PMR-続き ― 2009年06月23日
竹島は鬱陵島から見えるか ― 2009年06月24日
ちょっと古い報道ですが、韓国国会ロビーで、鬱陵島から見た独島(竹島)の写真展が、5月下旬に行われたそうです。
http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=48668&thread=01r04
1452年の高麗史地理志に鬱陵島の説明として、「一説に言うには、于山と武陵は2つの島で、互いの距離は遠くない、空気が澄み切った日には、望み見る事ができる(一云、于山、武陵、本二島、相距不遠、風日清明、則可望見)」と書かれている。鬱陵島から、空気が澄み切った日に望見できる島は竹島しかないので、于山島とは竹島のことであると、説明される。
ところが、1960年代、日本政府外務省官僚の川上健三氏氏が、鬱陵島から竹島は見えないとの、誤った説を吹聴したことが有ります。計算してみれば、鬱陵島から竹島が見えることは、容易に分ることです。官僚の中には計算が得意な人もいただろうに、川上官僚がなぜ、このような誤説を唱えたのか、謎です。
今だと、Excelを使えば、見たときの大きさも含めて簡単に計算できるので、計算結果を以下にまとめています。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Other/Ullundo/Ullun.htm
川上官僚説は、計算の前提条件の単純な誤り(実際には、鬱陵島には山があるのに、鬱陵島の海岸付近から見えないことをもって、鬱陵島から見えないとしてしまった)でしたが、単純な誤りであることを韓国側から指摘されると、日本の右翼勢力の中には、「見える日はほとんどない」「小さくて見えない」など、いいかげんなことを言い立てる人が現われます。
高麗史地理志は「空気が澄み切った日には望み見る」とあるので、見える日が多くないことは、大昔から分っていることですし、見たときの大きさは、簡単に計算できます。
このような状況に終止符を打つべく行われたのが、今回の写真展示だったのでしょう。川上官僚説が全くの誤りであることは、当時から良く知られていたことなので、写真展示をおこなっても何も変わることがないのですが、改めて、日本の外務省のデタラメさを認識させるものです。
竹島問題を日本政府は真面目に取り組む気が無いのか、川上官僚のデタラメ説以降も、いいかげんな事が言われています。
●日本政府外務省の竹島解説では、2005年まで、竹島の位置が間違っていた(国土地理院は正確)。
●平成17年の外務大臣国会答弁には「伯耆藩のだれそれが・・・」との説明がなされたことがあり、外務省発行のパンフレットにも同じようにかかれていたが、歴史上「伯耆藩」は存在しない。(最近はさすがに言わなくなったようです。)
●今でも竹島-鬱陵島の距離を92km、竹島-隠岐島を157kmとしているが、片方は島の中心間距離、片方は島の一番近いところと、島の距離の定義がデタラメ。
http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=48668&thread=01r04
1452年の高麗史地理志に鬱陵島の説明として、「一説に言うには、于山と武陵は2つの島で、互いの距離は遠くない、空気が澄み切った日には、望み見る事ができる(一云、于山、武陵、本二島、相距不遠、風日清明、則可望見)」と書かれている。鬱陵島から、空気が澄み切った日に望見できる島は竹島しかないので、于山島とは竹島のことであると、説明される。
ところが、1960年代、日本政府外務省官僚の川上健三氏氏が、鬱陵島から竹島は見えないとの、誤った説を吹聴したことが有ります。計算してみれば、鬱陵島から竹島が見えることは、容易に分ることです。官僚の中には計算が得意な人もいただろうに、川上官僚がなぜ、このような誤説を唱えたのか、謎です。
今だと、Excelを使えば、見たときの大きさも含めて簡単に計算できるので、計算結果を以下にまとめています。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Other/Ullundo/Ullun.htm
川上官僚説は、計算の前提条件の単純な誤り(実際には、鬱陵島には山があるのに、鬱陵島の海岸付近から見えないことをもって、鬱陵島から見えないとしてしまった)でしたが、単純な誤りであることを韓国側から指摘されると、日本の右翼勢力の中には、「見える日はほとんどない」「小さくて見えない」など、いいかげんなことを言い立てる人が現われます。
高麗史地理志は「空気が澄み切った日には望み見る」とあるので、見える日が多くないことは、大昔から分っていることですし、見たときの大きさは、簡単に計算できます。
このような状況に終止符を打つべく行われたのが、今回の写真展示だったのでしょう。川上官僚説が全くの誤りであることは、当時から良く知られていたことなので、写真展示をおこなっても何も変わることがないのですが、改めて、日本の外務省のデタラメさを認識させるものです。
竹島問題を日本政府は真面目に取り組む気が無いのか、川上官僚のデタラメ説以降も、いいかげんな事が言われています。
●日本政府外務省の竹島解説では、2005年まで、竹島の位置が間違っていた(国土地理院は正確)。
●平成17年の外務大臣国会答弁には「伯耆藩のだれそれが・・・」との説明がなされたことがあり、外務省発行のパンフレットにも同じようにかかれていたが、歴史上「伯耆藩」は存在しない。(最近はさすがに言わなくなったようです。)
●今でも竹島-鬱陵島の距離を92km、竹島-隠岐島を157kmとしているが、片方は島の中心間距離、片方は島の一番近いところと、島の距離の定義がデタラメ。
北方領土は日本固有の領土か? ― 2009年06月25日
(掲示板に書いた内容と同じです)
北方領土を「日本固有の領土」と明記した北方領土特措法(北特法)が衆議院を通過し、参議院で審議中です。
これに対して、ロシアでは、かなり反発が広がっているようで、外務省に続き下院でも、「日本との領土交渉は同改正案を撤回することを条件とする」決議声明が全党一致で採択されました。今回は単なる決議ですが、場合によっては、法律になる可能性も有り、そうなると、領土交渉は不可能になります。
でも、どうも良く分らないのは、「固有の領土」はロシア語でどのように言って、どのような意味なのだろう。ロシアの英語では“historic territory of Japan”(RIA Novosti)、“indigenous Japanese territories”(ITAR TASS)となっているそうです。日本外務省は「an integral part of Japan's sovereign territory」と言ったり、「inherent territories」らしい。
日本は、北特法で「固有の領土」を明記したけれど、日本は諸外国に「固有の領土」をどのように説明するのでしょう。島根県のホームページに、下条氏の解説があって『韓国側には竹島を固有の領土として主張する資格がない』『固有の領土とは、これまで外国によって支配されたことのない領土に対して言う』と書かれています。これでは、『朝鮮人の固有の領土など、地球上に1mmもないぞ』と言っているに等しい暴言に感じます。
ワルシャワはポーランド固有の領土か? ロンドンはイギリス固有の領土か? ワシントンはアメリカ固有の領土か? パリはフランス固有の領土か?
このように考えると、日本政府の主張は、世界の共感を全く得られないのではないかと思います。日本は、『固有の領土とは、これまで外国によって支配されたことのない領土に対して言う』を英語で、どのように説明するつもりなのだろう。
英語が得意な人に問題です。
『固有の領土とは、これまで外国によって支配されたことのない領土に対して言う』を、世界の共感を得られるように、英語に翻訳しなさい。
北方領土を「日本固有の領土」と明記した北方領土特措法(北特法)が衆議院を通過し、参議院で審議中です。
これに対して、ロシアでは、かなり反発が広がっているようで、外務省に続き下院でも、「日本との領土交渉は同改正案を撤回することを条件とする」決議声明が全党一致で採択されました。今回は単なる決議ですが、場合によっては、法律になる可能性も有り、そうなると、領土交渉は不可能になります。
でも、どうも良く分らないのは、「固有の領土」はロシア語でどのように言って、どのような意味なのだろう。ロシアの英語では“historic territory of Japan”(RIA Novosti)、“indigenous Japanese territories”(ITAR TASS)となっているそうです。日本外務省は「an integral part of Japan's sovereign territory」と言ったり、「inherent territories」らしい。
日本は、北特法で「固有の領土」を明記したけれど、日本は諸外国に「固有の領土」をどのように説明するのでしょう。島根県のホームページに、下条氏の解説があって『韓国側には竹島を固有の領土として主張する資格がない』『固有の領土とは、これまで外国によって支配されたことのない領土に対して言う』と書かれています。これでは、『朝鮮人の固有の領土など、地球上に1mmもないぞ』と言っているに等しい暴言に感じます。
ワルシャワはポーランド固有の領土か? ロンドンはイギリス固有の領土か? ワシントンはアメリカ固有の領土か? パリはフランス固有の領土か?
このように考えると、日本政府の主張は、世界の共感を全く得られないのではないかと思います。日本は、『固有の領土とは、これまで外国によって支配されたことのない領土に対して言う』を英語で、どのように説明するつもりなのだろう。
英語が得意な人に問題です。
『固有の領土とは、これまで外国によって支配されたことのない領土に対して言う』を、世界の共感を得られるように、英語に翻訳しなさい。
固有の領土って何? ― 2009年06月26日
(掲示板に書いた内容と同じです)
写真は、だいぶ痛みが多いけれど、1940年にLWOWからパレスチナに差し出された葉書。LWOWはウクライナ西部の主要都市で、リビウ、リボブ、ルブフ、レンベルグなどといわれます。
第一次大戦前、LWOWはオーストリアの領土だったけれど、住民の多くはウクライナ人で、ポーランド人も少なく無かった地域です。
第一次大戦後、新生ソ連の弱体化に乗じたピウツキーは、LWOWを含む東ハーリチナに加え、RIVNEまでも占領。ナチスのポーランド侵攻に乗じて、ソ連が占領した地域です。独ソ戦が勃発すると、今度はナチス支配下に置かれました。第二次大戦後に、LWOWはウクライナの領土に纏められました。写真は、ソ連占領時期に使われたもの。
LWOWをポーランドの伝統的な領土と言うならば、そんなものだろうなー、と思うけれど。ウクライナの伝統的な領土と言っても、そんなものだろうと思うなー。「固有の領土」を都合よく理解して、1つの地域が、何カ国もの固有の領土で、良いような気もするのだけれど。
「固有の領土」などと、心情的な言葉を法律に持ち込んで、2国間の対立要因にするのは、感心しない。
写真は、だいぶ痛みが多いけれど、1940年にLWOWからパレスチナに差し出された葉書。LWOWはウクライナ西部の主要都市で、リビウ、リボブ、ルブフ、レンベルグなどといわれます。
第一次大戦前、LWOWはオーストリアの領土だったけれど、住民の多くはウクライナ人で、ポーランド人も少なく無かった地域です。
第一次大戦後、新生ソ連の弱体化に乗じたピウツキーは、LWOWを含む東ハーリチナに加え、RIVNEまでも占領。ナチスのポーランド侵攻に乗じて、ソ連が占領した地域です。独ソ戦が勃発すると、今度はナチス支配下に置かれました。第二次大戦後に、LWOWはウクライナの領土に纏められました。写真は、ソ連占領時期に使われたもの。
LWOWをポーランドの伝統的な領土と言うならば、そんなものだろうなー、と思うけれど。ウクライナの伝統的な領土と言っても、そんなものだろうと思うなー。「固有の領土」を都合よく理解して、1つの地域が、何カ国もの固有の領土で、良いような気もするのだけれど。
「固有の領土」などと、心情的な言葉を法律に持ち込んで、2国間の対立要因にするのは、感心しない。