本の紹介 北方領土をとりもどす ― 2013年06月23日

『日本固有の領土 北方領土をとりもどす 北方領土問題がわかるQ&A』 日本会議事業センター/編 明成社 (2013/03)
56ページの薄い本。
本の表題から、北方領土を取り戻す対策を示しているのかと思ったら、そういうことはなくて、日本に都合の良いことを一方的に主張するだけのもの。こんなことでは、国際社会を説得できないどころか、北方領土問題を学習したものにとっては、ばかばかしい、虚言に過ぎない。
多くの記述では、この本を読むよりは、外務省が無料で配布しているパンフレット『われらの北方領土』を読んだほうが優れている。
現在行われている北方領土返還運動の多くは、四島返還を主張するものであるが、現実の外交的解決はでは、100%日本の主張が満たされることはない。このため、北方領土返還要求は、日ソ国交回復以来、完全に膠着着状態に陥ってから55年がたっている。本書のように、一方的に日本に都合の良い勝手解釈で日本の正当性を主張しても、解決策がなければ、領土問題解決には、何の役にも立たないだろう。