トムラウシ山遭難考(23)-遭難の真の直接原因2010年08月12日

7月中旬に、「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか」が出版された。この本には、生還者を中心に、何名かの着衣の様子が記されている。同書は仮名を使っているので、実名を推測した。推測に、誤りがあるかもしれません。



そもそも寒くなかった
 斐品氏(自力下山)

途中で防寒具を着用
 亀田・長田氏(自力下山)、戸田氏(自主ビバーク後自力下山)、真鍋氏(自主ビバーク)
 注)真鍋氏は軽度の低体温症になった可能性あり。
 注)亀田・戸田氏はロックガーデン付近でダウンやフリースを着用、真鍋氏は北沼分岐でダウンを着用。長田氏はレスキューシートを着用。

防寒着不着用(濡れのため着用する防寒具がなかった)
 前田氏(自力下山)、松本氏(全身ずぶぬれ、重度の低体温症から生還)

防寒着不着用(持っていたが着なかった)
 石原氏(重度の低体温症から生還)、竹内氏(死亡)
 静岡パーティーの1名(低体温症から生還)

本に記載なし
 野首氏(自主ビバーク)、多田氏(自主ビバーク)
 吉川・植原・木村氏(死亡)
 川角・市川・味田・岡氏(死亡)



 このうち、植原・木村氏は早い段階から体調不良だったこと、吉川ガイドは体調不良者のケアに忙殺されたので、防寒着を着用していない可能性が高い。多田氏はもともと体力があるので着用しなくても問題ないのだろう。自主ビバークの野首氏と死亡した川角・市川・味田・岡氏については分からない。
 結局、低体温症にかからなかった人は、もともと寒さに強いか、体力があるか、防寒着を着用したか、であるのに対して、重度の低体温症になった人は防寒着を着用していなかったか、その可能性が高いことが分かる。

 トムラウシ山遭難の原因は防寒着の着用不良に尽きるのかもしれない。

でも、この結論は、最初から想像できていたことなので、ちょっとつまらない。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

* * * * * *

<< 2010/08 >>
01 02 03 04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

RSS