本の紹介-日ロ現場史2014年01月25日


北方領土周辺漁業・北方領土返還交渉の歴史を知る上で好適な本

日ロ現場史 北方領土―終わらない戦後 本田良一/著 北海道新聞社(2013/12)

本の前半は、北方領土周辺海域での漁業の話。戦後、この地域の漁業を時代を追って説明していて、分かりやすい。日 本漁民の密猟と、加担している水産庁・北海道の関係が描かれている。密漁には、暴力団も深く関与しているが、この話 は多くない。内容的には、2004年に出版された「密漁の海で-正史に残らない北方領土』と重複する点も多いが、北方領 土問題と、地元の関与を考える上で、読む価値はあるだろう。

本の後半は、終戦末期の占領以降の返還交渉の歴史。時間を追って、かなり詳しく書かれている。外交交渉は秘密のものが多いので、関係者の怪しげな情報や憶測が事実のように伝わっていることもあり、本書に書かれていることも、必ずしも真実であるとは思えないが、返還交渉の歴史を知る上で便利。

本書は600ページを越えるものだが、章、項に区切られていて、文章も読みやすいので、分量の割には、楽に読める。

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