麻生・メドベージェフ会談2009年07月10日

 7月9日、サミットで、麻生・メドベージェフ会談が行われました。当然のことですが、北方領土問題では、全く進展なし。サミットを前に、麻生が「不法占拠」発言をしたり、「固有の領土」を明記した法律が可決されたりと、日本側で、会談に水を指すような動きが顕著だったためです。

鈴木宗男代議士は、ビザなし交流で国後・択捉を訪れているそうです。
http://www.muneo.gr.jp/html/diary200907.html 
冷戦時代の頭作りで事態が推移していくなら、もう日本の出番はなくなる。振り返ったら中国、韓国の企業が進出し、日本の出る幕はありません、では、何も得られるものはない。
 外交は政府間の交渉でしっかりやり、それ以外の、例えば文化の面では、北方四島の先住民族であるアイヌ民族の歴史的位置づけを、経済面では、日ロの協力、連携を重層的に考え、進めていくことが大事ではないか。
 (ムネオ日記、2009/7/9)
 北方領土問題へのアプローチは、これしかないでしょう。
 アッ、北方領土返還運動で、国の金をチョロマカソウと目論んでいる人は別です。国の補助金を貰うのって、最初はそれなりに大変だけど、美味しいんですよ。(この点についてお尋ねがあっても、職業上の秘密に関ることなので、お答えできませんのでご了解ください。)

ウイグル暴動収束したようです2009年07月12日

ウイグル料理

 埼玉大学のそばにあるウイグル料理屋で食事しました。写真は肉パイ。ギョウザ・マトンと野菜の炒め物・肉パイ・シシカバブなどを食べました。本当は、ピラフのようなものを食べたかったのだけど、開店時間の正午に行ったら、ご飯が炊けていないので1時間ぐらいかかるといわれて、やめました。料理もなかなか出てこないけれど、日本と違って、時間がゆっくり過ぎてゆくようです。でもね、ピラフみたいなのって、一番人気メニューなんだけど。

ウイグル料理食べながら、ウイグル暴動の引き金を考えました。2009年07月13日

埼玉大学のそばにあるウイグル料理屋で食事しました。写真はシシカバブ。1本180円です。
 この店、11時開店だと思っていたら(以前はそうでした)12時開店に変わっていた。開店直後に入ったら、これからご飯を炊くので、ご飯物は1時間ほど待って欲しいとのこと。やる気有るのかなー。

 今回、中国・新疆ウイグル自治区で民衆暴動が起こりました。これまでの暴動は、少数民族が一方的に漢民族を襲うものだったのに対して、今回は漢人も棍棒・鉄パイプなどで武装しているそうです。

 騒乱の引き金は、香港の資本主義・漢民族の文化・ウイグル族の労働観念、この3つの衝突があるのではないだろうか、そんな気がします。

 報道で伝えられているきっかけは、次のようになると思います。
 広東に、香港資本の玩具工場があって、そこには多くの漢人と若干のウイグル人労働者がいた。玩具工場は労働意欲の高い漢人と、生産力の低いウイグルが、共同で作業に当たっていたが、宿舎は、別々だった。労働生産性は違うけれど、賃金の格差はなかった。玩具工場は輸出不振で、一部従業員を解雇する必要が生じたものの、政府の少数民族優遇策のため、無能なウイグルを解雇できずに、代わりに、漢人の中の一番無能な何人かを解雇した。解雇に怒った漢人は、インターネットに「ウイグル人が漢人女性従業員を強姦した」とのデマ情報を書き込んだ。日ごろからウイグルを恐れていた漢人は、書き込みを事実と思い込み、ウイグルと漢人が衝突した。
 この衝突をきっかけに、ウイグルは大規模違法デモを仕掛けた。警察が違法デモの中止を命令すると、ウイグルたちは、商店を襲撃・略奪・暴徒化した。 
 ただし、ウイグル暴動は収束したようです

イスラム:
 日本には、イスラム教少数民族は無いけれど。もし仮に、職場にイスラム教徒がいて、彼の信仰を尊重する義務が有ったらと思うと、やる気の無いイスラム教徒はお断りです。ラマダンしたり、礼拝したり、そういうことは、個人の宗教の問題だけれど。勤務時間外は仕事しません・勤務時間内も宗教儀式のため仕事しません、では、職場が成立しない。 

民族問題:
 民族問題の解決方法は、極端に言えば、2つあります。1つは、民族重視政策。もう一つは、民族無視政策。
 民族重視政策では、特定の地域を民族自治区として、外交・防衛以外の広範な自治を認める代わりに、域内外との移動に制限をかける。能力・意欲・道徳が低い民族の場合、自治区の発展が遅れるため、一定の援助が必要になるけれど、そうすると、ますます、遅れた地域になってしまう。一部能力のある人も、裕福になることが出来ないので、不満が鬱積します。
 民族無視政策は、民族の垣根を取り除いて、国民として平等として扱うものです。国民たる要件は法律で形式に定める。最近は、ほとんどの国で、国内で生まれたことを国民の要件に定めています。教育・職業等一切の場面で、国民は原則として平等です。能力・意欲・道徳が総じて低い民族の場合、能力のある一部の人だけが裕福になって、多くの人は、極貧にあえぐことになり、不満が鬱積します。
 今回のウイグル暴動では、香港資本主義を批判する論調は全く有りません。資本主義は民族無視政策なので、今回の一連の報道を見る限りでは、中国は民族無視政策に大きく舵を切っている事がうかがえます。ただし、報道を見る限り、暴動鎮圧が手ぬるい、北京は、何を、もたついたのだろう。

デモの自由:
 在日ウイグル団体が、中国にはデモの自由も無いようなことを言っていました。彼らは、よほど知識が無いのだろうかと驚いたのですが、単にウソツキのようです。
 昨日、ウイグル団体が、在日中国大使館に抗議して、デモを行ったとのニュースがありました。彼らが、日本にはデモの自由があると勘違いして、無届デモをしたら、逮捕・強制送還になるところです。幸い、そのようなことは無かったから、在日ウイグル団体も、日本でデモをする場合は、中国同様、公安当局の許可が必要であることを知っているようです。

ウイグル暴動は終わったようです2009年07月15日

今回のウイグル暴動で、中国を非難する国はあまり多くないようです。中国の内政問題、あるいは、住民自治の問題なので、外国が口を出すべき問題ではないのでしょう。

ウイグル暴動の経緯について、産経新聞が『そのとき何が…「計画的」か「偶発的」か』とのタイトルで記事を書いています。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090714/chn0907141943006-n2.htm
産経新聞の記事は不正確なことが良くあるので、書かれた事をそのまま鵜呑みに出来ないのですが、一応正確な記事だと思って、今回のウイグル暴動を考えてみます。

産経新聞の記事に以下の証言が記載されています。
①『ウイグル族の若い女性によると、5日午後、携帯メールに「合法的に政府に抗議しよう」とするメッセージが入り、友人の何人かは、「お祭り気分で」出かけたという。』
②『人民広場近くでデモを見かけたという漢族の女性店員は、「最初は静かなデモだったがウイグル族が興奮して窓ガラスを割り、暴力をふるい始めたので、あわてて逃げた」と話した。』
③『解放南路で会ったウイグル族の男性は、・・・「平和的なデモだったのに突然、武装部隊が現れてウイグル族めがけて銃撃し始めたため、怒りが爆発した」との“目撃談”を語った。デモ隊は人民広場から解放南路を南下するうちに、周辺のウイグル族住民らを次々と巻き込んで雪だるま式に規模が膨らみ、やがて暴徒化したようだ。』
①の記述から、ウイグル族の多くは無届デモが合法であるかのような誤った考えを持っていること、法律知識の無いウイグル族の無知に付け込んだ、煽動メールがウイグル族の間に飛び交っていたことが分ります。
注)日本でも、無届デモは違法です。参考のため、東京都公安条例を記します。
第1条(集会等の許可制) 道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は場所のいかんを問わず集団示威運動を行おうとするときは、東京都公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。 (以下省略)
②の記述からは、ウイグル族のデモは次第に暴力犯罪に移行したことが分ります。ただし、この証言だけからは、ウイグル族が元々暴力犯罪を起こしやすい民族であるために暴力犯罪に走ったのか、ウイグルの組織の中に暴力犯罪を煽動したものがいたのか、どうか、分りません。

③の記述からは、ウイグル族は警察の制止を無視して違法デモをを続けたことがうかがえます。日本でも、違法デモを警察の制止を無視して続けた場合は、警察が発砲することは正当な職務行為なので、中国でも事情は日本と同じだと思います。

 私は、ウイグル族に知合いはいないので良く分らないのですが、ウイグル族は順法意識が低い民族であることを見越して、犯罪を誘発させるためのデモを組織した勢力があったのか、それとも、デモを煽動して暴動に導いた勢力があったのか、あるいは、そんなことが無くても、自然に暴動・略奪に走りやすい民族なのか。いずれにしても、ウイグル族の暴動は、破壊行為を伴うものだったため、多くの商店に損害を与えました。これが日本だったら、デモ参加者は、連帯して損害賠償責任が生じる可能性があるけれど、中国ではどうなるのでしょう。

トムラウシ遭難考(1)2009年07月21日

先日、北海道大雪山系トムラウシ山で、18人パーティーのうち8人が凍死する痛ましい事故がありました。なぜ、このようなことになるのか、不思議です。ツアー登山に内在している問題というべきなのか、年寄りの身勝手な自己中心的性格というべきなのか、そういうことが、事故を拡大した問題の根底に有るように思います。
このツアーに参加して自力で下山した広島市の亀田通行さんは当時の状況について、16日の早朝に全員が避難小屋を出発してから数時間たったあと、吹きさらしの中で待たされたと証言しました。この中で、亀田さんは「ガイドからの指示がないので、少なくとも小1時間ぐらい耐えていた。そこで震えが始まり、体温低下が始まった」と話しています。また、ほかの複数の登山者も警察の事情聴取に対し「1時間ぐらい待たされ、体力を消耗した。いっしょにいたガイドが何も言わなかったため、みずから下山を促した」と説明しているということです。(7月20日、NHKニュース)
 ちょっと驚くべき証言です。普通の登山パーティーだったならば、生命の危険な人が出たら、リーダーが全員に仕事を指図して、全員が一団となって危機を乗り切ろうとするでしょう。ボーっと突っ立っている人など考えられない。ところが、このパーティーは、ガイドが人命救助に必死になっているとき、メンバーは何もしないで、ただ、寒さで体温が低下するのに任せていた。ガイドから指示が無ければ、何か手伝うことが有るのかを聞くなり、何か出来ただろうに。最低でも、自分が冷えないように、防寒ぐらいするのは、当たり前ではないか。
 『ガイドは、俺の面倒を見ないで、生命の危機に立たされている人を介護しているのはけしからん。人の命よりもオレが快適な旅をすることが大切だ、チクショー!』とでも、怒鳴っているような、そんな印象を受けます。

もっと分らないのは、客の一人で、最後に自力下山した戸田新介氏の証言です。 
1時間半が過ぎた。戸田さんはその場にいた別のガイドに「どうするんだ。様子を見てきてくれ」と頼んだ。しかし、さらに10分が過ぎても何の反応もない。我慢出来なくなった戸田さんは大声で叫んだ。「この事態をどうするんだ。遭難だと認めて救援を要請しろ」すると、北沼付近にいたガイドが戻って来た。「歩ける人は、先に下りてもらえますか」。救援要請は聞き入れられず、違うガイドが先導して先を進むことになった。 (7月20日、朝日新聞)
 「どうするんだ。様子を見てきてくれ」とは、一体何事だ!自分で走ってみてくれば良いのに。戸田新介氏は、何から何まで、ガイド任せにしようとするのは、なぜなのだろう。緊急事態に、自分が何かできれば、手伝えば良いのに。さらに、警察に救援要請をすべきと思うのならば、自分で、警察に状況報告程度のことはすれば良いのに。警察が嫌いならば、ツアー会社に連絡するとか、できることはいくらでも有っただろうに。

 そもそも、携帯電話が使える状態だったのだろうか。この点が大いに疑問です。 
パーティーのツアー客5人が悪天候や疲労で歩行困難となった山頂付近では同行したガイドらの携帯電話が通じる状態だったにもかかわらず、救助要請がないままツアーが続行されていたことが北海道警への取材でわかった。(7月19日、朝日新聞)
 この記事が事実ならば、登山客の誰も、警察に連絡していないということが不思議でなりません。
 山では、携帯電話が通じないことが多く、通じたとしても、尾根の上に出て、思い切り手を伸ばすと、途切れ途切れに通じることがある場合も珍しくありません。遭難でビバークする場合は、なるべく風が当たらない窪地を選ぶので、そういうところは携帯が通じない可能性が高く、ガイドは、ビバークが完了した後に、あたりをさまよい歩いて、何とか連絡をつける場所を探したのではないだろうか。
 登山時の携帯電話の経験と、朝日新聞の記事が異なっているので、不思議です。


 以下は、7月17日に掲示板に書いた記事です。
 ニュース報道によると、大雪山系トムラウシ付近で、18人のパーティーの遭難があったようです。幸い天候も回復し、ヘリを使った大掛かりな救助活動が行われたので…。・・・は何を書けば良いのか、理解に苦しむ遭難です。
 普通、パーティーが遭難すると、全員の生命の安全を考えて、適当な場所を探してそこに停滞(ビバーク)、さらに、救助を求めるために、体力のある何名かが、下山を強行します。ニュースを見ていると、深夜に何名かが下山してきたので、これで全員が停滞している場所が分ったから、あとは救助隊が出動して、遭難騒ぎは終わりだろうと思いました。ところが、おかしなことに、下山した人は、救助隊との緊急連絡におわれるでもなく、さらに、数人が別に下山してきました。何のために下山したの? それに、危険な深夜に、なぜ、バラバラになって下山するの?
   伝えられているところによると、行動途中に、歩けなくなった人が出たら、ガイド1人とともにそこに残して、他のものはそのまま行動。このくりかえしで3人のガイドがいなくなると、他のものは、歩けなくなったものを残して、先に進む。人命よりも、ツアー寛遂を優先しているような不思議な登山です。今後、詳細が明らかになると思いますが、多数の死者を出しながら、生存者が、三々五々、下山してくるのが不思議でなりません。
 ガイドとツアー客とはどのような関係にあるのでしょう。ガイドが意志決定権・命令権を持っているのか、顧客なのか。このあたりが不明確なので、非常時の対応が後手に回るような感じがして、この手のツアーは好きでは有りません。


追記(2009/8/16):
Blogの当初記述では朝日新聞の報道に基づいて書きましたが、戸田 新介様より、『7.20朝日の記事は誤報です。「様子を見てきてくれ」とは言っていません。』とのコメントをいただきました。9番目のコメントです。
 朝日新聞の誤報だとすると、Blogの当初記述『「どうするんだ。様子を見てきてくれ」とは、一体何事だ!自分で走ってみてくれば良いのに。』は、まったく根拠がありません。朝日新聞の誤報ならば訂正します。

トムラウシ遭難考(2)2009年07月21日

東京新聞の記事によると、
 『一部の参加者が身動きできなくなるなど遭難状態になってもガイドが救助要請せず、1時間半もの間、山頂付近で風雨にさらされていたことが分かった。…携帯電話は圏外で、救助を求めるには避難小屋まで引き返すか、誰かが下山する必要がある。しかし、ガイドは参加者たちにその場でしゃがみ、待つことだけを指示。雨ざらし吹きさらしの岩場で下着までずぶぬれとなったが、ガイドは「様子を見ている」と話し、天候回復を待っている様子だったという。(東京新聞2009.7.21)』

 『携帯電話は圏外で、通話できなかった』これは、重要な事実です。

 こういうとき救助を求めるためには、体力がある者が走って下山し、連絡する必要があります。しかし、ガイドの一人は、北沼北部で動けなくなった登山者に付き添っている、もう一人のガイドは北沼南部で動けなくなった登山者に付き添っている、残るガイドは一人。彼は、歩ける登山客10人を引率しなくてはならない。北沼南部で動けなくなった登山者の回復を待つか、歩ける登山者だけでパーティーを組ませ、ガイドは救援のために走って下山するか。ガイドは最初は登山者の回復を待ったけれど、それが無理と判断して、下山を決めたのでしょう。

 ガイドには、大きな誤りがあります。客に指示命令して、北沼北部にビバークした2人を北沼南部につれてこなかったことが1点。行動できない女性客は、健康な客が担いで運ぶことを、客に命令し、従わせるべきでした。(ただし、動かせる状態に無いと判断したならば、ガイドの行為は正当です。)
 さらに、下山する登山客に、漫然と付き添ったこと。他の登山客だけで、即席パーティーを組ませ、リーダーを決めて、責任ある行動を取るように指示命令すべきでした。そして、自分は走って下山し緊急連絡をすべきでした。あるいは、体力のある客に、危険を承知の上で走って下山し、緊急連絡するように指図すべきでした。あるいは、登山客全員を、その場に留め置いて、ビバークさせるべきでした。

 山岳遭難は非常事態なので、リーダーがメンバーに指示命令し、メンバーは、命令に従わないといけないのに。でもね、30そこそこの若造が、60過ぎの祖父さん顧客に、命令できるかなー。命令に従うかなー。無理だろうなー。で、結局、こういうパーティーは、非常時に大量遭難する宿命なのかなー。だったら、法規制でもしないといけないのに、今は、野放しになっています。


 分らないことが有ります。おそらく、東京新聞がいいかげんな事を書いているのか、証言者がウソを言っているのかどちらかだと思います。『雨ざらし吹きさらしの岩場で下着までずぶぬれとなった』とあります。私の持っている、ゴアテックスの雨具が、風雨に負けて、下着までずぶぬれとなることは、ちょっと考えられません。下着までずぶぬれとなるような粗悪品を大雪山系の登山者が持つとは思えません。もし、東京新聞の記事が正しいとしたら、登山客は、常軌を逸したむちゃくちゃな装備だったのか。まさか、そんなこと無いでしょう。

 もう一つ分らないことが有ります。『救助を求めるには避難小屋まで引き返すか』とありますが、避難小屋から電話は通じたのだろうか。地形を見ると、ちょっと無理のようです。

 さらに分らないことが有ります。新聞記事には『雨ざらし吹きさらしの岩場で』と書かれていますが、全員が固まって、体力の弱い人を輪の中に入れて、体力消耗を防ぐことは、しなかったのだろうか。

トムラウシ遭難考(3)2009年07月22日

 先日、北海道大雪山系トムラウシ山で、18人パーティーのうち8人が凍死する痛ましい事故がありました。このパーティーは危機に直面したときに、全員が人命救助を優先させようとしたのか、疑問です。
 北沼北側で女性客一人が動けなくなり、ガイド一人が付き添ってビバークした。その後、客3人が動けなくなり、客一人(野首氏)とガイド一人が3人の世話をした。このとき、他の人たちはどうしたのだろう。新聞報道では、客の一人、愛知県清須市の戸田新介氏(65)の証言がいくつか伝えられています。
戸田氏:「救助要請をしないといけない。このままでは体力を奪われて凍死するぞ」(東京新聞7/21)
戸田氏:「遭難だと認めて救援を要請しろ」(7月20日朝日新聞)
戸田氏:「ガイド1人が付き添って下山を始めたが、ペースが速すぎてちりぢりになってしまった」(毎日新聞7/17)
さらに「携帯電話は圏外で、救助を求めるには避難小屋まで引き返すか、誰かが下山する必要がある(東京新聞7/21)」と伝えられています。
 戸田氏は、「救援を要請しろ」と強く求めていますが、救援要請するためには、ガイドのうち一人が大急ぎで下山する必要があります。ところが、戸田氏は、ガイド一人が付き添って下山を開始したときのガイドのペースが速いと不満を言っているように感じます。ガイド一人が大急ぎで下山して救助を求め、さらにガイドが全員に付き添って遅いペースで歩くことを期待しているということは、要するに、ガイドが2人必要になります。ところが、2人のガイドのうち、1人は動けなくなった3人に付き添っていたので、行動できるガイドは1人しかいない。もし、戸田氏の主張を実現しようとするならば、動けなくなった3人を見殺しにする必要がある。
 伝えられている情報は断片的で必ずしも良く分りませんが、これらの情報を総合すると、戸田氏の主張は「俺達のために3人を見殺しにしろ」、となります。ちょっと信じがたいことですが、報道されていることが事実ならば、そうなってしまい、ちょっと理解できません。まさか、携帯電話が通じるかどうかを確認することもしないで、無理難題を押し付けようとギャーギャーわめいて、救援活動を妨害していたわけは無いですよね。いくらなんでも、そこまでひどい人はいないでしょう。

 動ける登山客と行動をともにして下山したガイドは、遅い客を見失い、一旦戻って、うろうろした後、途中電波が通じるところで、警察に救援要請したようです(詳細不明)。登山の常識から言えば、このような場合は、リーダーとサブリーダーを決めて、遭難救助要請はサブリーダー、全員の安全管理はリーダーの役目になります。一人のガイドが二役をしたのは、非常にまずい対応です。これが被害を拡大した原因の1つでしょう。若造のガイドには、ジイサン顧客の要求を突っぱねることが出来なかったのかなー。顧客の要求を毅然と突っぱねる教育をしていたのだろうか?

 
 登山客たちは、危機に直面したとき、どのような行動を取ったのだろう。具合の悪くなった3人の客を必死になって救助した人がいたことは確かなようです。
 でも、中には、「ガイドの責任だ」と叫んでいた人もいたかなー。責任の所在がどこにあるのかを追求するのは、下山して安全が確保された後のことです。危機に瀕しているときに、責任云々を主張することは「平和ボケ」「安全ボケ」で、こういうのがパーティーにいると、被害を一層拡大します。(この段は、一般論を書いているもので、今回のトムラウシ遭難の話ではありません。)


今回の遭難の報道を見ると、登山客はガイドに頼りきりの態度だったようにも感じますが、ツアー登山でも、他の登山と同様に、安全は自己責任であることが基本です。登山中の事故に関る費用は、通常、本人の負担となります。たとえば、次のような契約事項が有ります。
登山(ハイキング)ツアーにおいては、登山中のご本人の事故(疾病も)および別行動中の事故(疾病も)があった場合で、その捜査・救護等における一切の費用は、ご本人(またはご家族)の負担となります。(アルプスエンタープライズの登山ツアーの説明書)

トムラウシ遭難考 朝日新聞の記事に疑問2009年07月23日

朝日新聞の記事から
①パーティーのツアー客5人が悪天候や疲労で歩行困難となった山頂付近では同行したガイドらの携帯電話が通じる状態だったにもかかわらず、救助要請がないままツアーが続行されていたことが北海道警への取材でわかった(2009年7月19日)
②凍死したツアー客7人全員が、防寒、防水機能が低いウインドブレーカーなどの軽装だったことが道警への取材でわかった。
18人はみなフリース素材の服の上からカッパやウインドブレーカーなどの上着を着ていたが、死亡した客7人の上着は夏用とみられる生地で、発見時、雨がしみ込み、中がぬれていたという。(2009年7月23日)

①について
 携帯電話が通じる状態だったのかどうか、これは、今回の遭難を考える上できわめて重要なポイントです。東京新聞は「携帯電話は圏外で、救助を求めるには避難小屋まで引き返すか、誰かが下山する必要がある(東京新聞7/21)」と書いており、さらに、毎日新聞の7月23日記事でも、5合目付近の前トム平で携帯電話は通じるようになったと書かれており、こちらも山頂付近では携帯電話は通じなかったように記されています。
 山では、携帯電話が通じないことが多く、通じたとしても、尾根の上に出て、思い切り手を伸ばすと、途切れ途切れに通じることがある場合も珍しくありません。遭難でビバークする場合は、なるべく風が当たらない窪地を選ぶので、そういうところは携帯が通じない可能性が高いものです。

②について
『凍死したツアー客7人全員が、防寒、防水機能が低いウインドブレーカーなどの軽装だったことが道警への取材でわかった』と書かれています。ウインドブレーカーとは、風除けのことで、雨具ではないので、雨はしみこみます。登山ツアーでは雨具を携行することはツアー参加者の義務なのに、一部の不良参加者が、雨具を持っていなかったという意味だろうか。それとも、たいした雨ではなかったので、雨具をつけていなかった登山者がいたとの意味だろうか。もし、雨の中を雨具をつけなかったため、濡れて遭難したのならば、登山者自身の責任は非常に大きいものが有ります。ウインドブレーカーとレインウエアは見た目そっくりなので、雨具のフリをされたら、ガイドが見抜くのは困難です。しかし、大雪山系で、雨具を持たずに登山する人がいるのかなー。ちょっと信じがたいことです。朝日新聞が、いいかげんな事を書いているのではないだろうか。

それから、『発見時、雨がしみ込み、中がぬれていた』ともあります。ウインドブレーカーは、雨がしみ込みますが、今時の登山用品のレインウエアーで、中がぬれるほど、しみこむことはちょっと考えられません。100円ショップで買った、簡易カッパの人がいたのかなー。それはないですよね。死亡して地面に横たわっているときに隙間から水が入り込んで中が濡れたのならば理解できます。

どうも、朝日新聞の記事は、登山の常識と異なり、理解できません。

トムラウシ遭難考(4)2009年07月27日

7月16日、北海道大雪山系トムラウシ山で、18人パーティーのうち8人が凍死する痛ましい事故がありました。このパーティーは危機に直面したときに、全員が人命救助を優先させようとしたのか、疑問です。
 新聞やTV放送では、遭難事件の一般的概要は、ある程度明らかになってきていますが、登山に参考になるような詳しいことは、必ずしも十分に報道されていません。今後、登山雑誌等で、遭難のもう少し詳しい状況が明らかにされることを期待します。

 当日の気象状況は、朝は雨だったけれど、寒冷前線が正午頃抜けて、午後からは天気が回復することが予想されていた。このような気象条件は珍しいことではないので、転落等の危険箇所が無い山域ならば、多くの人は出発するでしょう。私ならば、確実に出発します。

 ヒサゴ沼避難小屋を出発した一行は、平坦・やや登りの道を歩いて、ロックガーデンに到着。ここは、道は登りで悪路なので、雨のとき大変でしょう。靴がずぶぬれになるかも知れないけれど、しっかりした登山用雨具ならば、膝上がぬれるようなことは無いでしょう。
 ロックガーデンを抜けると、比較的平坦な道が30分ほど続いて、北沼分岐に到達しますが、この間、一行の健康状態がどうだったのか、報道では伝えられていません。ガイドの判断が適切だったか、この区間が最重要な気がします。

 北沼分岐あたりで、北沼から水が溢れ出し、道が川のようになっていて、渡渉が大変だったとの証言が有ります。ただし、川に流されたとか、そういうことは無いので、ガイドの渡渉サポートは十分だったと推定します。渡渉で、膝まで濡れたのか、腰まで濡れたのか、この点が重要ですが、報道では分りません。ただし、普通に渡渉しているようなので、腰まで濡れるような水量とは思えませんが、ひょっとしたら、水中で転倒して、ずぶぬれになった人がいるのかもしれない。

 渡渉直後に女性一人が行動不能になり、ガイド1人とともにビバーク。さらに、少し歩いた地点で、女性3人が行動不能となる。
 新聞によると、死亡した人は、下着までぐっしょり濡れていたとの情報が有ります。ちょっと信じられないけれど、もしそうだとしたならば、ビバーク時点で、濡れた下着を脱ぐ必要があった。特に、コットンの下着が濡れた場合は、脱がないと危険です。ウールのセーターとコットンの下着を着ていた場合は、ウールのセーターを強く絞った後、直接ウールを着ると、体温低下が防げます。
 ガイドは具合の悪くなった女性の下着をすべて脱がせることができるだろうか? 同行者の中に、女性客がいたことは確かです。下着が濡れていないか確認してあげなかったのだろうか?下着を脱がせてあげようとしたのだろうか?(下着が濡れることなど、想定の範囲外かもしれない。)

 まともな登山用のレインウエアーで、下着までぐっしょり濡れることってあるのかなー。渡渉中転倒して水没したか、山をなめきった人が粗悪な雨具を着ていたか、袖口をしっかり止めない等ずさんな着方をして、開口部から雨が侵入したか。私の持っているゴアテックスのレインウエアーは、半日ぐらい風雨にさらされた程度で、雨水が浸透することなどありません。昔、使っていたハイパロンのレインウエアーだって、水が浸透することなど決してなかった。もっとも、ハイパロンは汗を通さないので、汗でぐっしょり濡れて、不快極まりなかった。

 合計4人の登山客の様態が悪くなったとき、1人の登山客(男性)は、ビバーク作業を手伝い、他の10人は、手伝うことも無く、吹きさらしの中で、突っ立って、付き添いのガイドに、ああしろ、こうしろと文句を言っていたようです。特に、戸田氏は、携帯電話が通じないにもかかわらず、『救助要請しろ』と同行ガイドを怒鳴りつけていたことが、本人の証言で明らかになっています。(ガイドに言ったのではなくて、全員に大声を上げて主張したのだとの話も有ります。)
 手伝うことも無くじっとしていた登山者が業を煮やして来たので、同行ガイド1名で、下山することを決断。同行ガイドは、戸田氏に怒鳴られたと感じたためか、救援要請を急いだので、一行はチリジリになってしまう。そして、16時ごろ、携帯電話が通じて、警察に緊急連絡をしました。しかし、下山チームのガイドは、相当に体力を使い果たしたらしく、倒れそうになっていた。ガイドとともに行動していた女性登山客は、倒れそうなガイドに記念写真を撮れと要求し、ガイドは無理と断ったとの話があります。(本当かなー、救助要請しているパーティーが記念写真を撮ろうとしていたならば、言語道断です。) さらに、男性登山客がガイドを追い抜いたとき、ガイドはロレツが回らない状態だったので、この登山客は、そのまま下山したのだそうです。ガイドは、翌日、死にそうな状態でハイマツにもぐりこんでいるのを、他の登山者に救助されて、一命を取り留めました。

 報道で、伝えられていることをまとめると、以上のようになります。私も、登山することがありますが、報道されている、今回の遭難の登山客のような態度は、絶対に取れません。

 ところで、最近、中高年登山者が安易に救助隊の出動を求めることが問題になっています。『歩いていて疲れたから、警察はヘリを出して救助しろ』『つかれて大変だから、命がけで救助に来い』と言われたら、たまったものではない。
 登山者の常識として、パーティーに遭難者が出たら、全員で必死になって救助し、それでもダメならば救助隊に救助を求めることは、最低のモラルです。ところが、今回の遭難では、戸田氏は、自分では何もせずに、ただ『救助を要請しろ』と怒鳴っていたと、本人は自慢そうに報道陣に語っているようです。救助隊の費用は、結局国民の税金。
 新聞報道がすべて真実でないので戸田氏の言動を含め、詳しいことは不明ですが、本当のところは、どうなのでしょう。もし、ご存知の方、いらっしゃいましたら、教えてください。

注:この記事は報道で伝えられていることを元に書きました。報道がすべて事実であるとは思えません。(相互に矛盾するものもあるし、記者に登山知識が無いままに書いていると思えるような記事もあります。)
 このため、私の記述が大きく誤っている可能性もあります。

注:北沼分岐あたりに出来ていた川は、幅2m、深さ30cmほどだったとのことです。転倒さえしなければ、容易に渡りきれる川です。(2009.9.10)

トムラウシ遭難考(5)2009年07月29日

7月16日、北海道大雪山系トムラウシ山で、18人パーティーのうち8人が凍死する痛ましい事故がありました。情報が乏しい中、登山客の行動を中心に、思うところを書いてきました。

ガイドの対応について、いろいろと批判がありますが、ガイドの証言が伝えられていないので、ガイドの対応の適否については、ほとんど判断できません。

以下、ガイドの対応の適否の判断ができないことを承知の上で、あえて考えてみたいと思います。

①避難小屋を出発したことは適切だったか
 登山は安全の上にも安全を図るベキとの意見があります。スローガンとしては、そうだけれど、実際には、登山に危険は付きまとうので、安全を最大限に図るならば「登山はすべきではい」との結論になり、今回の遭難の検証には無意味な議論です。
 別の避難小屋に宿泊していた、他のツアー登山では、エスケープルートで下山したパーティーも有ります。これと比較して、適切ではないとの議論が有りますが、トムラウシではエスケープルートが無いのだから、今回の遭難の検証には無意味な議論です。
 避難小屋に停滞すべきだったかどうか、これは意見が分かれるところでしょう。でも、日本では、雨は普通に降るので、雨を理由に停滞すると、幾日も避難小屋に停滞することになります。縦走の場合、一般には、通常の風雨で出発することは、普通のことです。
 小屋を出発する時間を30分延期したとのことですが、これは、その間に身支度を整えるためです。登山の経験があるものならば、この時間に、ウエアーやパッキングを点検しますが、すべてあなた任せのツアー登山客は、そのようなことに思い至らなかったのかも知れない。山小屋でも、ほかの人が身支度を点検している重要な時間、オバチャンたちがベチャクチャしゃべっていることは珍しいことでは有りません。

②行動不能者が出る以前に対処できなかったのか
 この点が、一番重要です。おそらく、リーダーには大きな判断ミスがあったものと思われます。ただし、このときのリーダーは、死亡したガイドのようなので、判断の適否を検証することは難しい。3人のガイドの一人は先頭で道案内をする役目、もう一人は荷物運びの役目だったようなので、メンバーの状態を把握する立場には無かったでしょう。
 また、具合の悪くなった登山客は、早めにリーダーにそのことを伝えなかったのだろうか。この点も不思議ですが、死亡したので、検証は難しいでしょう。

③登山客が倒れた場所が2箇所になった問題
 比較的近い場所、2箇所にビバークすることになりました。救助の点で、ものすごくまずい対応です。一箇所にまとめるべきでした。
 でも、3人のガイドの力だけで、一箇所にまとめることは到底不可能です。他の登山客は手伝わなかったのか。山を愛するものの一人として、悲しくなります。

④行動可能な登山客10人を1時間留め置いたこと
 被害を拡大した主要な原因です。登山客たちは寒い中、衣服を余分に着ることも無く、寒さに震えて突っ立ていたのが、不思議です。幼稚園児ではないのだから、服を着なさいとガイドが指示しなくても、ガイドに落ち度は無いでしょう。「ゆっくりでも歩かせるべきだった」との指摘もあります。でもね、いい年した大人なのだから、じっとして冷えて困るのならば、ラジオ体操するなり何でも出来たはず。痴呆老人のパーティーではなかったはずです。

⑤行動可能な登山客10人+ガイド一人で下山したこと
 寒さで体調不良になった登山客も一緒に下山開始しています。体調不良になった登山客は、この場でビバークすべきでした。下山は無理であることをガイドに伝えなかったのだろうか。自分が体調不良になった場合、それを早めにリーダーに伝えることは、登山メンバーの義務です。どれだけ歩くのか、登山計画が全く頭に入っていなかったのでしょう。『山に連れて行ってもらう』との意識の登山者は非常に危険です。
 登山者の体調をガイドは確認していないと思いますが、ガイドの落ち度なのか、登山者が伝えるべき義務を怠ったのか、両方の責任のような気がするけれど、良く分りません。

⑥ガイドが先頭で下山したこと
 1人同行したガイドは、登山客に「救援要請しろ」と怒鳴られたためか、救援要請を急いだので、一行はチリジリになってしまう。
 これは、ものすごくまずい対応です。リーダーは常にパーティーの最後部に付くことが原則です。もし、下山を急いで緊急連絡するならば、誰かにリーダーを託すべきで、そうでないならば、誰かに緊急連絡を肩代わりさせるべきでした。それもできないならば、緊急連絡はあきらめるべきです。非常時には、全員の安全確保が先決で、救援要請は後回しにすべきです。でもね、今の日本は、ほとんど全員が「安全ボケ」しているので、救援要請さえすれば何とかなるだろうと、安易に思いがちです。
 緊急時のガイドの対応について、会社はきちんとした教育をしていたのだろうか。検証が待たれます。


補足(1):
 私、自身、登山をする立場から考えると、今回の遭難事件では、登山客の行動が信じられません。ニュース報道には、次のようなものも有ります。
 『大雪山系のトムラウシ山で中高年の男女8人が死亡した遭難事故で、今回のツアーに参加した登山者の一人はNHKの取材に対し、「観光旅行のつもりだったので山についての予備知識がなかった」と話しました。(7月19日NHKニュース)』
 『遭難者はいずれも本州からのツアー客だった。本州ではそれなりの経験があったとみられるが、北海道は夏でも気温が氷点下になることがある。専門家は本州と北海道の夏山に対する認識の違いが悲劇につながった可能性もあるとみている。(7月17日毎日新聞)』
 観光旅行のつもりで、大雪山系登山をしたら、遭難しても、当たり前のような気がします。本当に、そんな人がいるのかなー。また、本州の山でも3000m級になれば、夏でも気温が氷点下になることがあっても、おかしくないので、もし、報道されていることが事実ならば、完全に山をなめきった不良登山者です。

補足(2):
 前日の縦走で相当に疲労した登山者や、夜、良く眠れなかった登山者がいて、雨天の出発は無理だったとの一部報道もあるようです。でも、夜に眠れたかどうかや、出発時点に体調不良かどうかなどは、本人が申し出ないと、ガイドには分らないでしょう。一日の行動は分っているのだから、自分の体調で十分可能なのか無理なのか、自分で判断しなくてはならない。『どうしようもなくなったら、ほかの人が命がけで何とかしてくれるだろう』と考えて、体調不良をリーダーに申し出なかったとしたら、登山者として失格です。

補足(3):
 朝、避難小屋を出発した時刻を30分遅らせた理由を、旅行会社側は、雪渓上で強風にさらされないためと説明しています。そのような理由があったにせよ、登山者は、その間に雨具や着衣を点検する必要があることは言うまでも有りません。(2009.9.10)

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