鳩山由紀夫と安倍晋三(ポツダム宣言・カイロ宣言)2015年05月21日

 
2年ほど前、鳩山元首相が、カイロ宣言を持ち出して、尖閣は日本が盗んだと思われ仕方がないと発言したことがあった。発言の賛否はともかく、鳩山元首相は、カイロ宣言を読んで理解しているのだろう。
 
昨日の党首討論で、共産党志位氏の質問に対して、安倍首相は「ポツダム宣言をつまびらかに読んでいない」と答えている。きっと、カイロ宣言も読んでいないのだろう。無知ぶりを自慢しているようで驚いた。最近のヘイトスピーチの人たちも無知を自慢しているような言動なので、あれと一緒かな。
 
鳩山由紀夫:東京大学工学部卒
安倍晋三:成蹊大学法学部政卒
 成蹊大学って、知り合いに行った人がいないので、どういう大学か良く分からない。

本の紹介-日本軍「慰安婦」制度とは何か2015年05月22日

 
吉見義明/著『日本軍「慰安婦」制度とは何か』 (岩波ブックレット 784) (2010/6)
 
 2007年、アメリカ下院で、日本軍の従軍慰安婦非難決議が採択されたとき、女性作家・桜井よしこ、ポップス作曲家・すぎやまこういち、産経新聞客員編集委員・花岡信昭 等は、「歴史事実実行委員会」名で、アメリカ・ワシントンポスト紙に、決議案反対広告を掲載した。花岡は、元衆議院議長・土井たか子が朝鮮人であるとの虚偽宣伝を吹聴した人物として知られる。
 桜井よしこ等の意見広告は、アメリカで反発を買っただけに終わったため、影響力を持たなかったが、日本の一部右翼勢力の中には、意見広告の内容が真実であるかのような主張が見られた。
 
 本書は、意見広告の内容を検証し、批判するもの。63ページの薄い本ではあるが、「慰安婦」制度が軍によってつくられたこと、および、慰安所の運営に対して軍に責任があることを、様々な史料を用いながら説明している。
 
 日本の右翼勢力は従軍慰安婦の問題を日本軍人が直接拉致したのか否かの問題に矮小化しようとしている。しかし、そもそも、強姦とは強姦場所にどのように連れてきたかの問題ではなくて、望まない性行為を強いたかどうかの問題だ。

教師は聖職か2015年05月25日

 ときどき『教師は聖職』であるとの論を為す人がいる。
 キリスト教の牧師・神父は聖職者と言われるので、日本で聖職と言ったら、さしずめ僧侶だろう。
 
 昨日、親戚の葬儀に参列した。生前、故人は、長きにわたり栃木県で中学校理科教師・小学校教頭・校長等、教育に携わっていた人で、同時に僧侶だった。教師を定年退職した後は、寺の住職となった。
 故人の子息も、中学校理科教師の傍ら僧侶を務めている。僧侶なのだから聖職者に違いないだろう。
 
 僧侶兼教師は聖職者かもしれないが、普通の教師が聖職かと言われると、ちょっと違うような気がする。僧侶は仏教の教えに従って儀式を行ったり、説教をしたりする。科学とは異なり、宗教は教義に疑問を挟むことはなく、単に教えを無批判に教える存在。ところが、理科教師は科学を教えるので、教科書に書いてあることを単に教え込むのではなくて、真実を探求する意欲を起こさせるのが重要な教育のポイントとなる。
 
 聖職=>教えを無批判に教える
 教師=>真実を探求する意欲を起こさせる
 
 このように考えると、教師は聖職者とはだいぶ異なる。教師の役割として、真実を探求する意欲を起こすのではなく、政権の決めたことに無批判に盲従する衆愚国民を作ることが、教師の役割と思っている人には、教師は聖職に違いない。

                 合掌

本の紹介-北千島に眠る「太平丸事件」と朝鮮人強制連行2015年05月26日

 
『北千島に眠る』編集委員会/編 「千島に眠る「太平丸事件」と朝鮮人強制連行」(2002.4)
 
 太平洋戦争末期の1944年7月、軍人・軍属ら総勢2000人余りを乗せた太平丸は、北千島・幌筵島沖で、魚雷攻撃され撃沈した。本書は、強制徴用された朝鮮人軍属の生き残りの証言を中心にこの事件の概要をまとめたもの。全体の死者数は1000人程度で、そのうち少なくとも半数は朝鮮人だった。
 生き残った朝鮮人軍属は、その後、幌筵島の飛行場建設のために、奴隷労働として使役された。当時、北千島では、食糧は豊富で、日本軍人が食糧不足だったことはなかったが、朝鮮人軍属には、満足な食料は与えられず、飢餓状態だった。
 
 本書は、事件を順を追って説明したものではなく、幾つかの解説や新聞記事の切り抜きのコピーなどをまとめたもの。総数80ページのうち、半分が日本語で半分が韓国語であり、内容は少ない。

本の紹介-千島列島の植物2015年05月29日


高橋英樹/著『千島列島の植物』北海道大学出版会 (2015/3)
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千島列島の植物を外来種にいたるまで網羅。植物を科ごとに分類し、学名・分布状況などが詳述されている。千島列島の植物を知る上で、最も重要な文献だろう。本書は、学術書であって一般向け啓蒙書ではないので、植物の絵図はなく、本書を理解するためには、ある程度の予備知識が必要。

本書のメインは千島列島の植物を網羅することであるが、千島列島の植生の解説も詳しい。

 千島の植生は、エトロフ島とウルップ島の間にひかれた「宮部線」が有名だった。択捉島中部・南部の低地はトドマツなどの高木林がみられるが、択捉島高地や択捉島北部以北ではハイマツなどの低木林となる。島ごとに見れば、択捉島とウルップ島で異なることになるので、宮部線は両島の間にひかれたものだった。
 ウルップ島・シムシル島を隔てるブッソル海峡は、水深2000mを超え、オホーツク海から太平洋に流出する強い海流がある。本書の植生解説によれば、ロシア人研究者バルコフ等は、1,400種あまりの維管束植物分布を詳細に検討した結果、ブッソル線に千島の主要な植生分界があることを報告した。また、バルコフ等の研究では、択捉島中南部と択捉島北部の間に植生分界が引かれている。

 政府系機関である「独立行政法人 北方領土問題対策協会」の解説には、『北方領土の島々は、北海道本島の動植物の分布と全く同じで、得撫島より北の千島列島のものとは違いがあります』と書かれている。
http://www.hoppou.go.jp/gakushu/outline/islands/island2/ (2015.5.29閲覧)
 北方領土が北千島と違うことを強調したいあまりに、明治時代の不十分な知識を振りかざすまえに、天下り官僚たちは、本書を読んで千島列島の植生を多少理解してほしいものだ。

日光戦場ヶ原2015年05月31日

2015/5/30 日光戦場ヶ原
  
千手ヶ浜のクリンソウが見ごろです。5分咲きぐらい。もう少し咲いたほうが良いかな。
  
  
戦場ヶ原ではズミが満開でした。
  
  
赤沼でバス待ちをしていたら、脱皮直後のセミがいました。戦場ヶ原はハルゼミ・エゾハルゼミの大合唱です。
    
  
テントウムシ。
  
  
戦場ヶ原は、枯れ草に覆われている感じで、緑が少ない。この時期、例年は緑に覆われているはずなのだけど。  
  
  
ワタスゲも見ごろのはずだけれど、枯れ草の薄茶色と重なって、見栄えが悪い。
  
  
帰りに、日光市内で、山椒の佃煮と綿半の羊羹を買いました。


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