直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない2011年03月21日

福島市のホームページに、「放射線について理解を深める講話の概要」が掲載されています。
http://bousai.city.fukushima.fukushima.jp/info/img/copy_of_eee.pdf
医学的な観点から、放射線による障害には、①数日から数週間で起きる急性障害、②数年後以降に起きる晩発性障害、の2種類がある。現時点の状況から言えることは、今の退避行動をとっていれば急性障害は起こらない、晩発性障害の可能性はあるが時間があるので対応する余裕がある、ということ。
この説明、全く同感です。枝野長官は放射線量を説明するときに「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない」と付け加えるのを忘れません。
 
でも、多くの人は、自分に生じるかもしれない「急性障害」よりも、子供や孫に生ずるかもしれない「晩発性障害」を恐れているのではないだろうか。たとえば、妊婦が被爆して生まれた子供の知能が低かった場合、発覚するのは小学校入学後のことでしょう。そうなった場合は、行政としては、特殊学校の用意などをすればよいので『対応する余裕がある』ことになります。でもね、生まれる本人や親にとっては、そんなことではないでしょう。
 
チェルノブイリ被災地の子供は、他の地域に比べて、学力が低いとの話もあります。平均のことだから、被災地にも頭のいい子はいるし、被災していなくても単なるバカな子もいます。

(補足)誤解のないように補足します。チェルノブイリ原発汚染地域の子供の平均学力が低かったとしても、ただちに放射能の影響ともいえません。たいていの人は、汚染地域にとどまりたくないだろうから、お金があれば、引っ越しをすっる人も多いでしょう。このため、汚染地域にとどまっている人は、貧しい人が多く、元々、親の学力が低かったとも考えられます。 

枝野長官は「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない」と言っています。枝野長官の説明は、嘘ではないけれど「晩発性障害の可能性は全くない」と言ってくれない限り、危機意識を持たなくてはならないのです。子や孫に晩発性障害が起こったら、おしまいです。
 
福島市の人は「急性障害は起こらない」「直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない」のであるならば、それで満足なのでしょうか。人それぞれの考えだと思うのですが、私ならば、放射線濃度が今なお高い地域からは、子供だけでも退避させるけどなー。 いまだに、数マイクロシーベルト毎時って、うれしくない数値です。

誤解の無いように追記すると、数マイクロシーベルト毎時程度の放射線量は微弱なので、遺伝障害を含む晩発性障害の可能性も無いか非常に低いものです。可能性は無いとの説の人もいます。でも、もし、万一起こったら、取り返しが付かない。そこをどのように考えるのかは、個人個人の問題です。

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