トムラウシ山遭難考(17)―事故は特別な気象条件で起こったのか? ― 2010年07月13日
昨年7月16日に、北海道大雪山系トムラウシ山で、中高年ツアー登山パーティーの大量遭難事故があった。夏としては低温で強風という気象条件の中で、低体温症を発症して凍死したものである。トムラウシ山遭難事故調査特別委員会より、今年の3月初めに最終報告書(トムラウシ山遭難事故調査報告書)が作成・公開されている。(http://www.jfmga.com/pdf/tomuraushiyamareport.pdf)
本遭難の原因が低体温症であることは明らかであるが、低体温症に至った原因について、正確なことは分かっていない。報告書では低体温症に至った最大の要因を「風の強さ」としている。
では、どれだけ風が強くて、また、どの程度低温だったのだろうか。
昨日、2010年7月12日は風が強い日だった。トムラウシ遭難の風速・温度と、昨日の富士山の風速・温度と比べてみる。
昨日、2010年7月12日は風が強い日だった。トムラウシ遭難の風速・温度と、昨日の富士山の風速・温度と比べてみる。
下の図が、トムラウシ遭難の風速・温度。風速20m前後、気温10度弱である。(画像をクリックすると拡大します)
こちらが、2010年7月12日の富士山の風速・温度。風速25m前後、気温7度弱である。(画像をクリックすると拡大します)
トムラウシ遭難は、昨日の富士山よりも気温が高くて、風が弱い気象条件で起きています。
昨日の富士山は強風だったけれど、富士山としては、特に珍しい気象条件ではなくて、ひと夏のうちに、何日かは、この程度の強風の日があります。同様な気象条件は、北海道大雪山系や北アルプスでも、珍しくありません。
昨日の富士山は強風だったけれど、富士山としては、特に珍しい気象条件ではなくて、ひと夏のうちに、何日かは、この程度の強風の日があります。同様な気象条件は、北海道大雪山系や北アルプスでも、珍しくありません。
昨年8月に、富士山に登った時は、気温7℃、風速10m程度と、富士山としては比較的穏やかな天気でした。
オーロンのTシャツとポロシャツで登りましたが、登っているときは、うっすら汗を書きました。頂上で、昼食にしたときは、しばらく座っていたので寒くなり、雨具の上衣を着ました。下山のときは、登山と同じ格好。
また、昨年9月13日に、木曽駒ケ岳に登った時、輪島上空3000mでは、気温3℃風速23mでした。木曽駒ケ岳頂上もこの程度だったでしょう。頂上の天気はキリ。その時の服装は、Tシャツ、ポロシャツ、雨具の上衣。でも、これだとさすがに頂上でじっとしていると寒くて仕方ないので、薄手のセーターを1枚着ました。寒くないだろうと高をくくって、車の中に、フリースジャケットを置いてきてしまった。薄手のセーターでは、寒いので、ケルンの陰に隠れたり、そこら中歩き回って身体を動かして体温を上げたりしてました。
下の写真は、2009年9月13日8時54分の木曽駒ケ岳山頂の様子。皆さん防寒してますね。
オーロンのTシャツとポロシャツで登りましたが、登っているときは、うっすら汗を書きました。頂上で、昼食にしたときは、しばらく座っていたので寒くなり、雨具の上衣を着ました。下山のときは、登山と同じ格好。
また、昨年9月13日に、木曽駒ケ岳に登った時、輪島上空3000mでは、気温3℃風速23mでした。木曽駒ケ岳頂上もこの程度だったでしょう。頂上の天気はキリ。その時の服装は、Tシャツ、ポロシャツ、雨具の上衣。でも、これだとさすがに頂上でじっとしていると寒くて仕方ないので、薄手のセーターを1枚着ました。寒くないだろうと高をくくって、車の中に、フリースジャケットを置いてきてしまった。薄手のセーターでは、寒いので、ケルンの陰に隠れたり、そこら中歩き回って身体を動かして体温を上げたりしてました。
下の写真は、2009年9月13日8時54分の木曽駒ケ岳山頂の様子。皆さん防寒してますね。
このように考えると、トムラウシ遭難時の、風速20m前後、気温10度弱って、山では珍しくないのです。
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