本の紹介-ノモンハン 隠された「戦争」2011年09月23日


ノモンハン 隠された「戦争」 鎌倉英也/著 NHK出版(2001.3)

 ノモンハンとは、モンゴルと満州の国境地域の名称。1939年5月から9月中旬まで日本軍とソ連・モンゴル連合軍が戦争し、日本軍が敗北した。

 本書は、NHK番組を書籍として出版したもので、ロシア・モンゴルを取材してノモンハン事件を明らかにしている。
ノモンハン事件(ハルハ河戦争)は日本の負け戦だったため、日本には戦争の実態があまり知られることがなく、関連資料も日本には、あまり残されていない。  NHK取材班は、ロシアに残された膨大な資料にあたり、さらに、衝突のあった現地調査をすることにより、戦争の実態を明らかにした。
 本の内容は以下の章からなる。「第1章 司馬遼太郎のノモンハン」「第2章 五万枚のロシア極秘文書」「第3章 五ドルの価値もない戦場」「第4章 モンゴル要塞の完成」「第5章 ハルハ河への旅」「第6章 それぞれの戦後」「第7章 消えない傷跡」。このうち、第4章はモンゴルの近代史。第5章はロシアに残された文書による戦闘の様子。第6章は日本人捕虜の話で、日本に返されることを拒否した日本人捕虜の話題がある。
 ノモンハン戦争は太平洋戦争に突入する直前の敗北だった。太平洋戦争を理解するうえでも、ノモンハン事件の戦争の実態を知ることは重要なことのように思える。

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