旭川医大の数学入試問題2019年03月01日

旧帝大の理系に比べるとかなり易しい。

問1は普通の問題
問2、問4はやさしい。
問3は計算がごちゃごちゃするけれど、やることは明白。
医学部なので、高得点でないと合格しないだろう。

問1
ちょっと計算が面倒だけど、それほどでもない。やることは明白でしょう。

問2
易しい

問3 計算がごちゃごちゃする。見直していないので計算間違いの可能性があります。
(1)
|β|^2=|β-α|^2=|β-α^2|^2
から、βを求めると次式となる。
β=α^2(1-α*)/(α-α*)

(2)
|β|^2=|β-α^3|^2とする。
の式に、β=α^2(1-α*)/(α-α*)を入れると、
(1-α*)(1-α)(α-α*)=0
となり、αの虚部がゼロでないことと矛盾する。

(3)
α^3/β=α(α-α*)(1-α)/(1-α)(1-α*)
α=a+biとおく。この式の分子の実部は-2b^2(1-2a)となるので、
1-2a<0が求める条件。

(4)
tα^3が円周上にあるときは(2)と同様にして次式が成り立つ。
t=(α+α*-1)/(αα*)
α=a+biとすると、t≠0の実数解があるときa≠1/2
なお、b≠0も解の条件。


問4  やってみたら、普通の教科書問題。これがわからないで国立医学部はないでしょう。
(1)やさしい
(2)pn+qn=Cとすると、
p(n+1)-α=(pn-α)/4  α=(C-1)/3
となるので、
pn=α+(1/4)^(n-1)×(p1-α)
(3)
題意よりα=0、p1=3/4
よって、q1=1/4
(4)
pn=3(1/4)^nである。
(5)
Σr^k=r(1-r^n)/(1-r)を微分してn→∞とすると、
Σkr^(k-1)=1/(1-r)^2
Σkr^k=r/(1-r)^2
r=1/4なので、求める値は4/3



<問題>
問題1
αは定数でa>1とし,点(a,0)を通る傾きmの直線と円x^2+yy^2=1と
が異なる2点A,Bで交わる.このとき,次の各問いに答えよ.
問1 mの値の範囲を求めよ,
問2 問1で求めた範囲をmが動くとき,線分ABの中点の軌跡を求めよ.

問題2
nを整数とし,
 fn(x)=exp(-x){1 + x/1 + x^2/2! + x^3/3! + ・・・ + x^n/n!}
とおく。
このとき,次の各問いに答えよ。
問1 
 第2次までの導関数fn'(x)とfn''(x)を求めよ.
問2 
 n≧2のとき、∫log(x)dx < log(2)+log(3)+・・・+log(n)が成り立つこと
を示せ。
注)テキストで書きにくいので不定積分のように書いたが、問題は1≦x≦nの範囲の定積分。
問3
 n≧1のとき,すべての正の実数xに対し,一1/e≦fn'(x)<0が成り立つことを示せ。

問題3
αを,虚部が0でない複素数とする。複素数平面上で3点0,α,α^2を通
る円をCとし,Cの中心の複素数をβとする。このとき,次の各問いに答えよ。
問1 βをα,α*を用いて表せ。
問2 点α^3はC上にないことを示せ。
問3 α^3/βの実部が正となるとき,αの満たす条件を求めよ。
問4 0でないどんな実数tに対しても点tα^3がC上にないとき,点α全体の
集合を複素数平面上に図示せよ。

問題4
2つの数列{pn},{qn}は次の漸化式を満たしている。
  p(n+1)=(1/2)pn+(1/4)qn-(1/4)
  q(n+1)=(1/2)pn+(3/4)qn+1/4
このとき,次の各問いに答えよ。
問1 pn+qn=p1+q1 (n=1,2,3,……)が成り立つことを示せ。
問2 一般項pnをp1,q1を用いて表せ。 
問3 無限級数Σpnが収束し,和が1となるよう1こ,p1とq1の値を定めよ。
  注)Σはn=1~∞までの和
問4 問2,問3で求めた数列{pn}について,無限級数Σn×pnの和を求めよ。
ただし,|r|く1のとき
n×r^n→0(n→∞)
であることは,証明なしに用いてよい。

本の紹介ー仏教抹殺2019年03月03日

  
鵜飼秀徳/著『仏教抹殺』文藝春秋 (2018/12)

著者は浄土宗の僧侶でジャーナリスト。
本書は、明治前後の廃仏毀釈の調査・解説。ジャーナリストの文章なので読みやすい。
鹿児島では神仏分離令以前に激しい廃仏毀釈が行われた。これは、藩主が通貨偽造のために金属を調達するためだった。松本では藩主が新政府へアピールするために過度な廃仏毀釈が行われたものだった。
 本書では、激しい廃仏毀釈が行われた、鹿児島・宮崎・松本・隠岐・佐渡・伊勢や、貴重な文化遺産が失われた奈良興福寺など各地の廃仏毀釈の様相を調査して、廃仏毀釈の原因を明らかにしている。

本の紹介ー大砲からみた幕末・明治 近代化と鋳造技術2019年03月04日

  
中江秀雄/著『大砲からみた幕末・明治 近代化と鋳造技術』 法政大学出版局 (2016/9)
  
 ペリー来航で大砲の威力を思い知った幕府や各藩は大砲の鋳造に走る。しかし、砂鉄を原料としたタタラ製鉄で鋼を作っていた日本の伝統製鉄では粘りのある銑鉄を作ることはできず、まともな大砲は作れなかった。唯一の例外は埼玉県川口市の鋳物師が甑を使用して鋳鉄製の大砲製造に成功した。現在、この場所には復元した大砲が置かれている。場所は、川口郵便局の南側に少し入った工場内。
  
 本書では、幕末以降の日本の製鉄の歴史のほか、製鉄技術の解説が詳しい。また、各章ごとに参考文献が詳しい。ただし、著者は一般向けの図書執筆には慣れていないようで、文章が若干読みにくい。
  
 ところで、幕末に下田に来航したロシア・ディアナ号の大砲が靖国神社と横須賀三笠公園に展示されている。この点に関して、以下の記述がある。
 「靖国神社の大砲にはイギリス王室のヴィクトリア女王の紋章が鋳出しで明確に読み取れ、イギリス製の艦船蟠龍丸の備砲ではないかと、推察されている。横須賀の三笠記念館の大砲には紋章がなく、ディアナ号の大砲であるとの明確な証拠はつかめていないが、筆者はこちらがディアナ号の大砲と考えている。」(P38)

東京医科歯科大学の数学入試問題2019年03月05日

この大学の偏差値は非常に高いので、数学の問題もかなり難しかった。ところが、今年は易しい。これでは、ほぼ満点以外は合格できなかったのではないだろうか。
 
問1
 
この問題は、確率事象の独立性を理解していなければ間違える。
 
(1) b2=1となるのは、a1=a2のときなので、確率は5/9
b3,b4,・・・も同じ。
(2)b2=1、b3=1,・・・の確率は5/9だから、(5/9)^(n-1) とすると誤り。
b2=1の時に、b3=1となる確率と、b2=0の時にb3=1となる確率は同じではないので、掛け算ができません。
b1=b2=・・・=bn=1となるのは、
a1=0,a2=1,a3=0,・・・あるいは、a1=1,a2=0,a3=1,・・・と0,1が交互に現れるときなので、その確率は
①n=2kのとき
 2(2/9)^k
②n=2k+1のとき
(2/9)^k
(3)
5/8=1/2+1/8 , 15/16=1/2+1/4+1/8+1/16である。
よって、題意を満たすときは、次の3ケース。
①b2=1,b3=0,b4=1(b5以降どうでもよい)
②b2=1,b3=1,b4=0(b5以降どうでもよい)
③b2=1,b3=1,b4=1,b5=0(b6以降どうでもよい)
よって、aで表すと以下の6通りとなる。ただし*はどちらでもよいことを著している。
(a1,a2,a3,a4,a5)=(0,1,1,0,*)(1,0,0,1,*)(0,1,0,0,*),(1,0,1,1,),(0,1,0,1,1)(1,0,1,0,0)
それぞれの確率は、4/81,4/81,2/81,8/81,8/243,4/243となるので、求める値は
22/81
 
 
問2
なにやらcosが多いので、ここでは余弦定理を使うことにする。
a=b-α,c=b+αとすると、余弦定理から次式が得られる。ただし、αは公差。
1+4r=2(1+r)cosA ただし、 r=α/b   ①
1+2r^2=2(1-r)(1+r)cosB     ② 
1-4r=2(1-r)cosC         ③
①②③式のうち、②は無視することにする。
 
(1)
①③式を使う
C=(2/3)πとすると、1-4r=-(1-r) r=2/5
よって、1+4r=2(1+r)cosAであるから、cosA=13/14
 
(2)
①式から
1+4r=2(1+r)cosAであるから、r=(2x-1)/(4-2x) ただし、x=cosA
これを③式に代入して、
8x^3-10x^2-9x+9=0
(x+1)(8x^2-18x+9)=0
よって、cosA=x=3/4
 
(3)
r=(2x-1)/(4-2x) ただし、x=cosA
これを③式に代入する。ここで、cosC=(1/2){x-√(3-3x^2)}。
1-4(2x-1)/(4-2x)={1-(2x-1)/(4-2x)}{x-√(3-3x^2)}
4x^2-15x+8=-(5-4x)√(3-3x^2)
両辺を2乗して整理すると次式となる。
64x^4-240x^3+316x^2-12x-11=0
因数分解して
(16x^2-12x-1)(4x^2-12x+11)=0
よって、x=(3+√13)/8
この解法、あまりよくないですね。計算を正確に行うことと、因数分解することが、困難です。
 
正弦定理も使うともう少し見通しが良い
sinA/(1-r)=sinC/(1+r)であり、
sinC=sin(A+π/3)=y/2+(√3/2)x (ただし、x=cosA y=sinA)
であるから、
y/(1-r)=(y+x√3)/(2+2r)
すなわち、y√3=x(3-3r)/(1+3r)  ④
また、①からx=(1+4r)/(2+2r)   ⑤
一方③から 1-4r=(1-r)(x-y√3) なので、
④⑤を代入するとrに関して次式となる。
13r^2+1=0
よって、r=1/√13
⑤から、x=(3+√13)/8

この問題では、ここで求めた解は題意を満たすものであることを示す必要があるのだろうか。題意を満たす解はこれ以外にはないことを示しただけで、解の存在を示していないとの意見もあると思う。時間があれば、実際に題意を満たす解であることを一言書くと良いだろう。
 
 
 
問3
f(x)=x^4-x^2-a(x^2-1)と置く。
(1)
f(x)の増減を調べると、こんな感じになります
f(0)=a,f(1)=0が成り立つ。
f'(x)=0とすると、x=0,±√{(a+1)/2} ただし、a>-1
a≦-1の時は0<x<1のとき、f(x)は単調増加あるいは単調減少だからPは存在しない。
√{(a+1)/2}≧1のときも、同様にPは存在しない。
-1<a<0のとき、
f(√{(a+1)/2})=-(a-1)^2/4<0であるから、a>0のとき、Pが存在する。
結局0<a<1のとき、Pは存在する。
(1)'
f(x)=(x^2-a)(x+1)(x-1)であるから、f(x)=0はx=±1,x=±√aとなる。
よって、0<a<1のときPは存在する。
Pの座標は(√a,a^2-a)
(2)
y=x^4-x^2の増減を調べて図を書けば、-1/4<b<0となる。
この時交点のx座標は、容易に求められる。
(√が2重の式になるが、テキストエディタ―で書きにくいので割愛)
(3)(4)普通に計算すればよい。

東京工業大学の数学入試問題2019年03月08日

問1は易しい。ただし、(2)は(1)を使うことが思いつかないと無理。思いつけば、一瞬で解ける。出題者の意図がわかるかどうかを試すような、ふざけた問題は出題しないでほしい。
問3、問5は少し易しい。普通に受験勉強していれば、できたと思う。
問2は積分の定義が分かっていることと、計算力が必要です。受験勉強に取り組んでいないと無理。
 
 
問1
(1) やさしい
p^2+q^2+r^2-4(√3)S
=h^2+s^2+h^2+t^2+(t-s)^2-2(√3)h(t-s)
=2{s+((√3)h-t)}^2+(3/2){t-(√3)h/3}^2
≧0
ここで、t=-s=(√3)h/3のときに等号成立。
すなわち、正三角形の時に等号成立。
(2) ふざけた問題です
(1)を四面体の各面に適用すれば題意の不等式が得られる。
 等号が成立するのは、各面が正三角形のときなので、正四面体の時に等号が成立する。
  
  
問2
積分の定義が分かっていれば、この問題の方針は間違うことなく思いつくだろう。
でも、計算がゴチャゴチャする。
それから、以下の積分ができるように、日ごろから勉強していないと、この問題は無理。
これらの積分は部分積分を使います。
∫log(x)dx=xlog(x)-x
∫x・log(x)dx=(x^2)/2×log(x)-x^2/4
∫(log(x))^2dx=x(log(x))^2-2xlog(x)+2x
∫x・(log(x))^2dx=(x^2)/2×(log(x))^2-x^2/2×log(x)+x^2/4
要するに、数3を問題集でしっかり勉強し、計算にも慣れていないとこの問題はできなかったでしょう。

xy=tと置いて両辺にxをかけると、次式を得る。
∫[1,2]log(t)f(t)dt - 2∫[1,x]log(t)f(t)dt - log(x)∫[1,2]f(t)dt + 2log(x)∫[1,x]f(t)dt
=3x^2(log(x)-1) + Ax + B
ただし、∫[1,2]は積分区間[1,2]の積分の意味で、∫[1,x]は積分区間[1,x]の積分の意味です。

g(x)=左辺―右辺  とする。
g(x)=0
xg'(x)=-∫[1,2]f(t)dt + 2∫[1,x]f(t)dt + 3x^2-6x^2log(x)-Ax
h(x)=xg'(x)とすると、h(x)=0であるから、h'(x)=2f(x)-12log(x)-A
よって、f(x)=6log(x)-A/2
つぎに、h(1)=0 の式と h(2)=0 の式から、∫[1,2]f(t)dtを消去すると、
A=-8log2+5  となる。
注)h(1)=0の式から直接Aを求めてもよいが、上のようにすると計算が若干少なくて済む。
最後にBを求める。これにはg(1)=0をつかう。
x・(log(x))^2の積分が入ってくるので、この積分ができないと、Bは求められない。
結果だけ書くと、B=4(log2)^2+5log2

これで満点のような気がするが、ひょっとすると減点されるかもしれない。
題意を満たすものがあるならば、ここで求めたf(x),A,Bですよ、と言うことを示しているのであって、ここで求めた、f(x),A,Bが本当に題意を満たすことを説明する必要があるかもしれない。
その場合は次のようにする。
ここで求めた、f(x),A,Bは、明らかに、h'(x)=0 h(1)=0を満たす。
よって、h(x)=0となる。すなわち、g'(x)=0が成り立つ。
一方、g(1)=0が成り立つので、結局g(x)=0が成り立つ。
以上より、ここで求めた、f(x),A,Bは題意を満たす。
  
  
問3
w=z/(3+2i)とするとき、どちらがwでどちらがzなのか、言い換えると×のか÷のかを問題文をよく読んで間違えないようにすれば容易な問題です。
(1)
中心が原点で半径aの円の中に含まれる格子点数
a<2のとき、9個以下
a=2のとき、13個
2≦a<2√2のとき、13~25個
a=2√2のとき、29個
|z/(3+2i)|=|z|/√13であるから、
10≦N(r)<25 となるのは、2≦r×√13<2√2
すなわち、2/√13≦r<2√2/√13
(2)
w=z/(3+2i)とする。
z=(3+2i)wなので、
wが、0,1,1+i/2,1/2+i/2,1/2+i,iのとき、
zは、0,3+2i,2+7/2i,1/2+5/2i,-1/2+4i,-2+3i
となる。これらの点を結ぶ図形の格子点を数えると、
12個。
  
 
問4
難しそうな雰囲気だけど、解いていません。
  
  
問5
小学生の掛け算割り算が上手にできないとこの問題は難しい。
東工大受験生に小学校の掛け算割り算で落ちこぼれた人はいないよね。
ということで、ほとんどの受験生はこの問題はできたと思う。

(1)
普通に微分して増減を調べればよい。
f'(x)=log(1+1/x)-1/x
これだとわからないので、もう一回微分する。
f''(x)=1/x^2/(x+1)>0 (x>0) 
すなわち、f'(x)は単調増加。
一方、f'(x)→0 x→∞ なので、
結局、f'(x)<0 (x>0) である。
よって、f(x)は単調減少関数である。

(2)
(1)でlogが出てきたのだから、log(bk)を評価すればよい気がするだろう。
log(bk)-log(b(k-1))=(k+1)log(1+1/k)-log(a) となる。
(k+1)log(1+1/k)は単調減少関数なので、
(k+1)log(1+1/k)-log(a)<0となるkを見つければよいことがわかるだろう。
この時のkが大きい数だったらどうしようと悩むよりも、やってみればよい。
k=4のとき、(k+1)log(1+1/k)-log(a)<0 となるので、求める値はk=1,2,3の
いずれかであることがわかる。あとは、やってみればよい。
 
 
 
<問題>
問1
(1)h>0とする。座標平面上の点0(0,0),点P(h,s),点Q(h,t)に対して,三角形OPQの面積をSとする。ただし,s<tとする。三角形OPQの辺OP,OQ,PQの長さをそれぞれp,q,rとするとき,不等式
p^2+q^2+r~2≧4(√3)S
が成り立つことを示せ。また,等号が成立するときのs,tの値を求めよ。
(2)四面体ABCDの表面積をT,辺BC,CA,ABの長さをそれぞれa,b,cとし,辺AD,BD,CDの長さをそれぞれL,m,nとする,このとき,不等式
a^2+b^2+c^2+L^2+m^2+n^2≧2(√3)T
が成り立つことを示せ,また,等号が成立するのは四面体ABCDがどのような西面体のときか答えよ。

 
問2
次の等式が1≦x≦2で成り立っような関数f(x)と定数、A,Bを求めよ。
∫|log(y)|f(xy)dy=3x{log(x)-1}+A+B/x (積分範囲は 1/x≦y≦2/x)
ただし,f(x)は1≦x≦2に対して定義される連続関数とする。
  
注)テキストで書けなかったので積分が不定積分のようになっているが、問題では定積分である。

 
問3
iを虚数単位とする。実部と虚部が共に整数であるような複素数zにより
 z/(3+2i)
と表される複素数全体の集合をMとする。
  
(1)原点を中心とする半径rの円上またはその内部に含まれるMの要素の個数をN(r)とする。このとき,集合{r|10≦N(r)く25}を求めよ。
(2)複素数平面の相異なる2点z,ωを結ぶ線分をL(z,ω)で表すとき,6つの線分L(0,1)、L(1,1+i/2)、L(1+i/2,1/2+i/2)、L(1/2+i/2,1/2+i)、L(1/2+i,i)で囲まれる領域の内部または境界に含まれるMの要素の個数を求めよ。
 
 
問4
省略
 
 
問5
a=(2^8)/(3^4)として、数列
  bk=(k+1)^(k+1) / {(a^k)×k!}  (k=1,2,3,・・・)
を考える.
(1)関数f(x)=(x+1)log(1+1/x) はx>0で減少することを示せ。
(2)数列{bk}の項の最大値Mを既約分数で表し,bk砺=Mとなる々をすべて求めよ。

本の紹介―偶然の輝き2019年03月11日

池田信行/著『偶然の輝き ブラウン運動を巡る2000年』岩波書店(2018/12)

 確率微分方程式の教科書と言えば、かつては、伊藤清のTata大学のレクチャーノートや、渡辺信三/著『確率微分方程式 (数理解析とその周辺 (9))産業図書 (1975/08)』があった。1980年代に、池田信行と渡辺信三の共著で『Stochastic Differential Equations and Diffusion Processes』が出版されると、標準的な教科書として使われ、今でも最良の教科書だろう。
 本書は池田信行教授による一般向けの確率論講義。ただし、ごく普通の人を対象としたものではなく、高校数学教師や理工学系の研究者など、一定の数学知識がある人を対象としたもの。
 内容は確率論や確率過程論の歴史的展開の解説に主眼が置かれている。確率論以外の数学系の学生・数学関係者などが、「へー、確率論てそういうものなの」とさわりを理解するため読み物として、あるいは確率論研究者が歴史小説を読むような軽い気持ちで読むのには向いているけれど、どれだけ読む人がいるのだろう。

京都大学理系数学入試問題の補足2019年03月12日

京都大学理系数学入試問題の問4は確率の問題。普通に漸化式型で解くのだろうと思っていました。予備校の解答を見ると、論考を進めて二重に和をとることで解を得ています。なかなかスマートですが、論考ができなくても、普通に漸化式で解けるので、このような解答を示します。
  
なお、代々木ゼミナールの解答はこちら
https://sokuho.yozemi.ac.jp/sokuho/k_mondaitokaitou/2/kaitou/kaitou/1306999_5346.html
   
<問題>
 1つのさいころをn回続けて投げ,出た目を順にX1,X2,…,Xnとする。このとき次の条件をみたす確率をnを用いて表せ。ただしX0=0としておく。
条件:1≦k≦nをみたすkのうち,X(k-1)≦4かつXk≧5が成立するようなkの値はただ1つである。
  
<解答>
  
以下の6つに場合分けをして漸化式を立てる。
an:1≦k≦n で、X(k-1)≦4,X(k)≧5となるkが1個で、Xn≦4の確率
bn:1≦k≦n で、X(k-1)≦4,X(k)≧5となるkが1個で、Xn≧5の確率
cn:1≦k≦n で、X(k-1)≦4,X(k)≧5となるkが0個で、Xn≦4の確率
dn:1≦k≦n で、X(k-1)≦4,X(k)≧5となるkが0個で、Xn≧5の確率
en:1≦k≦n で、X(k-1)≦4,X(k)≧5となるkが2個以上で、Xn≦4の確率
fn:1≦k≦n で、X(k-1)≦4,X(k)≧5となるkが2個以上で、Xn≧5の確率
  
このとき、以下の漸化式が成り立つ。
a(n+1)=(2/3)an+(2/3)bn ①
b(n+1)=(1/3)bn+(1/3)cn ②
c(n+1)=(2/3)cn+(2/3)dn ③
d(n+1)=(1/3)dn ④
e(n+1)=(2/3)en+(2/3)fn
f(n+1)=(1/3)an+(1/3)en+(1/3)fn
a1=0
b1=1/3
c1=2/3
d1=0
e1=0
f1=0
  
注1)eとfはどうせ使わないのだから、2つに分ける必要はないが、惰性で分けました。
注2)a(n+1)+・・・+f(n+1)=a(n)+・・・+f(n)   a1+・・・+f1=1 は当然に成り立つ。成り立たなければ、立式に誤りがあります。
  
d1=0と④から、dn=0
よって、c1=2/3と③から、cn=(2/3)^n
よって、b1=1/3と②から、bn=(2/3)^n-(1/3)^n
よって、a1=1/3と①から、an=Σ(2/3)^(n-k)bk 和はk=1~n-1
すなわち、an=(n-2)×(2/3)^n+2(1/3)^n (n≧2)
よって、an+bn=(n-1)×(2/3)^n+(1/3)^n (n≧2)   それから、a1+b1=1/3
結局、an+bn=(n-1)×(2/3)^n+(1/3)^n (n≧1) これが求める値です。
   
   
注意)上位大学の入試では、nで変化してゆく確率の問題は、pn,qn,rnと3つぐらいの事象の確率に関して漸化式を立てるとうまくゆくことが多い。これが2つだと簡単で、4つ以上だと数列を求めるところで計算が困難になるかもしれない。この解答ではan~fnと6つに分けているけれど、実質はan,bn,cnの3つの確率の漸化式になっており、上位大学の入試問題としては普通の難易度です。

千葉大学数学入試問題2019年03月14日

千葉大学の数学入試問題のうちで、数学科と医学部が解答する問題は例年難しい。今年も、問12、問13は骨のある問題でした。
もっとも、問13は数学の入試問題に慣れていれば、特にたいしたことなかったかもしれない。問12は思考がごちゃごちゃして、抜けがないように考えるところが大変だっただけで、数学として難しかったわけではない。
 
 
問13
(問題)
   
aは実数とする。座標平面上で連立不等式
y≧x^2
y≦(2a+3)x-a(a+3)
の表す領域をD(a)とおく。いま、x座標もy座標も整数であるような点を格子点と呼ぶことにする。
(1)nを整数とする。このとき、D(n)に含まれる格子点の個数を求めよ。
(2)任意の実数aについて、D(a)に含まれる格子点の個数とD(a+1)に含まれる格子点の個数は等しいことを示せ。
  
(解答例)
   
x^2≦y≦(2a+3)x-a(a+3)
f(x)=x^2-(2a+3)x+a(a+3) とする。
f(x)=(x-a)(x-a-3) であるから、最初の不等式を満たすxが存在するのは
a≦x≦a+3  である。
 
(1)a=n (整数)のとき
不等式を満たす格子点があるのは x=n.n+1,n+2,n+3である
x=nのとき、n^2≦y≦(2n+3)n-n(n+3)=n^2
なので、y=n^2 の1個の格子点が不等式を満たす。
x=n+1のとき、(n+1)^2≦y≦(2n+3)(n+1)-n(n+3)=(n+1)^2+2
なので、y=(n+1)^2,(n+1)^2+1,(n+1)^2+2 の3個の格子点が不等式を満たす。
x=n+2のとき、(n+2)^2≦y≦(2n+3)(n+2)-n(n+3)=(n+2)^2+2
なので、y=(n+2)^2,(n+2)^2+1,(n+1)^2+2 の3個の格子点が不等式を満たす。
x=n+3のとき、(n+3)^2≦y≦(2n+3)(n+3)-n(n+3)=(n+3)^2
なので、y=(n+3)^2 の1個の格子点が不等式を満たす。
合わせると、8個の格子点が不等式を満たす。
 
(2)
aが整数の時は、(1)からD(a)=D(a+1)=8となる。
aが整数でないときはa=n+p nは整数 0<p<1 と表すことができる。
格子点のうち、不等式が満たすものがある可能性のあるものは、次のxのときである。
x=n+1,n+2,n+3
x=n+1とする。
(n+1)^2≦y≦(2a+3)(n+1)-a(a+3)=(n+1)^2+2-(p^2+p)
2-(p^2+p)を超えない整数をk1とすると、x=n+1のとき、不等式を満たす格子点はk1個である。
x=n+2とする。
(n+2)^2≦y≦(2a+3)(n+2)-a(a+3)=(n+2)^2+2-(p^2-p)
2-(p^2-p)を超えない整数をk2とすると、x=n+2のとき、不等式を満たす格子点はk2個である。
x=n+3とする。
(n+3)^2≦y≦(2a+3)(n+3)-a(a+3)=(n+3)^2+2-(p^2-3p)
2-(p^2-3p)を超えない整数をk3とすると、x=n+3のとき、不等式を満たす格子点はk3個である。
以上より、a=n+pのとき、不等式を満たす格子点の数はk1+k2+k3となる。
b=a+1のとき、b=(n+1)+p なので、不等式を満たす格子点の数はk1+k2+k3となる。
すなわち、D(a)=D(b)=D(a+1)である。
 
 
問12
  
問題
 数直線上に動点Pがあり,はじめ原点にあるとする。k=1,2,…に対し,k回目にさいころを振ったとき,1,2の目が出たらPは正の方向に1/(2^k)だけ移動し、3,4が出たら負の方向1/(2^k)だけ移動し,5,6が出たら移動しないとする。n回さいころを振った後の点Pの座標をXnとする。
(1)0<Xnとなる確率を求めよ。
(2)1/2<Xnとなる確率を求めよ。
(3)Lはn未満の正の整数とする。このとき1/(2^L)<Xnとなる確率を求めよ。
  
  
解説と解答例
(1)(2)はともかくとして、(3)を抜けがないように場合分けして正確に計算することは難しい。
 
(1) 1~k-1回目が5,6で、k回目が1,2である確率を求める。
Σ(1/3)(1/3)^k 和はk=0~n-1
= (1/2)-(1/2)(1/3)^n
 
(2)1回目が1,2で1~k-1回目が5,6で、k回目が1,2である確率を求める。
Σ(1/3)(1/3)(1/3)^k 和はk=0~n-2
= (1/6)-(1/2)(1/3)^n ただし、n≧2であるが、n=1のときもこの式が成り立つ。
 
(3)
a)1~m-1回目まで、5,6がでで、m回目に1,2が出るとき。ただし、m≦L-1
b)1~L-1回目まで、5,6がでで、L回目に1,2が出て、その後5,6k回が続いた後に、1,2がでるとき。
  ただし、0≦k≦n-(L+1)
c) a)の中で、1~m-1回目まで、5,6がでで、m回目に1,2が出たあとに、L回まで3,4が続いたときは求める解ではない。
d) c)のなかで、1~m-1回目まで、5,6がでで、m回目に1,2が出たあとに、L回まで3,4が続き、さらにそのあと、5,6が続いた後に1,2が出る場合は求める解である。

a)の確率
 (1/2){1-(1/3)^(L-1)}
b)の確率
(1/2)(1/3)^L-(1/2)(1/3)^n
c)の確率
(L-1)(1/3)^L
d)の確率 
(1/2)(L-1){(1/3)^L-(1/3)^n}

ここで、b)はa)c)d)と排反事象。d)はc)に含まれ、c)はa)に含まれる。よって、求める確率は、
a)の確率+b)の確率-c)の確率+d)の確率
1/2 - (L/2)(1/3)^L - (1/2)(1/3)^L -(L/2)(1/3)^n

本の紹介―東アジア仏教史2019年03月15日

   
石井公成/著『東アジア仏教史』岩波新書(2019.2)
  
 内容は、中国、日本、朝鮮、ベトナムの仏教史。なかでも、中国仏教史の話が多い。
 岩波新書なので、一般向けに平易な文章で書かれている。しかし、経典の名前が多くて難解である。詳細を書こうとしたらこのようになるのだろうけれど、もう少し、仏教史の流れの概略でよかったのではないかと思う。
 経典の名前を出されても、多数の経典を読んだことがある人は、一般人には少ないだろう。ただし、経典名が豊富なので、これからこれら地域の仏教を研究しようとしている人には有益な本だろう。

 中国では仏教伝来以降、盛んに偽経が作られ、これらが仏の教えとして日本にも伝来している。多数の偽経が作られた中国の社会的背景なども説明されており、日本の仏教を理解するうえでも有益な本だろう。
 とはいえ、私の仏教知識では、本書を十分に理解するのは難しい。

東北大学後期の数学入試問題―できなくても正解にたどり着く2019年03月17日

問2
 この問題は、三角関数の和の公式を上手に使って正解を求める。でも、三角関数の和の公式があやふやでも、正解にたどり着くことができる。
 
(1)
<正解が分からない時の解答の作り方>
証明問題なので、与えられた式は成立するのに決まっている。
n=kの時成立する。n=k-1の時も成立する。だから、引き算して、
2cos(kx)sin(x/2)=sin{(k+1/2)x}-sin{(k-1/2)x}
となるはず。
x=2θと書くと、
2cos(2kθ)sin(θ)=sin(2kθ+θ)-sin(2kθ-θ)
 
<解答の書き方>
まず、三角関数(サイン)の和の公式を使うと次式が成り立つ。
(本当は、もう少し書いたほうが良いが、わからなければ仕方ない。)
2cos(2kθ)sin(θ)=sin(2kθ+θ)-sin(2kθ-θ)
ここで、x=2θとすると、次式となる。
2cos(kx)sin(x/2)=sin{(k+1/2)x}-sin{(k-1/2)x}
この式で、k=1~nまで足し合わせると、題意の式となる。
 
(2)この問題は(1)がヒントになっていることはわかるでしょう。(1)をフルに使ってみると、何となく正解に到達する。
 
<解答>
(1)から、sin(x/2)≠0、Σcos(kx)=0のとき、sin{(n+1/2)x}-sin(x/2)=0
逆に、sin(x/2)≠0、sin{(n+1/2)x}-sin(x/2)=0のとき、Σcos(kx)=0が、成り立つ。
 
<ここで次のように考える>
(1)で次の式を導いた。
 2cos(kx)sin(x/2)=sin{(k+1/2)x}-sin{(k-1/2)x}
この式で、a=kx,b=x/2とすれば、
2cos(a)sin(b)=sin(a+b)-sin(a-b) が成り立つ。
 
<解答の続き>
まず、三角関数(サイン)の和の公式を使うと次式が成り立つ。
 2cos(a)sin(b)=sin(a+b)-sin(a-b)
ここで、a=(nx+x)/2,b=nx/2とおくと、
2cos{(nx+x)/2}sin(nx/2)=sin{(n+1/2)x}-sin(x/2)=0
cos{(nx+x)/2}=0のとき、x={(2k+1)/(n+1)}π (kは整数)
sin(nx/2)=0のとき、x=(2k/n)π (kは整数)
 
一方、sin(x/2)=0のときは、x=2kπ(kは整数)となるので、
cos(kx)=1となり、Σcos(kx)≠0 である。
 
以上より求める答えは、
 x={(2k+1)/(n+1)}π (kは整数) 
および
 x=(2k/n)π (kは整数で、k/nは整数でない)

* * * * * *

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