本の紹介―東アジア仏教史 ― 2019年03月15日

石井公成/著『東アジア仏教史』岩波新書(2019.2)
内容は、中国、日本、朝鮮、ベトナムの仏教史。なかでも、中国仏教史の話が多い。
岩波新書なので、一般向けに平易な文章で書かれている。しかし、経典の名前が多くて難解である。詳細を書こうとしたらこのようになるのだろうけれど、もう少し、仏教史の流れの概略でよかったのではないかと思う。
経典の名前を出されても、多数の経典を読んだことがある人は、一般人には少ないだろう。ただし、経典名が豊富なので、これからこれら地域の仏教を研究しようとしている人には有益な本だろう。
中国では仏教伝来以降、盛んに偽経が作られ、これらが仏の教えとして日本にも伝来している。多数の偽経が作られた中国の社会的背景なども説明されており、日本の仏教を理解するうえでも有益な本だろう。
とはいえ、私の仏教知識では、本書を十分に理解するのは難しい。