本の紹介-日本の領土 これが答えだ! ― 2012年12月22日

それで、どうする! 日本の領土 これが答えだ! (2時間でいまがわかる!)
小川和久/著 (2012/11)アスコム
読むことをお勧めしない本。
ただし、領土問題・政治問題にまったく無知で、さらに、社会的に落ちこぼれて、引きこもり・ニート状態になった人が、「日本は世界に冠たる強大国である」と妄想して、自分の境遇をしばし忘却するためには、最適な本かもしれない。
日本の領土問題-尖閣・北方領土・竹島-の解説本であるが、領土問題や歴史的経緯よりも、現状と対処案の説明に主眼が置かれている。
内容は、領土問題については、日本の主張を繰り返すもので、ニュース報道以上のより深い理解を求めている者にとっては、物足りないだろう。ただし、この部分は、特に大幅に間違った、いい加減なことが書かれている分けではなくて、著者が、一定の勉強はしているのだろうことは推察できる。
領土問題の対処案は、ちょっと笑える。北方領土問題では、メドベージェフの国後島訪問を批判するくだりで、自衛隊を北方領土のぎりぎりのところで演習させれば、視察をためらうかもしれない、などと書いている。また、南樺太と全千島を要求すれば、4島返還の可能性が出てくると書いている。このような議論は、子供の喧嘩の口上ならばともかく、現実政治では、話にならない。弱い軍隊が脅威ではないことは明らかで、ロシアにとって、日本の自衛隊は、まったくの脅威になっていない。弱い軍隊に頼って、領土要求しても、良いことは一つもない。
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