本の紹介ーアンジェリス2018年08月21日

 
H・チースリク/編『北方探検記―元和年間に於ける外国人の蝦夷報告書』 吉川弘文館 (1962)
 
江戸時代初期のころ、キリスト教の布教のために東北から北海道を訪れた伝道師ジェロニモ・デ・アンジェリスとカルワーリュの報告書簡の翻訳。二人は商人や工夫に変装して禁止されたキリスト教を伝道したが、最後にはとらえられて火刑となった。
 
第一部:アンジェリスとカルワーリュの経歴、日本での伝道、書簡についての解説。
第二部:アンジェリスの二度の報告書簡とカルワーリュの一度の報告書簡の翻訳。
 この中に、アイヌ語の簡易辞書がある。
第三部:第二部のポルトガル語原文
 
アンジェリス・カルワーリュの書簡はキリスト教伝道に関するものであるが、どのように伝道したのかが詳しく書かれているので、当時のキリスト教禁教の様子が分かる。また、アンジェリスは蝦夷地が大陸の一部なのか島なのかの考察や、蝦夷人の風俗、道東アイヌや西部アイヌとの交易等についての調査報告をしている。これらは、江戸初期の外国人によるアイヌ観察として重要。

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