本の紹介-日本の中国侵略の現場を歩く2015年12月10日

 
青木茂/著『日本の中国侵略の現場を歩く 撫順・南京・ソ満国境の旅』 花伝社 (2015/7)
 
 平頂山事件、南京事件の式典や戦跡を見学したようす、ソ満国境地帯の戦跡を見学したようすが記されている。日本軍による中国侵略を考える上で参考になる。
 
 平頂山事件は撫順炭鉱を警備する日本軍の撫順守備隊が平頂山集落の住民の皆殺しを図った事件。現在、遺骨が展示されており、虐殺のすさまじさを伝えている。この事件は、中国では非常に有名だが、日本ではあまり知られていない。著者は、展示館を見学したり、記念式典に参加するなどして、史実としての平頂山事件のほかに、この事件が中国でどのように記憶され語り継がれているかを明らかにしている。
 
 南京事件についても同様な立場での記述。日本には、南京事件の地理的範囲を狭めて犠牲者数を少なく見せかけようとする人たちがいるが、本書は、そんなことには関心がなく、史実と中国でどのように記憶され語り継がれているかを明らかにしている。
 
 本書には旅行記のような雰囲気のスタイルで記載されているところが見受けられるが、私には著者の旅行には関心がないので、この部分は記述が冗長に感じた。

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