中国製ゲージブロック2020年02月03日

 1cmを正確に決めるためには、ブロックゲージを使います。下の写真は、ミツトヨ製JIS 1級のセラミックスブロックゲージで、誤差は-0.08μm。現在、Amazonで5889円。もう一つ欲しかったのだけど、ミツトヨ製JIS 1級は高いので、中国製の鋼製ブロックゲージを購入しました。Amazonで935円。
 
 
 
 中国製ブロックゲージの精度がどれだけなのか分からないので、ダイヤルゲージで計測しました。ダイヤルゲージとは、高さの絶対量を図るものではなくて、2つのものの高さがどれだけ違うのかを図るためのもの。1メモリが10μmです。
 両方を比較するとほぼ一致していて、誤差があっても1~2μm程度。ブロックゲージの誤差ではなくて、ダイヤルゲージを固定しているスタンドにちょっと触れただけでも数μm動くので、測定の誤差かもしれない。そういうことで、中国製ブロックゲージの精度がどれくらいか分からなかったけれど、1~2μm程度よりも大きいということはないようです。
 私の場合は、0.01㎜の測定精度があればよいので、中国製ブロックゲージで十分に実用的です。
 


中国製ゲージブロック 20mm2020年02月04日

 2㎝を正確に決めるためには、2cmのブロックゲージか、1㎝のブロックゲージ2個を使います。高精度が必要な時は、2cmのブロックゲージを使った方が良いのだけど、何種類もそろえるのは大変。
 下の写真は、中国製の2cm鋼製ブロックゲージで送料込み1000円ぐらいだった。
 
 
 中国製の1cm鋼製ブロックゲージとミツトヨ製JIS 1級の1cmセラミックスブロックゲージを重ねたものと、中国製の2cm鋼製ブロックゲージの寸法をダイヤルゲージで比較しました。ダイヤルゲージの1メモリが10μmなので、1~2μm以下の違いは分からないけれど、その範囲内で中国製の2cm鋼製ブロックゲージとブロックゲージ2個重ねとは一致しています。

 
 
 それから、ブロックゲージの中心部と周辺部の誤差を測定すると、ダイヤルゲージの指針はピクリとも動かない。1μm以下であることは確かなようです。もっとも、ミツトヨ製JIS 1級の1cmセラミックスブロックゲージの中心と周辺の誤差は0.04μmなので、1μm以下なのは当たり前かな。
 



中国製ゲージブロック 40mm2020年02月05日

 下の写真は、中国製の4cm鋼製ブロックゲージで送料込み1000円ぐらいだった。
  
  
 他のブロックゲージを組み合わせて4㎝を作り、ダイヤルゲージで比較しました。ダイヤルゲージの1メモリが10μmなので、1~2μm以下の違いは分からないけれど、その範囲内でほぼ一致しています。

  
 中国製の鋼製ブロックゲージは1個1000円程度と安価だけど、ノギスやマイクロメーターの簡易校正には十分な精度があるようです。


本の紹介―古代寺院2020年02月06日

 
吉川真司/編・著 菱田哲郎、藤岡穣、海野聡、ブライアン・ロウ/著『古代寺院: 新たに見えてきた生活と文化 (シリーズ古代史をひらく)』岩波書店 (2019/12/5)
 
岩波書店による古代史シリーズの第三巻。
飛鳥時代から奈良時代の寺院と社会のかかわり、寺院の機能、寺院内での生活のようすなど、寺院の多様な実像を明らかにしている。
章題は以下の通り。
・古代寺院の生態
・遺跡から見た古代寺院の機能
・古代寺院の仏像
・寺院建築と古代社会
・古代寺院のネットワークと人々
 
古代史シリーズの第四巻は『渡来系移住民』

本-歴史認識と日韓「和解」への道2020年02月13日

 
戸塚悦朗/著『歴史認識と日韓「和解」への道 徴用工問題と韓国大法院判決を理解するために』 日本評論社 (2019/11/13)
 
読んだことを忘れないように記載します。
弁護士で龍谷大学教授を務めた戸塚悦朗氏の論文集。学術論文なので、素人の私には難しい。

セツブンソウ2020年02月17日

 
栃木県栃木市星野では、セツブンソウが見ごろです。
セツブンソウは、キンポウゲ科の多年草。白い花びらのように見えるのが萼片で、黄色い雄蕊のようなのが花弁で、青いのが雄蕊です。萼片は5枚が多いけれど、7枚のもあります。

旧石器時代の捏造ーー星野遺跡2020年02月18日

 
栃木市星野のセツブンソウ自生地のそばに、星野遺跡があります。
 
 在野の考古学研究者・藤村新一は、前期旧石器時代の遺跡を捏造した。藤村新一は東北大学教授で前期旧石器時代が存在すると唱えていた芹沢長介門下生らのグループに所属していた。
 
 星野遺跡で捏造が行われたのではないけれど、ここは芹沢長介が発掘の結果、前期旧石器時代の石器を発見したと主張したところ。実際には、自然にできた石器様の石を見間違えた可能性があり、旧石器時代の遺跡と認定されたわけではない。
 
 星野遺跡には縄文時代の復元住居が作られている。また、星野遺跡記念館があるが、訪ねた時は閉館中だった。

本の紹介―気候危機2020年02月19日

  
山本良一/著『気候危機』岩波ブックレット (2020/1)
 
 スウェーデンの少女、グレタ・トゥンベリさんの地球温暖化対応を求める活動が世界の注目を集めている。
 本書は、地球温暖化の現状認識とグレタ・トゥンベリさんの活動、さらにはグレタさんの活動以降、世界各国の自治体や国家などが地区う温暖化対応の宣言を出している状況を説明している。本書の著者は東京大学先端科学技術研究センター教授を務めた人だが、地球温暖化の科学的解明に主眼が置かれているわけではない。
 薄い本にしては、若干引用が多くて少し読みにくい。

本の紹介―韓国徴用工裁判とは何か2020年02月21日

 
竹内康人/著『韓国徴用工裁判とは何か』岩波ブックレット(2020.1)
 
 2018年10月30日、韓国の最高裁では、戦時中の強制徴用に対して、新日鉄住金に損害賠償支払いを命ずる判決が確定した。この判決について、日本国内では「国際法違反」等々の批判が相次いだ。
 
 本書は戦時中の強制徴用の実態、徴用工の労働の実態を解説し、さらに、戦後、日韓の間で何がどのように解決されたのか、韓国の最高裁の判決がどのようなものであるのか、など、徴用工と韓国最高裁判決について、多角的な解説がなされている。ただし、本書はブックレットの性格上、一般読者向けの啓蒙書であるので、裁判の技術的問題など微妙な問題に対する解説はない。
 
 現在、日本政府・マスコミなどでは韓国最高裁判決が、明らかに、国際法違反であるかのように主張している。しかし、日本の裁判においても、三菱重工広島の2005年広島高裁では、日本政府が原告46人に一人120万円の損害賠償を命じる判決を出している(P30) のをはじめ、日本製鉄・2001年大阪地裁判決、三菱名古屋・2007年名古屋高裁判決では強制労働の事実が認定されている(P68)。日本の下級審でも、損害賠償請求を認める判決があるのだから、損害賠償認定の是非は裁判官によって判断が分かれるところであり、「明らかに国際法違反」などと単純なものではない。
 
 1965年の日韓請求権協定では、「財産・権利及び利益と請求権が完全かつ最終的に解決されたこととなる」とされている。日本政府の国会答弁では、放棄されたものは外交保護権であり、個人の請求権が放棄されたのではないとされている。この件に関して、本書では、小和田恒の以下の説明が記されており、日本政府の本音と建て前を考えるうえで参考になる。
 『原則は全部消滅させるのであるが、その中で消滅させることがそもそもおかしいものがある。理論的にいってどこまでのものを消滅させ、どこまでのものを生かしたらいいのかという問題と、政策的にいってどこまでのものを消滅させなければいけないのかという問題があった。そこで、請求権は放棄すると書き、説明として外交保護権の放棄であるということにした。(P44)』
 
 ところで、請求権裁判の管轄権は日本にあって韓国にないのか、日本にあるか否かにかかわらず韓国にもあるのか、両方の見解がある。国際法上、韓国に裁判権がないのならば、今回の韓国最高裁判決は国際法違反ということになるが、日本政府の説明や日本のマスコミ解説では、このように訴訟手続きの細かい議論は見かけない。本書は一般読者向けの啓蒙書であるため、このような訴訟手続きの細かい話はない。

神社で拍手を打つな!2020年02月24日

 
島田裕巳/著『神社で拍手を打つな! 日本の「しきたり」のウソ・ホント』中央公論新社 (2019/11)
 
 ここ数十年前からだろうか、神社の参拝は二礼二拍手一礼が正式とされている。以前は二拍手合掌一礼が多かったと思っていたので、不思議な気がしていた。
 
 本書では、信者が二礼二拍手一礼をする参拝方式は、戦後になってから神社本庁が正式参拝として推奨しているものであって、古い伝統ではないと説明している。
 江戸時代は神仏混交だったので、神社のご神体が仏像であることは珍しくなく、この場合、神社参拝は念仏などになるのは当然のことだったので、信者が二礼二拍手一礼することが明治以降の新しい形式であることは、考えてみれば明らかだろう。
 
 このほか、本書では「初詣は鉄道会社の発明」「マイカーが生んだ墓参り」「結婚式に祝儀など持っていかなかった」「どう考えても無駄な半返し」「クリスマスはキリスト教の行事ではない」「ハロウインの起源は江戸時代の花見」と、昔からの行事・しきたりと考えられているものが、実はそうではない事が説明されている。
 
 本の文章は読みやすく、知らなかったことも多いのだけど、「だからどうなの?」と思える記述など、それほど興味持てないこともあった。

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