本の紹介-日本の国境 分析・資料・文献2014年06月02日

 
 浦野起央/著『日本の国境 分析・資料・文献』2013.7 三和書籍 
 
 500ページを超える大書であるが、価格も1万円と高い。
 同じ著者の本、『尖閣諸島・琉球・中国(三和書籍 2002年)』は、空白部分が多くて、内容の割には、かなり割高感が有った。本書は、空白部分は少なく、この意味では、それほど割高な感じはしないが、読んでみると、法令や通達を全文掲載したところが多くて、やはり、割高な感じがする。
 
 本の内容は、最初の1/3程度で、日本の領土の成り立ち・日本の領土認識についての歴史的経緯を説明し、2/3程度で、日本の領土問題の外交交渉や、海洋資源開発の外交交渉、合意文書などを説明している。領土問題の解説は、日本政府の立場の説明で、係争相手国の立場の説明がないので、広い視野で、日本の領土問題を考える上では、十分ではない。
 各章にわたって、参考文献の記載が多く、よりいっそう学習したり、研究のためには、それなりに便利ではあるが、参考文献のページの記載がないのが残念。

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