本の紹介ー仏教抹殺 ― 2019年03月03日

鵜飼秀徳/著『仏教抹殺』文藝春秋 (2018/12)
著者は浄土宗の僧侶でジャーナリスト。
本書は、明治前後の廃仏毀釈の調査・解説。ジャーナリストの文章なので読みやすい。
鹿児島では神仏分離令以前に激しい廃仏毀釈が行われた。これは、藩主が通貨偽造のために金属を調達するためだった。松本では藩主が新政府へアピールするために過度な廃仏毀釈が行われたものだった。
本書では、激しい廃仏毀釈が行われた、鹿児島・宮崎・松本・隠岐・佐渡・伊勢や、貴重な文化遺産が失われた奈良興福寺など各地の廃仏毀釈の様相を調査して、廃仏毀釈の原因を明らかにしている。