イカリソウ ― 2017年05月01日
キンラン ― 2017年05月02日
アマドコロ ― 2017年05月03日
ユキモチソウ ― 2017年05月04日
本―桜奉行 幕末奈良を再生した男 川路聖謨 ― 2017年05月05日

出久根達郎/著 『桜奉行 幕末奈良を再生した男 川路聖謨』養徳社 (2016/11)
川路聖謨は日露和親条約締結に際してプチャーチンと交渉した。本書は、それより前、奈良奉行時代の川路聖謨の伝記。
本書の著者は直木賞作家。
本の紹介―あたらしい憲法草案のはなし ― 2017年05月06日

自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合/著 『あたらしい憲法草案のはなし』 太郎次郎社エディタス (2016/7)
日本国憲法が施行されたとき、学校生徒向けに新憲法解説冊子「あたらしい憲法のはなし」が出版された。
新憲法から70年がたって憲法改正が現実のものとなっている。本書は、自民党の改正憲法草案がどのような内容で、何を目指しているのかを、「新しい憲法の話」ふうに解説している。本書の著者は、自民党改正憲法草案に賛同しておらず、文章の書き方が少しパロディーっぽいが、解説内容は的確である。
本の紹介―昭和天皇の戦争 ― 2017年05月07日

山田朗/著『昭和天皇の戦争 「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと』 岩波書店 (2017/1)
宮内庁から昭和天皇実録が公表されて、昭和史を知るうえで重要な文献となった。
本書は、日中戦争から敗戦までの期間に、昭和天皇実録にどのようなことが書かれていて、どのようなことが書かれていないのかを解説する本。著者は歴史学者。かなり専門的な内容なので、近代日本史の予備知識がないと読みにくいだろう。それから、昭和天皇実録の第7巻から第9巻を読む前に、本書を読んでおくと、昭和天皇実録の理解がしやすいと感じた。
戦前、天皇は帝国陸海軍の統帥権者だった。明治天皇の時代には、日清・日露の戦争に勝利して、海外侵略・帝国拡大の足場を作った。昭和天皇は明治天皇を尊敬していたので、海外侵略の最大の推進者であったことは想像に難くない。
ところが、敗戦により、国論が変えられると、昭和天皇が平和主義者で戦争に反対だったかのような言説が現れる。帝国陸海軍の統帥権者が反戦であるなど、そんな間抜けな国があろうはずはない。
本書では、日中戦争から敗戦までの期間に、昭和天皇が戦争にどのような態度をとってきたかを、種々の資料により詳しく説明し、さらに、昭和天皇実録では、天皇が戦争に積極的であった記述が極力抑えられていることを明らかにしている。
ホームページ更新 ― 2017年05月08日
ホームページ更新
『やさしい北方領土のはなし』のルビを増やしました。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Yasashii.htm
『やさしい尖閣諸島問題のはなし』のページを作りました。
http://cccpcamera.photo-web.cc/Ryoudo/Senkaku/YasashiiSenkaku/index.htm
漢字にルビを振り、なるべく易しい表現にしました。ただし、内容はそれほど易しくありません。
『やさしい北方領土のはなし』のルビを増やしました。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Yasashii.htm
『やさしい尖閣諸島問題のはなし』のページを作りました。
http://cccpcamera.photo-web.cc/Ryoudo/Senkaku/YasashiiSenkaku/index.htm
漢字にルビを振り、なるべく易しい表現にしました。ただし、内容はそれほど易しくありません。
本の紹介-尖閣諸島と日中外交 ― 2017年05月10日

塩田純/著『尖閣諸島と日中外交 証言・日中米「秘密交渉」の真相』 講談社 (2017/4)
本書はNHKテレビ番組のための取材をもとにしたもので、著者はNHKプロデューサーのため、読みやすい。
内容は、バンドン会議での日中接近から、日中国交回復までの日中関係史。尖閣諸島の領有権問題が本書のメインテーマというわけではない。
バンドン会議の時は高碕達之助に焦点があてられる。
沖縄返還の時、台湾・中国から尖閣諸島の要求があって、米国は領土問題に関知せずに施政権を日本に返還した。このころは、中国の国連代表権問題があって、政権の正統性と領土問題が密接に関係していた。本書では、このあたりの事情を読みやすく説明していて、事前知識なしに簡単に理解できる。尖閣問題を学習する場合は、本章だけでも読んでおいたほうが良いように思う。
本の半分は、日中国交回復の話で、大平正芳に焦点が当てられている。本書では、日中国交回復では、尖閣問題を議題にせずに、今後も現状凍結することで両国の合意が得られたが、両国首脳間で何となく合意したのであって、合意文書などを交換したわけではないことが、明確に示されている。
本書は、日本と中華人民共和国の外交関係を解説したものであって、その中で、尖閣問題の位置が明確に示されているので、日中関係としての尖閣のりゅゆう権問題を理解するには好適な本である。ただし、尖閣問題全般を俯瞰する目的で書かれた本ではないので、尖閣問題を理解したい向きには、本書だけでは不十分だ。
本-オホーツクの古代史 ― 2017年05月11日

菊池俊彦/著『オホーツクの古代史』 平凡社新書 (2009/10)
この本の主題は、必ずしも興味の対象ではないのだけれど、読んだことを忘れないように書き留めておきます。
かつて、オホーツク沿岸に栄えた海洋文化「オホーツク文化」が存在した。本書は、オホーツク文化に関連する航行学の解説書。オホーツク文化の領域には、日本が含まれるが、日本史の授業で習うことも少ないので、多くの人にはあまりなじみがない文化だろう。本書は一般の人を対象にしたもので、特に予備知識がなくても読むことはできるが、ある程度オホーツク文化を知っていないと、読み進むのが大変かもしれない。
中国・明時代の史書に「流鬼」が朝貢に訪れたとの記載がある。流鬼国の所在地について、カムチャツカ節とサハリン説があり、本書では、両説について、だれがどのような根拠でそれらの節を唱えたか、詳しい説明がなされている。
著者は、流鬼国をサハリンのオホーツク文化とし、さらに、オホーツク文化は大陸に起源をもつことを説明する。
本書では、オホーツク文化がどのような文化であったかを説明することよりも、むしろ考古学の学説としてどのように研究されてきたかに重点が置かれる。