トムラウシ山遭難考―円柱周りの強制対流の計算式 ― 2010年07月30日
伝熱工学の話です。
丸善発行の図書『日本機械学会/偏 伝熱工学資料 改訂第第5版』買いました。仕事で使うために、会社の金で買ったのですが。。。
これまで、着衣がある場合の風の影響を調べるために、円柱周りの強制対流(乱流)熱伝達に対して、次式を使いました。
Nu=0.0266×Re 0.805×Pr 0.333
伝熱工学資料では、Zukauskasの式が掲載されています。
Nu=C×Re n×Pr 0.37
C,nはレイノルズ数によって変わるパラメータで、同書P35に記載されています。ちなみに、レイノルズ数2E5~1E6の範囲では、C=0.076
n=0.7です。
この式を使って計算すると、風速4~5m/sで値はほぼ一致し、風速20m/sでは、これまで使っていた式のほうが30%ほど余分に熱が奪われています。この程度は、誤差の範囲ですが、これまでの検討は、世の中で一般に使われている値に比べ、強風の影響を、ほんの少し大きめに評価しています。