弾道と人工衛星2009年04月07日

弾道:
 大砲を撃つと、大砲の弾は砲の中で力を受けて加速し、砲から出ると、重力で下に落ちる力を受け続けることになります。重力を一定とし、空気抵抗を無視すると、弾道は放物線になります。
 弾道ミサイルも、同様な原理です。ただし、打ち上げ後に、エンジンの燃焼で、飛翔方向に力を受け加速すること、重力は高空に行くに従って減少することが異なります。エンジンの燃焼が止まると、上への加速は無いので、重力の影響で、上昇速度は徐々に遅くなり、遂に下降に転じ、下降速度を加速しながら自由落下します。

人工衛星:
 弾道の原理では、人工衛星にならないので、人工衛星には大きな工夫が必要です。軌道が、ほぼ水平のときに、ブースターを燃焼させて、水平推力を与え、水平方向に加速する必要があります。このため、ロケットの姿勢制御と、燃焼のタイミングを取る技術が必要になります。

 以上のことから、上昇しているときにのみ加速しているのならば、弾道ミサイルの可能性が高く、水平推力を与えているならば、人工衛星の可能性が高いことが分ります。
 北朝鮮が、どちらを目指したのかは、軌道を見れば、分ることで、そのために、自衛隊は観測していたはずです。軌道の説明も無しに、日本は北朝鮮の行為を「ミサイル発射を強行」と断じていますが、このような主張には、大きなマヤカシが有ります。


弾道ミサイル:
 弾道ミサイルには、人工衛星に無い大きな特徴があります。人工衛星は、飛ばすことを目的としているのに対して、弾道ミサイルは落下することを目的にしています。落下しない弾道ミサイルは存在しません。
 高空から落下すると、空気との摩擦熱で、激しく温度上昇し、特別な工夫をしなければ、融けて、場合によっては、すべて燃え尽きます。弾道ミサイルや、地球に帰還する宇宙船の場合は、大気圏再突入の実験が欠かせません。

 私は、直接この問題を検討したことは無いのですが、以前、職場の同僚が、衛星再突入時燃焼解析をしていたことがあります。空気中の酸素って、酸素分子と酸素プラズマを考えれば良いのかと思っていたら、そうではなくて、もっといろいろな中間状態があるのだそうで、化学反応が複雑です。
 
 北朝鮮が、弾道ミサイル実験をしたというならば、必ずどこかで、大気圏再突入実験をしているはずで、この証拠も無いのに、北朝鮮の行為を「ミサイル発射を強行」と断じている日本の説明には、大きなマヤカシが有ります。

 国民に嘘をついて、軍拡・増税を目論んでいるのではないだろうか。

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