本の紹介-それでも、日本人は「戦争」を選んだ2015年08月12日

 
加藤陽子/著 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』朝日出版社 (2009/7)

 かなり有名な本なので、今更、内容紹介をしても仕方ないが、読んだことを忘れないように書いておきます。
 
 近代日本史研究の第一人者で東大教授の加藤陽子氏が高校生に対して、日清戦争から太平洋戦争までの日本の戦争について講義した講義録。優秀な高校生への講義であるため、内容は高度で、主に戦争に至った政治的・経済的状況に対する考察が主題であり、戦闘の話はない。本のタイトルは「日本人は戦争を選んだ」であるが、普通の日本人の多くは戦争を支持したけれど、普通の日本人が開戦を決めたわけではない。
 近年「日本はすばらしい」式の、いわゆる自慰史観の本がはやっている。そのような低レベルな理解に安住するのではなくて、歴史とはどのように理解すればよいのか、そういうことがわかる内容だ。
 それから、上位大学歴史の入試問題は、どのような視点で出題されているのかということに関係しているので、上位大学を目指す高校生は読んでおくと有益だろう。

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