本-アイヌ語地名と日本列島人が来た道 ― 2021年02月03日

筒井功/著『アイヌ語地名と日本列島人が来た道』河出書房新社 (2017/10)
秋田県以北にはアイヌ語由来の地名が多いが、山形県以南になるとアイヌ語由来の地名は急激に少なくなる。東北東部では、その境界は明白ではない。著者はこの事実を実証的に明らかにしている。この事実から、東北以南でアイヌ語由来の可能性がある地名について、こじつけであると結論している。また「朝鮮語由来の地名はめったにない」、「アイヌと沖縄人は全く別の集団である」としているが、これらの結論は単なるこじつけの感がある。アイヌ語と思える地名が孤立してある場合、そこに一部移住したアイヌの集落があった可能性もあるので、孤立していることを以て、アイヌ語由来でないと結論付けることはできないだろう。また、群馬県甘楽郡は渡来人が多かったので、朝鮮語由来と考えるのが普通だろう。
「東北北部以北にはアイヌ語由来と思える地名が多い」「東北南部以南はアイヌ語由来と思える地名は少ない」。
この結論以外に、本書に興味はなかった。
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