台湾はどこの領土でもない(日本政府の公式見解)2010年04月04日

 戦前、台湾は日本の植民地だったが、日本の敗戦に伴って中国の領土に戻った。日本はサンフランシスコ条約で台湾の領有を放棄したので、台湾は中国領であることに、どこの国も異論はない。ここで言う中国が中華民国なのか、中華人民共和国なのかという点では、両者の主張があるだろう。

 ところが、日本政府の公式見解を調べていると、驚くべき説明がある。

 昭和29年2月に、衆議院予算委員会で池田総理は、サンフランシスコ条約で日本が放棄したがその後の帰属が決まっていないから、台湾の帰属は未確定であるとの答弁をしている。
 さらに、「不法占拠以外に説明ができないじゃありませんか。不法占拠でしょう、法律上。」との質問に対して、「法律的には(台湾は中国に)帰っていない、…だから、これは不法占拠と申しますか、私は未確定の問題で、一応観念上あそこを支配しておる」と答弁した。

 サンフランシスコ条約では、台湾は、千島や南樺太と同様に、日本の放棄が定められているが、それ以上のことは触れられていない。サンフランシスコ条約は日本の領土を決めたけれど、日本以外の国の領土を決める条約ではないので、日本の放棄が定められたものである。
 今、「台湾はサンフランシスコ条約で帰属が定められていないので帰属未定」などと言う人は誰もいないだろう。



関連する国会でのやり取りを以下に記載しました。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/HoppouShiryou/196401_02Shugiin.htm

北方領土問題については、以下を参照ください。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm

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