書も、両論併記を認めないのでしょう。

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