竹島は鬱陵島から見えるか2009年06月24日

ちょっと古い報道ですが、韓国国会ロビーで、鬱陵島から見た独島(竹島)の写真展が、5月下旬に行われたそうです。
http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=48668&thread=01r04

1452年の高麗史地理志に鬱陵島の説明として、「一説に言うには、于山と武陵は2つの島で、互いの距離は遠くない、空気が澄み切った日には、望み見る事ができる(一云、于山、武陵、本二島、相距不遠、風日清明、則可望見)」と書かれている。鬱陵島から、空気が澄み切った日に望見できる島は竹島しかないので、于山島とは竹島のことであると、説明される。

ところが、1960年代、日本政府外務省官僚の川上健三氏氏が、鬱陵島から竹島は見えないとの、誤った説を吹聴したことが有ります。計算してみれば、鬱陵島から竹島が見えることは、容易に分ることです。官僚の中には計算が得意な人もいただろうに、川上官僚がなぜ、このような誤説を唱えたのか、謎です。

今だと、Excelを使えば、見たときの大きさも含めて簡単に計算できるので、計算結果を以下にまとめています。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Other/Ullundo/Ullun.htm

川上官僚説は、計算の前提条件の単純な誤り(実際には、鬱陵島には山があるのに、鬱陵島の海岸付近から見えないことをもって、鬱陵島から見えないとしてしまった)でしたが、単純な誤りであることを韓国側から指摘されると、日本の右翼勢力の中には、「見える日はほとんどない」「小さくて見えない」など、いいかげんなことを言い立てる人が現われます。
高麗史地理志は「空気が澄み切った日には望み見る」とあるので、見える日が多くないことは、大昔から分っていることですし、見たときの大きさは、簡単に計算できます。

このような状況に終止符を打つべく行われたのが、今回の写真展示だったのでしょう。川上官僚説が全くの誤りであることは、当時から良く知られていたことなので、写真展示をおこなっても何も変わることがないのですが、改めて、日本の外務省のデタラメさを認識させるものです。

竹島問題を日本政府は真面目に取り組む気が無いのか、川上官僚のデタラメ説以降も、いいかげんな事が言われています。

●日本政府外務省の竹島解説では、2005年まで、竹島の位置が間違っていた(国土地理院は正確)。
●平成17年の外務大臣国会答弁には「伯耆藩のだれそれが・・・」との説明がなされたことがあり、外務省発行のパンフレットにも同じようにかかれていたが、歴史上「伯耆藩」は存在しない。(最近はさすがに言わなくなったようです。)
●今でも竹島-鬱陵島の距離を92km、竹島-隠岐島を157kmとしているが、片方は島の中心間距離、片方は島の一番近いところと、島の距離の定義がデタラメ。

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